本記事には作品のネタバレを含みます。
概要
同人サークル07th Expansion制作のサウンドノベル、『ひぐらしのなく頃に』『うみねこのなく頃に』にて、作中の特定キャラクターが明言する概念。
我々の住む『この世界』を始めとした、次元を越えて存在するさまざまな世界のこと。
SFで言うパラレルワールドに該当する。
作中では『カケラの海』と呼ばれる、宇宙空間のような藍色の闇に浮かぶ無数の宝石の破片として表されている。
それぞれのカケラの住民はカケラの存在を知覚できず、その概念すら知らないままに一生を終えるが、複数のカケラに同一人物が存在する場合、ごくまれに片方のカケラの人間の記憶などがもう片方に伝達されることがある。
また、それぞれのカケラを外側から閲覧することができる存在や、カケラ間を移動できる存在、自ら新しいカケラを創造できる存在も居ることが示唆されている。
両作作中での『カケラ』の言及
ひぐらしでは「カケラは本のようなもの」「私の作ったカケラは自己満足のようなものだから恥ずかしくて見せられない」と発言する人物がおり、カケラの意味に関し『創作物の中の世界や二次創作の暗喩』という解釈がプレイヤーに示されている。
また、『カケラ紡ぎ』と呼ばれる、プレイヤー自身がカケラを閲覧して新たなカケラを生み出し、物語の隠されたエンディングを目指すというシステムもある。
うみねこではカケラ間を移動する者を『航海者』、カケラを創造する者を『創造主』と呼ぶことが明かされた。
航海者がカケラを旅する理由は、退屈によって精神が摩耗してしまうことを防ぐため。
自分の生まれたであろうカケラを脱出していることからも、航海者が世界を見る目に肥えているだろうことが垣間見える。
ただ、特定のカケラに定住しない故に価値観が安定せず、結果として自己の存在意義を見失ってカケラの海の藻屑に消えてしまう航海者も少なくないらしい。
創造主は航海者よりも上位の存在であり、航海者がカケラの旅の果てに行きつく立ち位置とされている。
ただ航海者らは創造主を『自分達のなれの果て』と見なしているようで、創造主になることを恐れているという。