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センシティブな作品

アシュラさん

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あしゅらさん

「アシュラさん」とは、洒落怖(洒落にならないほど怖い話)の一編であるネット怪談。

概要

「アシュラさん」とは、2chオカルト版に投稿された怪談であり、同じくネット怪談「リョウメンスクナ(洒落怖)」から派生した話でもある。

内容

怪談好きな投稿者が、洒落怖まとめサイトをオカルト好きな叔父と読んでいた時。叔父が、「リョウメンスクナ」の怪談に目を止める。

いつも優しい叔父は、それを読むとき、険しい表情で真剣な様子だった。

それを読み終えた叔父は、似た話を知っていると言い出し、語り始めた。

蔵の中にあったミイラ

叔父の実家は、西日本の出雲大社系の神社。

地鎮祭などを頼まれる際、実家の神社の決まり事として、土地に骨や死体があった場合、慎重に対処しなければならない。近代の骨や死体ならまだしも、古すぎる骨や即身仏などの方が問題だという。

そして、叔父の父親の話。

終戦からちょっと経過した頃の時代。とある豪商が、土地を整理していたら変なものが出てきたというので、行ってみると。蔵の中の木箱にミイラが入っていたという。

父親は「アシュラさんやないか!」とその時叫んだらしい。

通常の人間のミイラに、阿修羅像よろしく別の人間の首二つを顔側面に縫い付け、左右の脇腹に切断された別の人間の右腕と左腕をそれぞれ二本ずつ縫い付けている、という代物だった。

外法だと、父親はその木箱の蓋を閉めた。そして「見世物にしてはどうか」という豪商の提案を激怒しつつ一喝。どうしても譲らないと言い張る豪商から、自身が大枚を払って買い上げた。

その際に『あの腐れ朝鮮人が!』と叫んだらしい。

カルト教団の残した外法

叔父はそこまで話し、先刻読んだ「リョウメンスクナ」の「物部天獄」の事を取り上げる。

時代的に異なる人物と思われるが、叔父の父親の生きていた時代にも「金成羅」という在日朝鮮人が存在し、天魁教というカルト教団を作り、細々と活動をしていたらしい。

この人物も、「教団の教え」と偽り、信者らと乱交したり、金を巻き上げたりと、そういう事を行っていた。

しかしこの先代または先々代の教祖は本物だったらしく、呪術や呪法の掛け方を記した経典を書き残していた。

その中に「人工的に即身仏を作り出し、呪いの道具とする」という方法があり、それが先刻のアシュラさんとの事だと言う。

叔父の父親がなぜそこまで詳しいかと言うと、父親の妹がこの天魁教に感化された事があり、連れ戻すのに苦労した時期があったとの事。それで金成羅ともゴタゴタがあったと。

投稿者は、「そんな教団も教祖も聞いた事がない」と言うと、天魁教は本当に小さな、チンケな教団だったらしく、信者も在日朝鮮人や中国人がほとんどだったらしい。

しかしそのくせ、やっている呪法は危険なものばかり、という。

叔父は続けて言う。

古今東西の宗教や邪教、呪術を見ても、リョウメンスクナやアシュラさんのような「生命そのものを冒涜するような呪法・呪物」は存在しない。悪魔教で赤子を捧げる事も、一応古代や中世からの伝統で、リョウメンスクナやアシュラさんの類は、完全に『個人で勝手に考えた思い付き』のような気がする。

逆にそう言う素人考えが、凄まじい怨念を発する危険な物を作り上げたのだろう。

と、叔父は見解を述べた。

アシュラさんのその後

投稿者が「アシュラさんはどうなったの」と尋ねると、

叔父の父親は頑固で、アシュラさんを引き取った後、「朝鮮近海の海に捨ててやる」と言い出したらしい。その頃には金成羅は消息不明。半島に持ち込むにしても、検問や入管で止められる。

今思えば、親父もちょっと狂ってたのかもなあ」と思い出す叔父。

そして、知り合いの猟師に頼み、船を出したが。積んだ船が半島近海、K州西方沖で沈んだらしい。

それがかれこれ、今から50年ほど前の事だと言う。

叔父の父親はアシュラさんの件以降、こういう情報には神経をとがらせていたが、この手のミイラの情報は新たに入ってこなかったらしい。

しかし、近年にK州西方沖で大地震が起こり、日本でも各地に被害が出たり、K州発の高速船や、K州西方沖の高速船に、鯨のような生物がぶつかるニュースが多い。

ひょっとしたら、沈んでいるアシュラさんと何か関係があるのだろうか、と、叔父は話す。

天津神が、半島や大陸からやってきた騎馬民族で、国津神が日本の先住民。戦に天津神が勝利して朝廷ができたという説や、七世紀の白村江の戦いや、秀吉の朝鮮出兵、更に近年に起きた戦争などを取り上げ、

「日本と朝鮮の怨恨みたいなものは、深くて根強くあるのかもしれないね」

叔父のこの言葉で、この怪談は終わる。

解説

「ネット怪談そのものを読んだ者が語る、ネット怪談」という、珍しい怪談である。

いわば「リョウメンスクナ」から派生したネット怪談と言える。

こちらは、実家が神社という投稿者の叔父により語られるのみで、呪物となったミイラの「アシュラさん」も、海に沈み既に失われている。

あくまで「投稿者の叔父が、聞いた話を語っている」だけであり、真偽のほどは証明できない。

しかし内容はともかく「ある怪談から、更なる別の怪談が生じる」という点については、実に興味深い一例と言える。

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