概要
和名は「イッカクトビザル」。
謎の失踪を遂げたドイツの動物学者ペーター・アーマイゼンハウフェン博士氏の残した研究資料を基に書かれた『秘密の動物誌』に掲載されている幻獣の一種。
巨大な両翼を持つオナガザルで、額に一本の角を持つという特徴を持ち、普段は飛行しながら額の長く頑丈な角を使い、昆虫や果物、小動物を捕えて食べているといわれている。なお形態的には哺乳類に分類されるらしい。
記述によれば南アメリカのアマゾン川流域の密林に生息しており、その地で暮らす“ニガラ・テボ族”からは聖なる動物と崇められているとされる。
ケルコピテクスの生活は人間と非常に密接で、集落に用意された部族の大呪術師以外は入れない神聖な場所でもある小屋の中で交尾して出産し、子供を育てるとされ、子供が飛べるようになり、小屋から出る際は、村で盛大な祝祭を催し、若いケルコピテクスの胸から腹にかけて、アマゾン川で獲れた銀色の魚の皮を移植するとされる。
なお、この小屋は死期を悟ったケルコピテクスが姿を隠す場所でもあるという。
祝祭が行われた後、ケルコピテクスは集落からあまり離れることは無く、“ニガラ・テボ族”の聖なる祭がある時に必ず姿を見せるとされ、酒を振る舞われて酩酊状態になったケルコピテクスは、空中にホバリングしたまま(あるいはトーテムに止まって)、呪術めいた荘厳な歌を歌うといわれている。
なお、この歌は微かにしか聴こえないが、“ニガラ・テボ族”の日飛び地は意味を理解している様子だったという。