概要
名称の由来は、文字通り受験生を「キリング」するための問題であることから来ている。
韓国国内で最高峰の難関大学を志望する受験生の弁別力を測るために出題される。配点率が高いにもかかわらず、通常の学校教育過程では学ばないレベルからの出題のため、受験生の正解率は20%を下回る。大学教授やチャットGPTなど対話型のAIをもってしても正解することが容易ではない。
受験戦争が激しい韓国の教育市場では、人生の分岐点と言って過言ではない大学受験の結果を左右するキラー問題を専門的に教える私塾や予備校などの教育プログラムが横溢している。学校教育で習わない以上、受験生はこれらの私教育カリキュラムに頼らざるを得ないが、その中には高額な月謝・受講料を請求する者も存在しており、私教育市場の不当な教育費搾取・利益独占が社会問題化している。
以上の事から、大学受験は各家庭に多額の教育費の負担を強いる状況が続いており、その忌避感が現在の少子高齢化に繋がっているとする学説が提唱されている。
このような状況も相俟って、2023年現在、尹錫悦政権は労働改革、年金改革、教育改革の「3大改革」を政権課題として掲げており、教育改革の一環として修能試験(大学修学能力試験=大学入試のための共通試験)から、キラー問題を排除する方針を打ち出している。
また、私教育市場の不当な搾取に対する取り締まり強化など、私教育機関に介入する姿勢を見せている。
しかし、尹政権の政策が、韓国社会の過熱した私教育熱を鎮めることができるかどうかについては、懐疑的な意見が多く、特にキラー問題に対するあまりにも否定的な認識自体に問題があり、むしろ学力評価基準としてすでに限界に達している修能試験そのものに手を加えなければならないのではないか、との主張もある。