概要
カズマ達が拠点としている屋敷に住む、幽霊の少女。本名は“アンナ=フィランテ=エステロイド”。
元は屋敷を別荘として使っていた貴族と、メイドとの間に生まれた隠し子。
その出自故に厄介者扱いされ、幽閉されながら育った。そして親の顔も愛情も知らないまま父親は病死、母親は行方知れずとなり、彼女自身もまた父親と同じ病に罹り、幼くして命を落とした。
ちなみに少しマセている面もあった様で、生前はこっそり酒を飲んだりしていたらしい。
なお屋敷の庭には、彼女の墓がひっそりと建てられている。
作中の動向
死後も成仏する事なく、自身に引き寄せられて集まった街の野良幽霊達と共に、屋敷に留まり続けていた。
そして、見かねた不動産屋がウィズに除霊を依頼した事がきっかけとなり、ウィズの代わりに除霊を請け負ったカズマ達が屋敷へ赴く事となった。
その日の晩、人形に憑依し動き回る事でカズマ達を脅かしたが、アクアが言うには「悪霊ではなく、寂しがり屋で構ってちゃんなだけ」らしく、実際のところ脅かしはしてもカズマ達に直接危害を加える様な真似はしなかった。
事の顛末に関しては、アクアが他の野良幽霊達を全て除霊し、アンナに対しては彼女の気の済むまで相手をしてあげたため、幽霊騒動は解決している。
以降は悪霊では無いというのもあってか、アクアからは例外で除霊を見逃され、そのまま屋敷に住み続けている(ちなみにアクアから「エリスは融通がきかないから、出会わないように」と注意されている)。
唯一姿が見えて会話が出来るアクアとの仲は良好な様で、彼女の話す異世界の話が特に好きらしい。
15巻で一時的に邪神の信者になったカズマにも、その後は気配が分かる様になっている。
16巻にて魔王城に向かう為に家出をしようとするアクアに、「出ていく前に冒険の話を聞かせて欲しい」と頼む振りをしながら、ちょむすけと一緒にアクアの家出を阻止しようとしていた。
短編集『よりみち!』では、よほど暇だったのかカズマの股間から顔を出したり、熱さや痛みも感じない癖に燃え盛る暖炉の中で苦悶の表情で転げ回ってみせたり、テーブルの上で死んだ振りをしたりと、アクアを驚かせようと色んな事をしていた。
ちなみに終盤では冒険譚を聞かせてくれたアクアへの礼として、カズマの恥ずかしい秘密(オリジナル魔法の練習や、剣を使う際の決め台詞の練習など)を暴露している。
余談
アンナに引き寄せられた野良幽霊は、元々は街に突如として現れ、空き家に住み着き騒ぎを起こすなどしていた霊達だった。
そもそもその様な事になったのは、以前ウィズの代わりに墓地の除霊を請け負ったアクアが定期的に墓地へ行くのを面倒臭がり、「それならいっそ霊が寄り付けない様にすれば良い」と考え墓地全体に巨大な神聖結界を張ったため、結果として行き場を失った霊達が街に逃れてきたのが原因だったりする(要は、意図せずしてのマッチポンプ)。