日本国有鉄道が分割民営化され、1987年に発足したJR貨物が、貨物列車高速化の切り札として開発・製造しているのがコキ100系である。最高速度110km/hで走行可能なコンテナ車。登場以来改良を繰り返し量産されており、現在は「コキ107形」を量産中。
構造
台車や連結器高さまで含めて構造を見直し、床面高さを100cmに低下させた(従来は110cm)。
連結器は従来の中心高880mmから850mmに、ほかは台車各部で寸法を詰めている。
これにより、コキ50000では積載不能なコンテナ(特にいわゆる海上コンテナ)も輸送可能となった。線区が限定されるが、いわゆる「クンロク(9’6”=2896mm高)」も輸送可能。
ブレーキはコキ100系全体としてはCLE(三圧式電磁自動空気ブレーキ)。ただし、必ずしも全車両に電磁弁を搭載する必要は無いことが判明したため、1両単位で使用できる車両(コキ104など)は全車CLE式だが、ユニットを組んで使用する車両(コキ100~103、105)は、電磁弁がなく(CL式)引き通しだけあるもの、電磁弁など一式装備するものなどユニット内で車両毎にブレーキ装置に差異がある。
ユニット内の連結器は通常の並型自連だが、通常切り離す部位ではないため解放テコを当初より装備しない。あえて棒連結器にしないのは、積空差での車高差吸収や、牽き出しのためである。
形式別
コキ100形・コキ101形
1987年のJR貨物発足後すぐに登場したグループ。4両ユニット。
ただし、試作車は当初コキ100形のみで4両ユニットを組んでいたが、のちに量産化改造されたのちにコキ101とのユニットに組み込まれた。
コキ102形・コキ103形
コキ100形・コキ101形の小改良型。4両ユニット。
コキ104形
コキ5500やコキ10000の後継として1989年~1996年にかけて登場。1両単位できめ細かく組成が可能になったことからか、総勢2948両が製造された。
コキ105形
ユニット方式車両の運用効率化のため登場。80両のみ製造の少数派。2両ユニット。
コキ106形
1997年から2007年までに1162両が製造された。海上コンテナの積載に対応した車両として開発された。
コキ110形
15ftコンテナの積載対応車として5両のみ製造された。
コキ107形
コキ50000の後継として2006年に試作車が完成、2008年から量産が始まった。
これまでの各形式と大きく異なるのは、台車ブレーキ方式に変わったため車体にブレーキシリンダやロッドがない点である。
模型化
TOMIXが上記の形式全てを発売している。このうちコキ100・101は3ユニット入った12両セット、コキ102・103は1ユニット入った4両セット、コキ104は単品、コキ105は1ユニット入った2両セット、コキ106は単品、コキ107は単品、コキ110は5両全て入ったセットを発売しコキ106とコキ107は尾灯付きもラインナップされている。