作品解説
作者は綱島志朗。『ドラゴンエイジPure』（富士見書房）にて2006年から2009年にかけて連載。休刊に伴い全３巻で連載を中断。
2014年から『Comic REX』（一迅社）にて1月号より『オリハルコンレイカルDUO』として連載を再開。2016年現在、5巻で連載終了。
再開する前の『オリハルコンレイカル』は、新規短話を含む特典も網羅した『オリハルコンレイカル新装版』（一迅社）として全２巻で発売中である。
試し読み
https://bookwalker.jp/de3f7d5ffa-7e34-44a5-b21f-087136005ae5/?neb=1
あらすじ
造型師（女性フィギュア）を目指し日夜フィギュア制作に勤しむ大学生、作木 光明はその製作費の為に生活費すら注ぎ込む貧乏学生。そんな彼は教材制作のアルバイトの報酬としてパテを手に入れる。
その夜、さっそく貰ったパテでフィギュアを制作すると、突然フィギュアが輝きと共に動き出し、喋りだした！
「望みのままに、創主様！！」
レイカルと名乗るフィギュアは、自らをオリハルコンという戦う為に造られた物質生命体であると語りだす。
第一話の創主とオリハルコンのハートフルで読み切りのような内容から一転、第二話でのバトル路線への急展開をしてからが綱島志朗ワールド！燃えと萌えの共演、本当のオリハルコン・レイカルの幕開けであった…。
登場キャラクター
オリハルコン
本作のヒロイン。作木によって造られたフィギュアサイズの人型オリハルコン。その容姿は製作者本人が会心の出来と認める通り美しいが性格は真面目である反面、融通が利かず感情的になりやすい。だが創主に対しては従順である。
もう一人の主人公。黒髪ツインテのオリハルコン。お察しの通りツンデレである。顔を合わせば憎まれ口をたたくが、レイカルの良きライバルにしてパートナー。創主を失い、野良で生き抜く薄幸なオリハルコン。レイカルとは違い、アーマーハウルとの仲は良好。極度の痛がり。
ロリババァ口調で話し、普段は終始仮面を付けて素顔と表情を隠している和風なオリハルコン。
３人の中では一番の実力者。仮面を付けているのは相応の理由がある模様。
露出度が低い衣装でわかりにくいが一番の巨乳という噂も……。
ベイルハルコン・ラクレス （オリハルコン・ラクレス）
「ノイシュバーンの魔女」の異名を持つベイルハルコン。その界隈では有名人らしく、異名があるあたりベイルハルコン化してからそれなりの歴史を持つようである。
桁違いの力でレイカル達を圧倒する。
その他のオリハルコン
セラミア・オリハルコン
ORIONに所属するオリハルコン。性格は快活、その実力はたしかで初対面時にレイカルと戦闘して引き分けたが、まだ余裕があった模様。創主のユーリと共にデザインの元ネタは作者繋がりのセルフオマージュである。
ウリカル・オリハルコン
オリオントーナメントで出会ったオリハルコン。どことなくレイカルに似た印象で何かしらかの特殊能力を持ち、それをもって敵を圧倒する。
オリジナルオリハルコン（登場順）
現在も行われている公募企画のオリジナルデザインで採用されて、本編に登場したオリハルコン。
オリハルコン・アウリム
本編で最初に登場したオリジナルオリハルコン。アーマーハウルは鳥形。必殺技はバード形態へ変形しての体当たり。
オリハルコン・ソルフル
初めて採用されたオリジナルオリハルコン。登場回が少し先だった為に順番が入れ替わった。アーマーハウルは獅子型。創主直伝のボクシングスタイルで戦う。
オリハルコン・サイハル
オリオントーナメントにて初登場、その稀有な戦闘スタイルで閃光のように駆け抜けた（無茶しやがって）アーマーハウル（？）はスワン型。
オリハルコン・アッシュ
オリオントーナメント編で登場したオリジナルオリハルコン。メインカラーは赤、アーマーハウルはケルベロス型。戦闘スタイルは不明。
オリハルコン・アエネス
オリオントーナメントにて登場した白亜のオリハルコン、戦闘スタイルは不明。
オリハルコン・セルリア
オリオントーナメントにて登場。オリハルコンとしては珍しい衣装（アーマーハウル？）で戦闘スタイルについても一切不明。
創主
作木 光明
大学に通う為に上京した際、田舎にはなかった模型店でフィギュアと出会い、その虜となる。生活費すらつぎ込む情熱を注ぎ磨かれた技巧は造型師として光るものを持っている。
偶然？入手したオリハルコンによってレイカルを生み出し正統創主となる。得意なジャンルは女性フィギュアだが、決して劣情を抱かず真摯に造型と向き合える清らかな心を持つ青年。
編森 小夜
大学で学園祭クイーンに選ばれる抜群のプロポーションと美貌を持つが精神的にはいろいろなコンプレックスを抱えているようで、終始不機嫌。紆余曲折を経て、カリクムと契約し創主となる。
とあるエピソードにより作木に惚れており、何かと世話を焼いている。
ちなみに創主としての技能は全く適性がなく、カリクムのメンテナンスは作木や親友の乾に任せている。
削里 真次郎
ヒヒイロの創主。自ら制作した鳥の彫刻を販売して暮らす土産物屋の主人。その確かな技巧は作木を驚かせた。オリハルコンとの付き合いは長いらしく、その知識には明るい。作木に何かとアドバイスをしてくれる造型家としても創主としても良き先輩。
創主の協力者達
高杉 ヒミコ
作木にレイカルの素材となったパテ状オリハルコンを渡した張本人で作木らが通う大学の講師。
削里やヒヒイロとも付き合いは長く、決して邪悪な人物ではないのだが人を食ったような言動も多い事から網森には何か後ろ暗い事情を隠している可能性を疑われている。
高杉 おとぎ
前述の高杉ヒミコの妹で、生来の盲目でありながら様々な生物の「気」やオリハルコンの「気」に相当する「ハウル」、更にはベイルハルコンの邪悪なエネルギー・「ベイル」を感知する「真心の目」を体得した十五歳の少女。
「真心の目」の力を狙う者達から身を守る為に後述の水刃が実家の神社の周りに張った結界からほとんど出た事がないので、学校には通わず通信教育を受けているものと推測される。
「無印」最終局面ではその能力が重要な役割を果たす。
「DUO」最終局面で無数のオリハルコンの力が合わさった光で直前に受けた傷が癒えると共に両目も見えるようになった。
乾 ナナ子
網森の親友でファッションデザイナーを目指す二十歳。
前述の通り「図工がずっと1だった」網森に代わりカリクムのメンテを受け持つ。
その容姿は網森とは対照的に中学生と見紛うばかりの合法ロリ。
アーマーハウル
ナイトイーグル
作木の造ったレイカル用の鳥型アーマーハウル。創主である作木には従順であるが、レイカルには懐かない。ある意味似た者同士。レイカルと合体することでナイト・レイカルになる。
因みに性別はメスであるらしい。
ツインキャンサー
カリクムの昆虫型アーマーハウル。レイカル達とは違い、こちらは関係が非常に良好な様子。カリクムの要請にいつも快く合体している。カリクムと合体してキャンサー・カtリクムとなる。性別はオス。
九尾刀（・蒼牙）
元々はヒヒイロ、ロノカネ姉妹が共有する狐型アーマーハウルであったが、過去の一件により現在の蒼牙の姿となる。ヒヒイロと合体することで九尾・ヒヒイロとなる。性別はメスであるらしい。
バイパー・ウィプス
ラクレスの蛇型アーマーハウル。ラクレス（ダークサイド）とよく似た非常に悪い性格をしているらしいが、作中ではそれらしい描写はない。ラクレスと合体してバイパー・ラクレスとなる。性別はオスとのこと。
水刃
高杉家の御神体にして守護神とも言うべき神獣型(モチーフは龍か麒麟、はたまた飯綱と推測されるが詳細は不明)アーマーハウル。
百年以上存在し続けた事で人語を理解し、ハウルも体得した規格外の存在。
おとぎには過保護気味ではあるがヒミコ含めた他人には厳格にして尊大。
用語
オリハルコン
物質生命体の構成素材及びそれによって造られた物質生命体の総称。人型に造られたなら嵐のごとく力を発揮し、武器に造られたならそれは地を割る剣になったという。
とても希少な物質らしく、その特性は謎に包まれている。作中ではパテ状で描かれているが、それが元来のものなのか、加工されたものなのかは不明。
レイカルの説明によれば、フィギュアサイズであるのは単なる偶然らしいが作中で登場するオリハルコン達は全てほぼ同サイズであり女型しか登場しない。
関わり合いの長い削里も男型のオリハルコンは見たことがないという、本作の大いなる謎のひとつ。
創主
オリハルコンそのものを創造した正統創主及び既存のオリハルコンと契約して創主となった人間の総称。オリハルコンの素材を入手しても正統創主たる資質を持たぬ者にはオリハルコンを生み出すことはできない。その場合、明確な意思を持たずにただ主の命に従う低級オリハルコンが誕生する。
正統創主
創主のうち、直接オリハルコンを作り出して創主となった者を指す。正統創主となれるのは一定レベル以上の造型技術、オリハルコン達の力の源であるハウルの根源たる想像力と慈愛に満ちた精神を持つ者だけらしいが詳細の条件や定義は不明。
オリハルコンの含有率が40％であるレイカルが低級オリハルコンとならずに、しかも純度100％のオリハルコンと対等に渡り合える実力を備えるのは作木の正統創主としての高い資質故と思われる。
造型技術と想像力？ならば俺も……と思った変態紳士同志諸君、想像力と妄想力は似て非なるもの。
100人のうち100人の造型師が受け入れてしまいそうなあのラクレスによるご奉仕の誘惑も余裕でスルーできる清らかさを持つ心が必要なのである。
我々には叶わぬ崇高な存在、それが正統創主だ。
特別編
山口 勝久
『月刊ドラゴンエイジ』2009年9月号掲載の特別篇「リボルテック・レイカル」にて登場。
大阪の正統創主。現在は結婚を機に創主を引退して会社務め。過去に数体のベイルハルコンに襲撃され大勢のオリハルコンと創主が倒れていった窮地において、正統創主でありながらオリハルコンではなくアーマーハウルのみでこれを撃退した伝説を持つ。
引退した今は温和になったが、当時はとても厳しく仲間からも畏怖される存在だったらしい。
海洋堂でリボルテックシリーズの原型を担当する山口勝久氏本人であり、エピソード内でも写真資料だけで見事なまでの完成度でリボルテック・レイカルを仕上げていた。
※新装版にもこのエピソードは掲載されている。
公募企画
求ム！正統創主！！『オリジナルオリハルコン デザイン募集』
2014年11月現在、連載しているオリハルコン・レイカルDUOにて登場するオリジナルオリハルコンのデザインを募集している。
詳細は下記URL
http://orichalcumreycal.tumblr.com/
玩具展開
海洋堂より2009年に「リボルテックヤマグチ No.072 レイカル・オリハルコン」が発売された。
当時の人気もさることながら、連載の再開と作者によるアクティブな販促活動により人気が再燃。読者に割と多い武装神姫マスターが神姫との写真などをTLに掲載しているものが散見された。
| 折しも連載再開から一年となる2014年11月27日、数点在庫が確認されていたラジ館店舗の在庫も全て完売しオンライン上でもほぼ全ての店舗が完売となって入手難度が上がっている。唯一Amazonでは定価2400円にもかかわらず6000～9000円前後で価格が推移している為に数点在庫がある。11月については月平均の27倍という爆発的な売れ行きで海洋堂本社の在庫が無くなった事により市場に眠るストック品からしか入手できなくなった状況を受けて、尚も高騰傾向である。ちなみに海洋堂から直接購入した場合は定価+代引き手数料で入手が可能であったりする。フィギュアと造型師の漫画なだけに、読者には造型の心得を持つ人も多く待ちきれない思いを創作にぶつけて自作リボルテックの制作にチャレンジする様がTLを密かに賑わせている。 |
2020年1月20日まで以上のような文章があったが、現在は価格が落ち着いて数千円で買える。
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オリハルコンレイカル（別名・表記ゆれ）
