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スター・ストライダー

すたーすとらいだー

ゲームブック「ファイティングファンタジー」シリーズの第27弾。著者はルーク・シャープ。
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「スター・ストライダー」とは、イギリスの出版社「ペンギン・ブックス」から出版されていたゲームブック「ファイティングファンタジー」シリーズの第27弾「STAR STRIDER」の日本語版タイトルである。出版社は社会思想社。

作品解説編集

超未来。地球は宇宙に進出し第一銀河連邦政府を設立していた。

ほとんどの地球人はアルファ・ケンタウリに移住。それなりに平和に過ごしていた。

しかし、犯罪者の存在も多く、そういった存在には懸賞金がかけられていた。

そして、かつては賞金稼ぎと呼ばれていた者は、現在は「ローグ・トレーサー(悪漢追跡人)」の名で活躍し、数多くの賞金首を捕えていた。

優れたローグ・トレーサーは「スター・ストライダー(星を股にかける男)」と俗に呼ばれている。


主人公=君は、そんなローグ・トレーサーの一人。ある時、特別伝達事項として、君の元に仕事の依頼が舞い込む。

それは、第一銀河連邦政府のゼリン大統領が、異星人・グロム人の一グループに誘拐されたため、奪還してほしいという依頼だ。

大統領は、地球の北半球のどこかに囚われているのは間違いないが、どこにいるかは判明していない。

大統領の脳内には、防衛コンピューター作動の暗号が記憶されている。グロム人はそれを手に入れるため、記憶読み取りの処置を大統領に施しているものと予測される。

が、大統領の脳には、遮蔽装置が施されているため、それが作動している間は記憶を読み取る事はできない……その効果が切れるのは、48重力時間後。それを過ぎたら、防衛の機密は漏れてしまい、その情報は銀河連邦に敵対している「紫旗帝国」に渡ってしまう。

地球に赴き、48重力時間内に大統領を救助しろ、というわけだ。

君は「イエス?/ノー?」の選択肢から、「イエス」を選び、詳細を聞いた。


シリーズ27弾。

今回のジャンルは、SFになる。

「新人作家は、制約のないSF作品を最初に手掛け、その後にタイタンを舞台にしたファンタジーものを手掛ける」という事は、過去にも行われていたが、本作もその例にもれない。

 SFものは、システムに凝った作品が多く、作品ごとに新たなルールが加えられている事は、これまでの作品……、

 すなわち、「さまよえる宇宙船」「宇宙の暗殺者」「宇宙の連邦捜査官」「電脳破壊作戦」を見れば明らかだが、本作もこれらの作品と同様に、新たなルールやシステムが付加されている。

 本作は、サスペンスを盛り上げるために、時間制限のルールを付加。そして敵となる異星人こと「グロム人」が「幻影をあやつる装置」を有しているため、その幻影に対しての恐怖を感じるか否かの「恐怖点」を追加している。

 この恐怖点に関しては、増減はなく、用いるのも単に『恐怖を感じたか否か』を判定するのみである。恐怖を感じたとしても、体力を少し減らすだけで、『地獄の館』のような「恐怖によるショック死」などは起こらない(もっとも、敵方が精神的な拷問に恐怖を用いる、というのはあるが)。

 戦闘に関しては、通常のシリーズ同様だが、銃撃戦に関しては「キャッチマン」という武器に限定されている。戦闘そのものよりも、設定とストーリーを中心にするように処理されているのだ。

 システムをいたずらに多くし過ぎず、なおかつストーリーそのものを強調し、トータルでの面白さを追求している。実際、本作ではルーク・シャープの物語を盛り上げる文章力は高く、小説のような魅力も感じられる。

SF作品には、ファイティングファンタジーの新たな魅力を期待させるものが多いが、本作もその一つとして、プレイする価値のある一作と言える。

本作を最後として、SFジャンルの作品がほぼ途絶えてしまうのは残念である。


主な登場人物編集

主人公=君編集

 本作の主人公。第六星域で最も優秀なローグ・トレーサーで、その名前は銀河長者番付の97位に載っているらしい。依頼した団体は、慎重に検討した結果、主人公に依頼したとの事。


用語など編集

ローグ・トレーサー(悪漢追跡人)編集

懸賞金のかかった逃亡者や犯罪者、指名手配された生物を追跡するハンター。以前は「賞金稼ぎ」と呼ばれていた。

免許制で、バックアップする団体『追跡ビーム機構』から免許を与えられる必要がある。

特に優秀なローグ・トレーサーは、『スター・ストライダー(星を股にかける男)」と呼ばれる。

あらゆる武器を操る事が可能だが、常時は武器をほとんど持ち歩かない(キャッチマンのみ)。


追跡ビーム機構編集

ローグ・トレーサーのバックアップをする援助団体。懸賞金のかかった賞金首や犯罪者たちの記録を、各ローグ・トレーサーに流したり、困難な依頼や仕事を回してくれたりする。

劇中における今回の件でも、地球圏にスパイアンドロイドを潜り込ませ、必要な情報を提供するようにしている。

銀河系中心部をはじめとする、文化圏内では犯罪者に対する「探知装置」を機能させ、そこから情報をローグ・トレーサーに流し、捕獲させる。

(ちなみに今回の依頼は、もし断ったら「今後(主人公に対し)犯罪者情報を流すかどうかは保証できない」と、やや圧力をかけていた)


逃亡者および犯罪者編集

ローグ・トレーサーは逃亡者や犯罪者に対し、戦い捕まえる事は許されているが、銀河連邦法が許す範囲でしか動けず、なにより人間を殺害する事は許されていない(仮にそうしてしまったら、自身が犯罪者で逃亡者となってしまう)。

ローグ・トレーサーは捕獲した犯罪者を拘束し、袋をかぶせるなどして完全に動けなくしてから、超小型発信機である『印』をつけ、そのままどこかに隠しておく。後で連行し関係各所に引き渡した後、『印』をつけたローグ・トレーサーの口座に懸賞金が振り込まれる、というシステムになっている。

(ちなみに地球には、探知装置が機能していないため、ローグ・トレーサーの標的である犯罪者および逃亡者が群れている)。


武器、道具編集

キャッチマン編集

 主人公=君が常時携帯している武器。ユリドール・ゾリー(武器の設計人らしい)によって設計されたもので、「液体プラスチックを霧状にして打ち出し、空気中で網に変化。標的を包み込み、自由を奪う」というもの。命中率は67パーセントで、これで標的をうまく捕まえられなかったら、通常戦闘を行う。

破壊銃編集

 殺害や物質の破壊の用途に用いる銃器。

ショック銃編集

 同じく、ショックを与えて相手を気絶させる銃。威力を上げれば殺傷する事も可能。

中性子剣編集

 剣だが、具体的にどのような作用があり、どういう原理の武器なのかは不明。「旧式の~」とある事から、この世界では古いタイプの武器らしい。

幻影スコープ編集

グロム人により発明され、特許を取った装置。卓上型幻影発生装置で、ありとあらゆる幻影を発生させる事が可能。携帯する事も可能で、これを用いれば透明になったように姿をくらましたり、自身を怪物や別人に見せかけたりもできる。また、スケールを大きくする事も可能(乗り物に搭載し、動物に見せかけたりするなど)。

幻影とはいえ非常にリアルであり、どんな剛の者でも恐怖を感じさせるものらしい。


固形食糧編集

この世界では、食料や食事、料理の類はほぼ全てが「固形食糧」に置き換わっているらしい。

具体的にどのようなものかはほとんど描写が無いが、自動販売機から購入したり、食料供給機から供給されたりするもので、加工品として流通している。

家庭でも、この固形食糧を提供する事がごく当たり前になっているらしい。そのため、地球において旧来の料理(シーフードピラフ、またはパエリアと思われる)を見た主人公は、汚染されているのではないかと最初は食べるのを躊躇していた。


舞台、宇宙人など編集

地球編集

 この時代では、ほとんどの地球人はアルファ・ケンタウリに移住しており、地球は寂れてしまっている。今現在では、銀河の端の取るに足らない小さな惑星で、貨物宇宙船の修理と、塩の採掘で細々と収入を得ているに過ぎない。


グロム人編集

起源は不明だが、高い知性を持つ異星人。幻覚を操る機械『幻影スコープ』の発明者で、それを用いて個人レベルでの幻影を操っている。

肉体的な面では人間に劣り、戦うより降伏する方を選ぶ。喋りまくる事で相手をけむに巻くのがうまい。宇宙を放浪する生活をしていたが、百重力年ほど前より地球に定住。アンドロイド、および『幻影スコープ』の発明は定住するようになってから発明・開発された。

チェスおよび地球産のカタツムリが、彼らにとっては麻薬のような働きをする。


グロム製アンドロイド編集

 多種多様なアンドロイド。グロム人の生活および活動に従事している。グロム人が地球に定住してから開発・運用された。

 高性能型は極めて危険。主人公は衛兵、掃除夫、警察官、行政官のアンドロイドとの戦闘ならば、勝てる見込みはある。しかし高性能型との戦闘は避けた方が賢明らしい。それでも戦闘が避けられない場合、メインスイッチの位置を確認すべき、とのこと。

また、グロム人は自分たちがアンドロイドに襲われた時の事を恐れ、全ての型に弱点を作ってある。

さらに、全ての標準型アンドロイドには、酷く破損した場合、「自己崩壊」するようになっている(ボディおよび回路や基盤などが、残骸を残さないほどに熔解する。これは秘密保持の役割もある)。

 なお、劇中には、援助団体である『追跡ビーム機構』がスパイアンドロイドを地球圏に潜り込ませているが、グロム人はアンドロイドたちのプログラミングを『逆転』させる事もできるため、おいそれと信用は出来ない(スパイアンドロイドと思いきや、実は敵方の罠に誘導させられていた、など)。


ハウルガ人編集

 地球の原住民の子孫。地方の封建的な種族で、80~90もの部族に分かれている。色付きの衣服、特に色付きスカーフを崇める。戦闘能力はほぼゼロだが、多数集まると煩わしい存在になる。

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