登場の経緯
三菱ふそうトラック・バスと日産ディーゼルが大型路線バスの製造において業務提携を開始した際、ツーステップバスとワンステップバスは三菱ふそうがエアロスターブランドで製造・販売し、ノンステップバスは日産ディーゼルからOEM供給されたスペースランナーRAを三菱ふそうがエアロスター-Sとして販売する形態が採られた。
だが、ノンステップモデルを導入する事業者のうち、従来のMP系ノンステップ車との共通性を望むユーザーからの要望や、エアロスター-S、スペースランナーRAの生産量増加に伴う納期遅滞が目立つようになる。これらの問題を解消するため、PKG-代にて急遽ノンステップモデルが設定されたのだが、その特異な姿から「ゲテモノノンステップバス(通称・ゲテノン)」と呼ばれるようになった。
概要
ワンステップバスの床面高さを切り下げてノンステップ化したもの。ノンステップ車でありながら車体高さはワンステップ車並みであり、中扉または非常口より前側の窓が異様に大きく、扉上部の空間が広いなど、かなり特徴的な外観を持つ。「ワンステップバスをベースに無理やりノンステップにした」とよく言われるのだが、実際にPKG-代で登場した時はワンステップバスの改造扱いとなっていて、型式の末尾に「改」が付く。
LKG-代以降は正式な型式認定がなされて「改」が付かなくなったが、QKG-代への移行を経て、MP38系列としてフロントマスクが一新された現在でも、「ゲテノン」と呼ばれる特徴的な姿は受け継がれている。