ストーリー
風の邪神ハスターの巫女アネット・メイヤーは、2度に渡り教団によるハスター復活を阻止した。
マンハッタンのエンパイアステートビルでの戦いから3年後、養父で自身を教団の手から救い出してくれた冒険家アーネスト・エバンスと共に、ヨーロッパへと秘宝鑑定に訪れたアネットの前に超近代兵装軍「ネグゼシス」が現れた。
概要
1993年3月30日にウルフチームが発売したメガCD用ベルトスクロールアクションゲーム。7800円。
同社のアクションゲーム「エル・ヴィエント」「アーネスト・エバンス」と世界観を共有しており、ゲーム内の時系列的には最後の作品となっている。
ゲーム方式が横スクロールアクションゲームからベルトスクロールアクションゲームに変更された為、「エル・ヴィエント」ではブーメランを武器にしていたアネットは、今作ではファイナルファイトやキャプテンコマンドーの様な徒手空拳とサイコソードで戦う。サイコソードは連続して攻撃することにより4段階に技が変化する。
本作の特筆すべき点として、ウルフチームの系列である当時の日本テレネットのメガドライブ用ゲームによくあった「開発途中でだしたろこれ」と言わざるを得ない中途半端さ・デバッグしきれてなさが全体的に漂っている点が上げられる。たとえば、ベルトスクロールアクションの定番である画面内の敵を全て倒したら画面がスクロールすると言うシステムなのにもかかわらず、画面外へとふっとばした敵が、障害物をよけられずに画面内に戻ってこれないといった敵のルーチンの甘さが多々見られる。どうもアネットの位置を縦軸をサーチしてとにかく直進するようにして例外処理をくみこんでいないのか、アネットの位置によっては障害物にぶつかった事を認識せずに進もうとして画面内に戻れなくなっているらしい。その為、アネットの位置を調整すると画面内に現れて無事ゲームを進める事は出来る。その他、アネットの攻撃くらいSEがなかったり、ボスキャラ出現の演出がなく読み込み終了と共に画面上に表示されている等、未調整な点が多々見受けられ、あまりの未完成度にユーザーにデバッグさせるゲームという厳しい評価をうけている。
その他、後述のアーネストの年齢の謎や、前2作で重要だったクトゥルフ神話の要素が無くなっている等、未完成感からシリーズにトドメをさした作品と言う評価もうけている。
年齢の謎
本作の不可解な点の一つにアーネスト・エバンスの年齢がある。
ゲームタイトル | アネットの年齢 | アーネストの年齢 |
---|---|---|
アーネスト・エバンス | 15歳 | 29歳 |
エル・ヴィエント | 17歳 | 31歳 |
アネット再び | 20歳 | 30歳 |
おわかりいただけただろうか。アネットが17歳→20歳と年を重ねているのに対して、アーネストは31歳→30歳と若返っている。
単なる設定上の不備とはいえ、前述の通りのゲームの出来もあいまって開発者なにやってんだ感が印象づけられてしまう。
登場人物
「エル・ヴィエント」に続いて主役を務める20歳の女性。
邪神ハスターの血をひく巫女で、アーネスト・エバンスにより5年前にペルー奥地を本拠地とする邪教集団の元からに救出され、ハスター復活を阻止して風の魔力を手に入れた。
20歳になっても少女時代の面影を残す童顔。
自称ステイツ一の冒険家にしてトレジャーハンター。3枚目の顔も出来るかっこつけ親父だが、アメリカ考古学界に顔がきいたり、ムチの腕はグリーンベレーをしのぐといわれたりとチート性能なところがある。
唯一三作連続で登場する敵キャラ。
ドイツ出身のアメリカ難民で、アル・カポネの右腕を務めたりした事もある。
アーネスト・エバンスとアネットにより、邪教集団のハスター復活を二度に渡り阻止された結果、今作ではヨーロッパに戻って軍事政党の親衛隊員となって暗躍する。
声の出演
- アネット・メイヤー:皆口裕子
- アーネスト・エバンス:矢尾一樹
- ジークフリード・ミュンヒハウゼン堀川亮
- ネグゼシス総統リヒテンライヒ:土師孝也
- アイシャ王女:富沢美智恵
- キルケ少尉:山口勝平
- バージリス・ドーライセン大佐:銀河万丈
- 偽王女:島津冴子
- 邪神ナイアルラトホテプ:堀川亮