イスラーフィール
いすらーふぃーる
イスラーフィール(アラビア語:إسرافيل, Isrāfīl)もしくはイスラーフィーン(アラビア語:إسرافين, Isrāfīn)はイスラム教の主要な天使(大天使)の一柱で、ラテン文字ではIsrafil、Israfel、カタカナ表記としてはイスラフィル、イスラフェル、イスレフェル、サラフィエルなどと書かれる。
イスラムにおける四大天使の一柱でジブリール(ジブラーイール、=ガブリエル)、ミーカーイール(=ミカエル)に次ぐ高い地位を与えられているとされる。名前はヘブライ語名称をアラビア語に取り入れて使っているもので、キリスト教の天使ラファエル(「神は癒やされた」「神は病気を治される」の意)に対応する存在とも言われることもある。
四枚の翼をもつ極めて巨大な天使であり、背丈は七天と七地の間を超す勢い、一対の片方は東、もう片方は西に向かって広げられていると考えられている。耳たぶの端と肩の間も非常に遠く離れており、長大な時間をかけないとたどり着くことができないという。
イスラーフィールの主な仕事は
- 神がおわすとされる玉座を支えながら、神の最も近くで仕える
- 神が自ら作った角笛(一般記事ではラッパやトランペットと記載されていることもあるが、正確には金属製などではなく天と地の間の長さがあるという巨大な角が素材)を授けられ所持しており、終末の時の到来と天変地異の発生・あらゆる生物の死・死者の復活という3回にわたって吹く
- アッラーが定めたあらゆる計画・命運を記録した板を保持する
で、特に知られているのは角笛を吹くという大役である。
この世の終わりである終末の時が来ると神はイスラーフィールに角笛を吹くよう命令。第1回目の角笛吹きの後、山野の完全崩壊といった激烈な天変地異が起こりこの世のあらゆる生き物・存在が恐怖に襲われ逃げ惑う。第2回目の角笛吹きでは生物に死がもたらされ、吹いた途端にぱたりと倒れ命を失うという。第3回目の角笛吹きは復活の合図で、神の力によって墓の中にいた死者たちの遺体・遺骨の形が修復され中に魂が戻される。
なお、一部学者らの解釈ではイスラーフィールをより高位に置く考えもあり、イスラーフィールが神の命令を真っ先に受けそれを他の大天使らに伝達する、預言者に神の言葉を伝えたジブリール(ジブラーイール)についてもイスラーフィールを経由して言葉が伝達されたといった論なども存在する。
イスラーフィールについては「非常に慈悲深い天使であり、毎日地獄を見ては*責め苦に苛まれる罪人達を憐れんで号泣。この涙は地上に雨となって降り注ぎアッラーが制止しなければ洪水のようにしてしまう。」という言説が知られるが、一部宗教書に「(天界から)毎日3回地獄を見ては悲しみ号泣し、(神が止めないと)地上が洪水になる」と記載されているものの真正の伝承としてイスラム教の教義に取り入れられ広く認められたものではないため、通常の宗教書やイスラム教サイトの記載にはイスラーフィールの涙や地獄を見ては大泣きするといった話は登場しない。
なお転載等により「地獄に毎日行く」「地獄を見守る係である」といった表現に置き換わっていることがあるが、元のアラビア語表現では地獄に行くのではなく天界で神の玉座を支えている大役を遂行している状態で地獄の中を覗き見ているという描写になっている。
地獄の守り役は地獄専属の看守役として任命された天使マーリクがおり、マーリクの部下で現場で実務に当たる19柱の天使集団ザバーニヤらが当たっており、イスラーフィール自身は地獄に関する役目は特に与えられておらず毎日複数回神の元を離れて地獄に見守りに行くといった記述は無い。(注:マーリクやザバーニヤ各天使は堕天使ではなく、神の命を受け地獄で働いている。淡々と任務を遂行するため心を痛めないよう調整された上で数々の責め苦を永久に繰り返し業火の中に罪人らを突き落とす役職に配置されていると言われる。)
「イスラーフィールが音楽と歌を司る天使である。」という言説に関しても同様で、「イスラーフィールが誰よりも素晴らしい美声の持ち主である」「天国の楽園の住人たちは神を賛美する美麗な詠い声や木々の立てる綺麗な音を楽しむ」といった認識はあるものの、イスラーフィールが音楽と歌を体現した天使であるといった考えは流布していない。
天国の楽園と愉しみとしての音楽・歌に関しては、現世における楽器演奏・音楽鑑賞・歌唱の禁止と同様にイスラム教の教義として認めない宗教家が多く、神を賛美する唱和・合唱以外の形での娯楽としての楽器演奏や歌唱と結び付けイスラーフィールが角笛を楽器のように吹いて楽しんだり他の楽器を演奏したりといった描写や、イスラーフィールが音楽・歌を司り現世・地上の音楽家らを庇護する存在であるといった考えも特に無い状況である。
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