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アクタガワ

あくたがわ

「アクタガワ」とは、錆喰いビスコの主人公のうちの1人の蟹である。(メイン画像後ろの蟹)
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概要、性格編集

錆喰いビスコの主人公の1人(1匹)。

ビスコと共に旅をしている最強のテツガザミ。雄で、体脂肪率0.2%ぐらい。ハサミは左右で大きさが異なり、左が大バサミになっている。

ビスコとは兄弟のような強い絆で結ばれている頼れる相棒である。ビスコはアクタガワを弟分と思っているが、アクタガワはアクタガワでビスコを舎弟と思っている。名前の由来は言うまでもなく文豪芥川龍之介で、四国キノコ守りの蟹の例に漏れず名前は世襲制。

一人称は「ぼく」だが、勿論蟹であるためヒトの言葉を実際に喋ることはない(原作では考えていることがカッコ内に書かれて表現されている)。そのため直接的に言葉を交わすコミュニケーションは不可能だが、泡を吐くなどの仕草でビスコやミロの問いかけに応えているような描写がある他、合図で伏せたり、主人を気遣ったりできる知能の高さをもち、指笛にも応える。医者が嫌い。

作者のイメージでは、アクタガワの声は野沢雅子氏を想定しているとのこと。

甲羅には鞍や旅の荷物が着けられており、これはミロ曰くアクタガワなりのお洒落でもあるらしい。鞍の高さまでは約2mほどで、テツガザミの大きさとしては比較的普通のサイズだが、アクタガワは自分より大きい生き物は気にくわないらしい。幼生のころから異常に強く喧嘩っぱやく、体格が自身より1.5倍ほど大きな大先輩のオウガイ(ジャビのテツガザミ、雄)を負かすほどであったため、成長するまえに同じく狂暴なビスコに押し付けられた。成長した今となっては、そのハサミを振りかざす威嚇は他の動物はおろか、兄弟分のビスコをしてたじろがせるほどの迫力を持つ。

成長期なので定期的に脱皮するが、その際、甲殻に施された炎弥天(キノコ守りが崇拝する神のひとつ)の印が剥げてしまうので定期的に墨師に書き直してもらうとのこと(1巻時点では印はないらしい)。アクタガワの抜け殻は加工すれば優秀な装備になるが、抜け殻を纏うと過去に囚われるとして縁起が悪いため、ビスコはそこらに埋めている。アクタガワ自身は少年少女4人より長生きする可能性もあり、繊細なビスコと比べて、アクタガワ自身がビスコを見送るぶんにはとくにショックを引きずることはない(蟹だから)という。ただ、それ以降、自分の背中に誰かを乗せることはないだろうし、日本から去って海に帰っていくと思われるとのこと。

作者曰く、蟹は自分の強さ以外に興味がなく、情や恐怖をあまり理解しないとされているが、怒りやプライドを持ち得ることをアクタガワは証明しているという。

実際、作中でも普段は冷静だが、雌の蟹に逃げられた時は憮然とむくれた雰囲気になったり、自身を侮られた際などは怒りを顕にし、一旦怒ると満腹になるまで許さなかったりする。また、背中に乗せている者が喧嘩するなど煩くするとハサミで投げ飛ばしてしまう。

アクタガワには人間の哀しみはわからないが、もし自分が人間だったら、と思いを馳せられる想像力があるという。またビスコとミロも同様に蟹の気持ちを想像できるから、背中に乗れるのである。あくまで違う生命体だが、想い、近づこうとする、人同士とはまた違う愛の形がどうやらそこにはあるという。

ビスコら人間は「何のために生きるのか?」という真理を追い続けるが、アクタガワは蟹なので、真理とかはどうでもよく、触れる風が心地よいか、太陽が眩しいか、腹が減ったとか減らないとか、そういう一瞬一瞬が彼にとっての全て。作者曰く、それはそれで立派なことであるとのこと。

このようにアクタガワは蟹にしてはとても思慮深く哲学も達者であるが、やはり蟹なので、目の前に好物が出たり自分よりデカい奴がいると、そういう哲学は一瞬でスッとんで闘争心のままに突撃してしまうらしい。

作者曰くアクタガワにはライバルの黒い蟹がおり、彼(?)は主人を持たずボロボロの空の鞍を背負っている。

作者曰く、アクタガワの意義は大きく4つで、「強い」「可愛い」「喋らない」「因縁がない」。二人だけの旅路では寂しいものの、ビスコとミロの他に誰かキャラを入れようとすると、お話がパンクしてしまう。また劇中で人間たちが悲しい目にあったときも、なにもかも失ったけどアクタガワがいてくれるという、キャラクターおよび読者の感覚の受け皿になってもくれるとのこと。人間は人間、蟹は蟹でドラマが分離しているため、距離感が程よいとか。


身体能力編集

テツガザミの特性から錆に強い耐性を持つ他、硬い甲殻はエスカルゴの溶解液すら余裕で耐えきり、力も重機より強い。この甲殻は生体金属と呼べるような性質で、熱や冷気に強く火や氷結を防ぐ。かわりに通電性がよく、電撃が弱点。筋肉が痺れてしまうとパワーが発揮できない。

また、陸を猛スピードで走るだけでなく泳いで海上を進むこともでき、切り立った崖にも爪を食い込ませて登攀するなど、いかなる地形も乗り越えていける、まさにガザミ(渡り蟹)の名前に相応しい踏破力を持つ。巨体に見合わぬ跳躍力も持ち、空中で回転した遠心力でキノコ守りを彼方へ投げ飛ばすトルネード投法も可能(飛ばされ心地の悪さは言うまでもないが)。

戦闘においてはハサミをハンマーのように振り下ろす、手近な物をちぎりとって得物として振るうなど、巨大なハサミをフルに使った豪快な戦い方をする。またアクタガワの走り、エイトレッグ走行法は変幻自在のブレーキで偏差撃ちに当たりにくく、スナカバ砲兵の集中砲撃をも躱す。しかしこれは鞍上のキノコ守りを気遣って躱しているだけで、本人(蟹)は砲撃を受けようがべつに痒いだけらしい。

アクタガワは肉体の持つポテンシャルだけなら最強だが、蟹なので信仰がなく、ビスコやミロと違ってなすべきことがべつにない。なので自発的に超信力を発現することができず(そういう観念がないから)、スペック以上・以下の動きにはならない。ただし鞍上にビスコがいれば、単純なのでそれに感応する。

当然のことながら、膂力でいえばビスコら作中の屈強な人物達をも差し押さえて最強なのだが、唯一互角なのは黒時空のビスコであるレッド。なお一番パワーが強いのは、同じく黒時空の♀アクタガワだとか。

関連タグ編集

錆喰いビスコ 赤星ビスコ 猫柳ミロ

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