概要
長崎県福江島の岐宿町と玉野浦町の間にあったゲドガキという土地に現れた妖怪である。なお、ゲドガキという地名にはどのような意味があるかは不明。
玉野浦中須にいた丑松という子供が大泣きをしてしまい、怒った父親が躾の為に「そんなに大泣きしているとゲドガキのバケモンに食わせるぞ!」と言った。するとどこからか「そんなら俺に食わせろ」という声が返ってきた。恐れおののいた父親は「コイツが一人前になったら食わせる」と適当に言い訳をした。
やがて一人前となった丑松は用事で荷物を運ぶ際にゲドガキを通ると、ゲドガキのバケモンが現れて格闘となったが、幸いにも荷物の背負い紐が切れて助かったが、後日ゲドガキを通ると、再びゲドガキのバケモンが現れて丑松は食べられてしまった。運悪く背負い紐が丈夫で切れない物を使っていたからである。
家で待つ丑松の父親の元には「おまえの子をもらったぞ!」という大声が響いたという。
水木しげるの妖怪画ではボロボロな歯をしたハゲ頭の妖怪として描かれているが、実際にどんな姿をしていたかは謎のままである。
余談
- 古今東西、よく親が子供の躾に使う「〜していると〇〇に食べられるぞ」という言葉がもしその化け物に聞かれてしまったらどうなるかという回答を示した説話と言えよう。他の有名な例だと、例えば子取りや隠し神、ブギーマンなどがある。
- この話の教訓は不用意に子供の躾の為に妖怪の名を使ってはいけないという事と妖怪に対して適当な言い逃れをしてはいけないという事だと思われる。