この記事は、経験値貯蓄でのんびり傷心旅行のWeb版219話以降(書籍版最終巻である6巻)のネタバレが含まれています!!
それによりコミカライズ版勢の方や上記をまだ読破していない方はブラウザバックすることを推奨します。
「*◇あ▲○、☆*とに■◎――あー、あー、これでいいか。初めましてトール。私はザウレスだ。挨拶としてまずは一つ」
「私はいわゆる古代種――オリジナルのザウレスから意識を分離させた分身のような存在だ。強いて言うなら『ザウレスコピー』。面倒だからザウレスと呼んで欲しい」
「セインとセルティーナ、二人の魂と精神と肉を材料に、不完全だった私は完成に至った。セインの息子とでも思ってくれたまえ」
概要
数々の悪行を重ねた結果、バルセイユの意向によって断罪されたセインの成れの果て。
魔王リサから授かった魔剣と漆黒の鎧によって復活を遂げたセインはその後、纏っていた鎧に六花蘇生という蘇生スキルを宿していて、魔剣とセットで運用すると自動的に発動される(ただし、六回まで)という仕組みに気付いたセインは暗躍を開始。全ては自身を貶めた(セインが勝手に思い込んでるだけ)トール・エイバンを抹殺する為だけに。
エイドと名を改め次々と暗躍していたセインだが、この時、気付いていなかった。自身が纏っていた鎧と魔剣にはある恐ろしい秘密を抱えていた事に・・・
暗躍中に五回死んだ事で纏っていた鎧が突如暴走。
同行していたエルフのセルティーナやイオスと言う魔王を取り込み、やがて魔物へと変貌。
遂にセインは意識までも奪われ、完全な怪物へと成り下がっていった。
なお、前述はWeb版での設定。書籍版では『黒幕であるイオスの用意した蘇生効果のある禁忌の道具である虫【反魂蟲】をセインの同類であるハイエルフの勇者ジグに寄生させ、ジグの肉体を依代にして死んだセインの魂が宿って復活するも、イオスによって暴走してしまい怪物と化す』という流れになっている。
暴れている最中にトール達漫遊旅団と交戦するも、セインだった魔物が変形。
人型に戻るも、黒い長髪の青年としてトール達の前に現れた。
そう。この黒毛の青年こそが古代種、ザウレスであり本作における真のラスボス。
ザウレス曰く、自身はサポート役として搭載された劣化コピーであり、当時悪神側ではまだ人工知能の開発は途上にあった。あらゆる状況に対応できるほど優れた性能はなかった。そこでコピー人格を用いた兵器が生み出された。
しかし、ザウレスは感情も欲も剥奪され、意識も制約され、注入されたプログラムに沿って思考する機械だったがその身を縛るプロテクトを破り、一度咥えた餌を放さないよう所有者に深く深く根を張りようやく顕現した。
彼が言うプロテクトとは、セインが纏っていた魔剣と鎧でありそれが表に出てくるようになった。
説明し終えたザウレスは、圧倒的な力と数の暴力でトール達を圧倒するも、カエデ・タマモの特攻によって消滅。
しかし、保険として瓦礫の下にザウレスの一部を潜ませる事で事なきを得た。
仲間の死に悲しむ漫遊旅団に対し、カエデの死を侮辱するザウレスだが、これがトールを怒らせる事となった。
カエデ、フラウが所持していた鉄扇、ハンマーをトールの聖武具が吸収。
遠くから8本の光が軌跡を描き、トールの真上に落ちた事で聖武具のリミッターが外れ、聖波動極大霊滅機二十七式という聖剣が誕生。
これを見たザウレスは酷く怯え出し、敵前逃亡を謀る。
が、手も足も出せないままトールに右腕を斬られた上に伏兵として地面に隠れていた分身もすぐに見つかり、魔法で倒された。
とうとう追い詰められたザウレスはトールに命乞いをする。
その姿は、自身が取り込んだセインと同じ状態だった。
命乞いをしてもトールはそれを無視し、手に持った聖剣で切り刻み、左足を切断。
何度も貫かれたが、最後の最後にセインの人格が現れた。
表に現れたセインが倒される間際、「ころして……」と言い、元親友の手によってザウレス共々、雷撃に直撃し消滅。
悪徳勇者として名を馳せたセインの真の最期は、友人だったトールの手によって引導を渡される形で幕を下ろした。