「忠誠心などと言うものはその価値を理解できる人物に対して捧げられる物で、人を見る目の無い主君に尽くすなど、宝石を泥の中に放り込むようなものです。社会にとっての損失だとお思いになりませんか?」
概要
CV:堀内賢雄(OVA)/千葉一伸(Die Neue These)
OVA版 | Die Neue These |
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銀河帝国に属する軍人で、本編開始時は門閥貴族の中でも最大の勢力を誇っていたオットー・フォン・ブラウンシュバイク公爵に仕えていた。当時の階級は大佐。
帝国暦488年、ラインハルト・フォン・ローエングラム元帥と門閥貴族の対立で生じたリップシュタット戦役の直前、同じく公爵の家臣であるアルツール・フォン・シュトライト准将とは別個にラインハルトの暗殺を進言したが、ブラウンシュヴァイク公はこれを聞き入れず、フェルナーは独断でラインハルトと彼の姉アンネローゼの館を襲撃するも、それを予期していたラインハルトに先手を打たれ、部下達を解散して逃亡した(これをきっかけに、門閥貴族の大半がオーディンを脱出してガイエスブルク要塞へ向かうきっかけとなった)。
その後、シュトライトが公爵に見捨てられて帝都・オーディンに置き去りにされラインハルトの部下に捕らえられたのとちがい、自らラインハルトのもとに出頭して自らを売り込み(上記の言葉も、フェルナーがラインハルトに売り込みをかけたときの言葉である)、最終的に総参謀長であったパウル・フォン・オーベルシュタイン中将の配下として迎えられた(シュトライトはこのとき、堂々とした態度でラインハルト殺害の謀略を自白、ラインハルトに勇気を称えられて釈放、猜疑心の強い公爵のもとに戻ることを拒否して帝都にとどまり、リップシュタット戦役の一年後、ラインハルトの麾下に加わった)。
ローエングラム王朝成立後、軍務尚書となったオーベルシュタインの副官として彼を支え、物語終盤では少将にして軍務省調査局長と官房長を兼任するまでに至った。
人物
かなりの自信家にして事態を客観的に見る事の出来る人物であり、ラインハルトやオーベルシュタインを前にしても物怖じしない豪胆さを見せている。「必要と意志さえあれば毒にも薬にもなる男」と称され、上官であるオーベルシュタインと部下との間の解毒剤の役割を果たした。
その作戦立案や元帥府運営は自信通りの優秀さであり、ラグプール事件の際には軍務尚書直属の憲兵隊とビッテンフェルト提督の謹慎で不満が高まっていた黒色槍騎兵陸戦部隊との間で鎮圧部隊の指揮で対立した際に、フェルナーの的確の判断と指示で激突が回避され、両兵合わせてラグプール刑務所への鎮圧にあたった。医療部隊も配置し万全の体制で向かったのだが、フェルナーが警備兵の誤射で負傷し離脱した事で、兵士内の秩序が保てなくなり混乱。結果医療部隊は3時間も動けず、囚人のみならず兵士たちも100人単位の死者を出してしまう事になってしまった。この事からもフェルナーの指揮の重要性が窺えるだろう。
また、他者から嫌われやすかったオーベルシュタインの思考や心情をよく理解していた数少ない人物。そのため劇中では、指示を忠実に実行しながら自己の裁量で適切と思われる行動を取る柔軟さを持ち、軍務尚書の執務室を退室した際に真の意図を語る場面がしばしば見られる。オーベルシュタインも多少なりとも心を許しているシーンがあり、みずからの意図するところやロイエンタール元帥叛逆事件におけるロイエンタールの心情をフェルナーには語ることが多い。