シロウリガイ
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しろうりがい
マルスダレガイ目オトヒメハマグリ科
白瓜貝。ウリのように(横に)長い殻を持つ二枚貝で、大きさ14センチくらい。
深海1000メートル程の泥底に突き刺さるようにして暮らしているが、事もあろうにこいつがいるのはメタンだの硫化水素だのがたっぷり含まれたデンジャラスなエリア。並みの生き物ならまずオダブツになるような魔境である。
しかしシロウリガイは体内に「硫化水素を分解するバクテリア」を共生させることで適応し、その際に余った養分を分けてもらうという自給自足ライフを確立。しかもそれで十分なエネルギーを得られるので消化器官はほとんど退化してしまっており、自力でエサを食べられない(硫化水素は水管ではなく腹足を使って吸収している)。
なので普通の貝が生きているような環境では死んでしまう因果なヤツで、それ故に飼育も難しい。
ちなみに普通の貝の血は銅を含むヘモシアニン故に透明に近い青の血を持つが、シロウリガイは鉄を含むヘモグロビンの赤い血が流れている。ヘモグロビンは酸素よりも硫化水素により強く結合するため普通は酸欠で窒息するが、どうもそうならない特殊仕様になっているようだ。生物のちからってすげー!
なおこんなヤツなのでいかにもまずそうな感じがするものの、貝柱だけはホタテに似た甘味があってそれなりに美味しいとか。よく食べたものだ……。
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