現実とフィクション、自然界と想像界とは隔てる、曖昧な境界線への旅を、ぼくらははじめた
解説
世界各地の今まで知られていなかった珍獣を採取したばかりで無く、膨大な観察記録を残して失踪してしまったドイツ出身のペーター・アーマイゼンハウフェン博士の遺した資料を、1984年頃に手に入れたジョアン・フォンクベルタ氏とペレ・フォルミゲーラ氏がまとめ発表し、海外で話題となっていた書籍『Fauna Secreta』を、管啓次郎氏が翻訳し、荒俣宏氏が監修して日本で発刊したものである。
その際、この書籍で紹介された生物に和名が付けられている。
この書籍には孤高の動物学者であったペーター・アーマイゼンハウフェン博士の生い立ちや人物についての解説や、今まで一般には知られていなかった珍獣や、幻獣としか思えないような不思議な動物たちが、詳細なデータと写真記録や解剖図などのスケッチを交えて紹介されており、世界中で驚きを持って受け入れられた。
しかし、博士の研究した動物たちは非常に稀少であったらしく、この書籍の発刊後に世界中で探索されたが、再発見することは叶わず、現在ではUMAとして扱われている。
掲載動物一覧
※イラストが投稿されているもの
- アエロファンテ
- アロペクス・ストゥルトゥス(ハゲバカキタキツネ)
- イクティオスカプラ・アエロファギア(カゼクイウオ)
- インプロビタス・ブッカペルタ(オオグチビラキ)
- ケルコピテクス・イカロコルヌ(イッカクトビザル)
- ケンタウルス・ネアンデルタレンシス(ネアンデルタールケンタウロス)
- コック・バシロサウルス(クナシリシンカイオオトカゲ)
- ソレノグリファ・ポリポディーダ(ダソククサリヘビ)
- ツバサガエル
- トレスケロニア・アティス(コウラワタリガモ)
- フェリス・ペンナトゥス(ツバサヤマライオン)
- プセウドムレックス・スプオレタシス(ドクニセイワガイ)
- ピルセルペンス・エダックス(オオグイケモノヘビ)
- ピロファグス・カタラナエ(カタルーニャヒクイオオトカゲ)
- ヘルマフロタウルス・アウトシタリウス(フタナリウシ)
- ペロスムス・プセウドスケルス(ニセワルモノモリウサギ)
- ミオドリフェラ・コルベルカウダ(ヘビオニオイネズミ)
- ミコストリウム・ブルガリス(カイガラカリウド)
実は...
この書籍は明言はされてはいないが、写真ドキュメントの持つ説得力と、現実として捏造が可能な薄弱さを証明することを目的として、科学的言説による認識形成メカニズムを再考するために作成されたことを読み取ることができる内容である。
(簡単に言うと思考実験を兼ねた非常に手の込んだフィクションである)
余談
- この書籍に掲載された動物たちの一部は、監修の荒俣氏の師匠である水木しげる氏の書籍『水木しげるの世界幻獣辞典』において妖怪画化され紹介された。
- 『女神転生シリーズ』の『デビルサマナー』では種族”珍獣“の悪魔として、この書籍で紹介された空飛ぶ象アエロファンテが登場している。