サソリ(借金ストーリーランド)
しゃきすとのさそり
『借金ストーリーランド』の長編(「闇バイト編」以降)に登場する半グレ集団。
現実世界の半グレのように離合集散を繰り返しているため、実態を知る者は同類の半グレか、サソリと接触したカタギの人間くらいまでである。
なお、「サソリ」は通称である(後述も参照)。元を辿るとそれぞれの半グレや闇金融業者、その他の反社会勢力などが自然に合流した連合体のような組織に変質したのが始まりとされている(現実世界における、暴走族の関東連合みたいなものか)。
ヤクザで言う組長や会長などに当たる役職は存在せず、それぞれの幹部がそれぞれの人間を支配下に置く「リーダー」が複数人存在する。しかし、「闇バイト編」開始時点の実質的なトップはクズリであり、それ以前は過去の回想においてクズリの先輩にあたる人物以上の人間が元締めとなっていた模様。
幹部の人間には、体のどこかに「黒サソリの刺青」が施されており、それが組織としての通称である「サソリ」の由来になっている。また、クズリが蜂屋ミカに対する忠告によると、「刺青を入れたら、幹部として責任を持たなきゃいけない」とのこと。
闇金・売春・ギャンブル・タタキ(強盗)・闇バイト・特殊詐欺・始末屋など、人間のありとあらゆる欲望があふれる裏稼業を生業(シノギ)としており、なおかつ組織の資金源にもなっている。
各リーダーの専門職は異なるが、「闇金」のみ共通している。ただし、闇金を取り扱っているのは、クズリ、黒川、サメジマ、ギバの4名である。
裏社会の組織なだけあって、「仲間同士の潰し合いはタブー」、「裏切者は容赦なく抹消する」という不文律が存在し、なおかつ「サソリ」に弓を引くことも禁忌とされている。しかし、リーダー同士やリーダーが支配下に置いている人間(奴隷・舎弟など)同士は仲がいいとは限らず、内輪揉めもしばしば起こすが、有事の際には「サソリ」のメンツを守るために派閥の垣根を超えて団結し、敵対組織を撃退することもあるため、互い同士、利用し合う「持ちつ持たれつ」の関係である。
幹部
クズリ
最大派閥を率いる実質的なトップ。白髪の短髪に丸いサングラスをした色黒の男。
主に裏店や夜職の女関係で稼いでいる。自身の勢力拡大のためならば味方をも潰すことを厭わない危険な男。ミカやユキノを裏社会に引き込んだ張本人でもある。
メーンポーン
ラオスの経済特区で裏風俗の女性の監視を担当している。
見た目は幼い少年のようだが、裏ではピーサート(タイ語で悪魔の意)として逃亡を図る女性の始末もしている。ちなみにメーンポーンはタイ語でサソリを指す。
構成員
ハルカ
黒髪ツインテールの女性。マフユの姉。
フィリピンで特殊詐欺の掛け子のまとめ役を務めていたが、ユキノの台頭に危機感を抱くと彼女をハメようとするが先手を打たれ自身が投獄されてしまう。
その後クズリの手引で出所し、日本で闇名簿作成を務めていたがマリカがマムシと遭遇した際にユキノの身代わりとして売られてしまいマムシに斬殺された。
マフユ
ハルカの弟。中性的な顔立ちで普段は女装している。姉弟共通の特徴として舌にピアスを入れている。
クズリの下でタタキとして活動していたが、彼を出し抜こうと企んでいたが見抜かれており、最終的にはクズリの金を強奪しようとしたものの仲間に引き込んだミカが元々クズリ側だったために失敗し、粛清された。
レオ
マフユのタタキ仲間で金の短髪に四角いサングラスをした男。
地下格闘技で鳴らした猛者だがマフユ曰く脳筋で頭を使うのは苦手らしい。クズリの金をタタキに行った際にマフユを逃がすべく戦おうとするが、ミカの不意打ちで倒されてしまう。ただし命までは奪われておらず、その後クズリへの復讐のためユキノの下に就く。
カジキ
サメジマの舎弟で黒い長髪を後ろで束ねた男。
親が蛇ノ目組傘下の闇金・アイズキャッシングで借金していたのを盾にニコニコ金融の債務者襲撃をさせられていたが、サメジマに捕まる。クズリや黒川からは処刑を主張されるがサメジマの計らいで助けられてからはマグロ共々サメジマの舎弟となる。
ヤス
黒川の部下でプリン頭の男。
刑務所から出所した直後にニコニコ金融で借金を断られるも食い下がると黒川に拾われ部下となり、彼の片腕と評されるまでに成長している。元々トップよりも二番手を好むタイプであったため、黒川の死後は彼の遺言に従ってユキノを後継者に推し彼女の補佐に回っている。
マリカ
主にユキノの下で動く薄い金髪のロングヘアーが特徴の女性。
元々はユキノの紹介する闇バイト要員だったが、元彼のエイジを殺害してからは完全に裏社会に身を置くようになる。またユキノだけでなく、サメジマの依頼で動くこともある。