概要
カレイやヒラメといった、目が体の左右どちらか側に寄り海底に横たわって暮らす独特な魚たちが含まれるグループ。淡白な白身魚で、大半は食用。
古代魚程ではないが非常に長い歴史のある系統であり、現時点で最古の仲間とされるアンフィスティウムは5000万年以上も前に登場していた(ちなみに同期は初期の齧歯類やコウモリ、クジラなど)。このアンフィスティウムはすでに片方の目が頭の上についていたので、普通の魚型だったであろう「最古の仲間」はもっと前に存在していたと思われる。
ヒラメやマツカワ・ホシガレイといった高級魚もいれば、煮つけや唐揚げなどで親しまれる種類もいる(マガレイ・ナメタガレイなど)。
ほぼ全種が海水産だが一部汽水、淡水域にも見られる種が含まれる。
左ヒラメの右カレイ
目がある側を表に、腹を手前に見たときに頭が右に向くものをカレイ、左に向くものをヒラメと呼ぶ……という有名な見分け方(あと口や目のつき方なども異なっている)。
しかし例外も結構あるもので、ボウズガレイは各個体で、コケビラメは種類によって左右がまちまち。またヌマガレイという仲間は生息する地域で向きが異なっているというユニークな特徴を持つ。
下位分類
ボウズガレイ亜目 Psettodoidei
ボウズガレイ科
カレイ亜目 Pleuronectoidei
コケビラメ上科
コケビラメ科
ウシノシタ上科
パラリクトデス科
アキルス科
ロンボソレア科
アキロプセッタ科
ベロガレイ科
カワラガレイ科
ササウシノシタ科
ウシノシタ科
カレイ上科
スコプタルムス科
ヒラメ科
ダルマガレイ科
カレイ科
ちなみに
カレイ目の魚が海底に寝そべって暮らすのは、エネルギーの消費を抑えようと省エネ仕様に変化していった結果と考えられている。
しかしキリスト教では聖書の記述から大変縁起の良い魚とされ、「モーゼの魚」として親しまれている。
「砂漠を越えて海辺にたどり着いたモーゼとヨシュア。空腹だったので魚を食べた。その魚は半身になったが神の思し召しによって蘇り、海に入るとその姿のまま元気に泳ぎだした。この魚こそがヒラメ・カレイと呼ばれる魚である」