「おいしくて、強くなる、ビスコだ。」
「理由はどうでも、好きなだけ恨めよ。でも俺のほうは、すぐにお前を忘れるぞ」
「俺の、肉が。骨が、なくなって、それが何だ? ︎︎魂は、死なない。地獄の底から這い上がって、必ずお前を守るぞ。……ミロ。俺達は相棒だ。ずっと、一緒だ」
「俺のことは、お前が解ってる。それでいい!」
プロフィール
本名 | 赤星ビスコ |
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異名 | 「人喰い茸の赤星」 |
星座 | さそり座 |
出身地 | 四国 |
年齢 | 17歳(1巻時点) |
身長 | 180cm程 |
捕縛礼金 | 八十万日貨→二百万くらい→三百万日貨超え |
好きな漫画 | ドラゴンボール |
料理 | 微マズ(基本丸呑み) |
得意な旅料理 | 焼きトカゲ |
現代に生きていたら何のバイトをしているか? | 引越し |
CV | 鈴木崚汰 |
概要
『錆喰いビスコ』の主人公の1人。多種多様のキノコを操り、弓を使ってあらゆるところにキノコを咲かせる「キノコ守り」の少年。齢17にして天下にその名を轟かせる大悪党、捕縛礼金八十万日貨となった賞金首で、通った土地をキノコまみれにしてしまうことと、その凶相から「人喰い茸の赤星」の異名をとる。2巻以降、かねてから政府のやり方に不満を募らせていた民衆たちの中には政府を嘲笑うように活躍する彼を信奉する者たちもいる。
1巻終盤以降、筒蛇の毒に侵された状態で錆の溶鉱炉に沈んだことで筒蛇毒に眠っていた錆喰いが発芽し、錆喰いと人間の混血の現人神となった。
作者公認のヒロインでもあり、根拠は誰もがビスコを全力で守るからである。
人体が錆に侵されていく病・サビツキに侵された師匠であるジャビを救うため、伝説の霊薬キノコ「錆喰い」を求めて旅をしていた。旅の途中、自分と同じく家族のためにサビツキの治療法を求める美少年医師ミロと出会い、バディを組むことになる。
容姿・装備
棘のような赤い髪と、一目で危険人物とわかる狂犬じみた面構えが特徴の少年(野性的ながら、顔立ちそのものは整っており、可愛いと評される事もしばしば)。鋭い右目の周りを縁取るように、真っ赤な錆喰いの刺青が施されている。瞳は翡翠ごとき緑色で、岩を通すような意志の強さを漲らせている。笑うと白い犬歯が獰猛そうに光る。ウニ頭は濡れるとぺしょぺしょになるが、光の速さで乾く。
作者曰く、空中戦が多く、跳躍力や身軽さが大事なことから脚や臀部のボリュームは並ぐらいだが、弓力の凄まじさから、胸や、特に背中の筋肉はかなり厚いという。
身長は約180cmだが、キノコ守りは基本的に小柄なほど戦士向きとされ(重すぎるとキノコ跳躍の着地で膝がもたないので)、ビスコはかなり体格がいい方である。ビスコは「鞭のような引き締まった筋肉」と形容されているが、これはキノコ守り基準で言うと相当筋肉がある方である。キノコ守りは昼夜問わず活動量が多いのでそんなに筋肉質にはならないのだという。
エメラルド色の短弓と赤褐色の矢を入れた矢筒、二振りのとかげ爪の短刀が得物。キノコ守りの基本装備として、キノコの菌糸を馴染ませたヒトデ革のズボンとチュニック、マムシ革のブーツ、腰周りにはキノコ毒の薬管を挿したアンプルサック、雑多な道具を詰め込んだポーチが2つ。矢筒は刀の鞘のようにしてベルトに差し、キノコによる跳躍の際に浮力を得て脚を守るなめし茸の外套を羽織る。
靴サイズは28。ブーツはキノコ守りにとっていちばん大事な防具(虫除けや跳躍など)なので、上半身よりはるかに高難度の服飾技術が使われており、家ぐらい高いこともあるという。ブーツの爪先・カカトにはイカリダケ細胞が仕込んであって、これは空中の姿勢制御のほかに鈍器として使える。蹴りが斧の代わりになるように本人なりの工夫があるらしい。
トレードマークの猫目ゴーグルはハンティング用品メーカー「サラマンダ」が小数生産するサルベージャー用のゴーグルで、ズーム機能、暗視機能、サーマル機能、動体検知機能などいわゆる猫眼と同じ性能を持っている高級品。現代の腕時計のようなお洒落・権威誇示のシンボルとしても用いられる。彼がこれを着けるようになったのは老キノコ守り達のファッションに憧れてピアスを開けようとしたものの、幼少期から超再生力のビスコは一晩で穴が塞がってしまうため諦め、悔しかったので猫目ゴーグルを買ったところ長老たちは「ナウい」と羨ましがったため、ビスコはこれをかっこいいので気に入って着用するようになった。しかし、素で眼が良く、夜目も効くためほとんど使わないとのこと。
武器が弓と短刀なのは、彼が戦うために生きているわけではないことを表現している。弓は生活であり、信仰であるとのこと。ほかに手斧も装備でき、少年時代は短弓とマサカリを持っていたが、成長につれ弓が大きくなっていき、筋肉もついたことから、ジャンプの妨げになる手斧を短刀にして軽量化したという経緯がある。
人物
一人称は「俺」。粗野で言葉遣いは荒く、「バカ」「クソ」「ボケ」など、何かと悪態をつくのが彼の行動の極めて基本的な部分である。身内であれ敵であれ、おちょくるような発言をする事も多い。しかし、その胸の奥には暖かく少年らしい優しさがあり、命の危機に瀕した大切な人が助かったとわかれば強面を崩して涙を流すことも。
意外と押しに弱いため、ミロやパウーの勢いに押されがちになることもある。
恩には礼をもって返す律儀さもあり、助けた相手から礼の言葉がないことには強く指摘する。
ちなみに、作者曰くビスコの一番いいところは人の話を全部聞くところである。
関わった相手とはそれが好意であれ憎しみであれ、必ず真剣に向き合う。それゆえ一つ一つを受け入れていたら潰れてしまうため、後天的に狂犬的性質で身を守り、他人を遠ざけている。
劇中では数多く人助けをしているように見えるが、ほとんどの場合まず相手から助けてもらっているため、本人からすれば恩を返しただけで「俺は何もしてない」という物言いは謙遜ではない(子供が不条理に殺されそうになって助けを乞う場面などがあると、無関係な他人でも助けることはある)。これは万物の生きる、死ぬの宿命に極力干渉しないという自戒めいたこだわりがあるとのこと。ただ一度誰かを身内と認識してしまうと、ポリシーを曲げてでも救わずにはおれない。そのため、本人は友達を増やしたくないと思っている。
戦略上や自分を鼓舞するために煽りを入れることもあるが、どんな相手にも必ず敬意を払う。何かを侮ったり下に見たりすると、そこから敗北するということを先天的に知っているのかもしれないとのこと。
また、野生動物からの奇襲に強くほぼ食らわないが、嘘に耐性がなく、人間相手には騙し討ちをよく喰らう。なお本人は嘘はつかないが、もしつくとしたら上手いという。
キノコ守りなので勿論学校はでておらず、大抵の漢字は読めない。また、トランプや麻雀などルールが複雑なものは覚えられないし弱く、ゲーム全般が苦手。ただし、神経衰弱と叩いて被ってジャンケンポンだけめちゃくちゃ強い。
また下戸で、お酒は一滴で真っ赤になって倒れる。
キノコの事以外では手先が不器用らしく、「こちら側のどこからでも切れます」と表記された袋をどこからも切れなかったりする。しかし、キノコ守りの例にもれず、感性は独特ながら絵が上手。作者曰く、現代に産まれていたら仏師になって神像を掘っていたかもしれないという。
非常に信心深い一面もあり、地蔵があると絶対に拝むほど。作者曰く、ビスコにピーマンとかを食べさせたかったら、例えば不動明王の梵字を切れ目として入れたり、ソースで書いたりすれば、神力得たりと思って勝手にたべる、とのこと。
キノコ守りは一般に信心深いとはいえ、ビスコはかなりその傾向が強い事がジャビの口から語られている。自身の名前にも「つよい男の子になるように」という温かな祈りが込められている事を自覚しているため、その名前を他人に笑われると怒りを露わにする。
豊かな想像力から魂や霊魂の存在を強く信じているため、悪霊やお化けの類には弱く、また異常に海を恐れる。これは、海中では守護霊が守ってくれないと思っているため。海水の中だとキノコの知識も通用しないというのもあるとか。悪霊が怖いのは矢が徹らないというのが大きく、ゾンビは怖くない。写真のココに映ってますみたいなのが一番だめで、最悪気絶して身を護ろうとする。
ビスコの刺青が目の近くに彫ってあるのは、弓の狙い、ひいては事の真贋を見極めることに神威を欲したから。本当は全身に入れたかったらしいが、刺青は霊媒であり、過ぎれば神に身体を乗っ取られる、とのことでジャビに止められている。この錆喰いの刺青は、強い不動の加護を持つもの。
達観した価値観と哲学を持ち合わせており、ビスコや師匠のジャビの言う「信じる」ということは「自分を疑わない」ということではなく、己を心の限り疑ってみて、それでも出来ると思うところまで精神が磨かれている状態を「信じる」と呼んでいる。ビスコ曰く神は己の内におり、弓の神に祈るのは念仏を唱えるから弓が当たるのではなく、弓を当てるようになることが、神に祈るということだという。ビスコが「回転し続ける」哲学を持っているのは、矢を射ろうとして何かを狙ったとき、獲物は既にそこにいないことを知っているからで、何か正解を射抜くときは、瞬間瞬間で己を更新する必要があり、それは一々言葉にするには遅すぎ、真実は黙して回転する事を先天的に知っているのだとか。
また社会規範としての価値観をビスコは否定してはいないし、変えようともしていない。社会も社会で巨大な一つの生物だと考えておりそれを尊重するからである。ただ社会的正解と個人の幸福とは関係がなく、自分が獣に産まれた以上、首輪をつけられるより荒野に生きるべきだと考えている。
いかなる状況においても、泣いたり喚いたり、死を覚悟したりすることも無く、ただ強靭な集中力をもって、弓に番えられた矢のように狙いを定めることができる。この鉄の意志力は、肉体や弓より強力な武器である。
キノコ守りであるため、キノコを操る菌術の心得もあるものの、彼のキノコ毒の調剤は発芽威力を極限まで高めたピーキーな代物がほとんどで、本人かジャビでもなければ触れることすら危険。そんな危険度の見返りに、ビスコのキノコ毒は素晴らしく高品質で、独創的かつ豊富な種類を持ち合わせている。一方で、人や蟹を癒したり、病を回復させるキノコアンプルについては才能の欠片も持ち合わせておらず、人体に効果的に作用させるための繊細なバランス感覚はいくらジャビに教わっても心肺停止になりかねない極端な薬ばかり出来上がるため、早々に見切りが付けられたとのこと。
戦闘能力
多種多様のキノコを操るキノコ守りの菌術に加え、弓聖と謳われた師父、ジャビの技を受け継いだ、歳に見合わない熟練の弓さばきが最大の武器。必中貫徹と云われるその弓から繰り出されるキノコ毒矢は、全力で射れば分厚い装甲を持つエスカルゴ空機を無理やり貫いて抉り抜き、その勢いのまま反対側にも風穴を開けて空の彼方へ消えていくほど。
ジャビをして、体と技でビスコに並ぶキノコ守りはいないと言わしめるほどで、大人5人がかりでようやく持ち上がるようなスナカバをぬいぐるみのように振りかぶり叩きつける、凄まじい剛力の持ち主。これは脳神経が扱える筋力のレベルが常人よりはるかに高いから(ふつう人間は集中しても3割ほどしか筋肉を使えないが、ビスコなら9割の筋繊維を使うことができる)。跳躍力とスピードに関しても人外の域である。これは未来日本では錆と胞子の影響で生物が自分を信じれば強くなる特性を得ているためで、ビスコの肉体の成長はその単細胞さによるものともいえるとのこと。
弓使いなので指は大事にしており、ゆえに拳の技は少なく接近戦では蹴り技がほとんど。ただ、勿論パンチが弱いわけではなく、むしろキックより得意らしい。6巻では「しめじ落とし」なる靴の爪先にしめじを咲かせる威力を利用して空中カカト落としを決める菌体術を奥義として考案したが、大事なブーツがオシャカになってしまって悲しいためそれ以降ほぼ使用していない。
肉体の強靭さゆえか、受けられると判断した攻撃に対しては敢えて避けることをせず、肉が裂けようとも余裕の表情を見せることさえある。
2巻以降は人間とキノコのハーフなので人間の形はしているが、キノコ的にはどこを撃ち抜かれても簡単には死なないという。ただ人間としての先入観で、ビスコ自身が「首を刎ねられたら死ぬ」と思い込んでいるため、胞子もそう思っている場合は多分死んでしまうとのこと。
また毒、幻覚、恐怖、スタン、即死などに耐性を持つが、やはり呪いの類いは弱点らしい。