概要
世界的に普及しているISO 668規格の海上コンテナに於いて、箱型のもの(ドライ/リーファーコンテナ)は40ftの長さで"ハイキューブ"と呼ばれる9'6''(9フィート6インチ、2896mm)の高さを持つタイプが主流である。しかしながら国内の鉄道貨物輸送では建築限界が厳しく、既存の貨車(コキ100系)に積載しても通過出来ない線区が多く存在している。
そこでコキ200程度の全長を維持しながら、床面の高さを700mmまで引き下げることで、海上コンテナの輸送範囲を拡大するべく開発された。
現状
2023年現在で4両が製造されている。
1は2016年1月に甲種輸送されたが、FT16台車の不具合により東京タにて長期間留置の後、2022年7月に外部へ搬出された。10月に-2で採用されたFT17台車に履き替え川崎車両所に戻り、翌2023年1月から運用入りしている。
2は-1の不具合を受け設計を見直したFT17台車を装備し、以降の車両は全てFT17にて出場している。2019年2月に陸送が行われ、翌3月に吹田タ~大阪タ間で試運転を実施。6月に大井機関区に搬入された。2020年1月から再び試運転を繰り返し、2021年10月から本形式では初となる運用を開始した。
3,4は先の不具合に関連してか、製造後も出場(=入籍)せず日本車輌製造豊川工場内にて留置されていたが、2022年10月に川崎車両所に搬入されているのが確認された。2023年1月から4が、3月から3が運用入りし、トップナンバーの落成から7年越しに晴れて全車運用入りを果たした。
本形式は4両全車が4073~3071/3070~4072レに連結され東京タ~盛岡タにて運用されている。
また2023年11月には横浜本牧~大館での海上コンテナ輸送の実証事業に供された。
しかし国内にて輸送が本格化する目途は立っていない。本形式の設計の特殊さゆえ製造価格がコキ100系に比べて高価なこともあるが、40ftサイズとなると貨物駅にて一時的に留置するにもかなり広いスペースが求められ、場合によっては駅敷地を拡大する必要が生じる。また荷役にもそれに対応するトップリフターを各駅に用意しなければならず、輸送を本格化するにはJR貨物だけでは負担し切れない程に投資額が膨大になることが挙げられる。