概要
男性は30代に入り、ある程度歳を重ねると「おじさん」と呼ばれるようになり、そこから更に40代で「親父」と呼ばれる年代に入っていく。
セクシャルハラスメントの略称「セクハラ」と「親父」を組み合わせたこの語は、単にある年代のセクハラ加害者を指すのではなく、その背景となる時代や当時の社会状況を参照した語でもある。
セクハラへの意識の高まりと認識の広がりに伴い、特定の年代のセクハラ男についての言及がネット上の記事でも積み重なっていった。
例:
「20代女性がセクハラだと感じる」40代社員の言動ワースト5(日刊SPA!2012年12月20日)
下ネタギャグで笑いをとるオジさんの共通点 ご本人が思いもしないセクハラ被害を生むワケ(2017年12月19日)
セクハラ男性を即黙らせる3つの殺し文句(2019年5月29日)
2010年代に40~50年代以上である男性、つまり昭和時代(1989年1月7日まで)末期、バブル時代(1985年~1991年)、平成時代(1989年1月8日から)序盤に少年期、青年期を生きた世代が該当する。
ちなみに、日本初のセクシャルハラスメント(セクハラ)裁判で全面勝訴の判決がくだったのが1992年4月の事である(日本初のセクハラ裁判が教えてくれること ≪前編≫)。
当時の日本社会ではセカンドレイプ、セカンドハラスメントという概念も広がっておらず、この事件でも告発者をバッシングする記事が週刊誌に掲載された。
セクハラ被害が軽視され、被害が冷笑され、1990年代を通じて勝訴の反例が積み重なっていき、1997年(平成9年)の男女雇用機会均等法の改正時にセクハラ防止義務が盛り込まれるも市井にはまだ意識がついていっていない時代と言える。
体系的なルールやマナーが整備され広められる以前であり、当人が「性的」「ハラスメント」と認識しない身体的接触(肩揉み等)・言動(恋人の有無を聞く等)については尚のこと平気で行われる事となった。
「セクハラ親父」という語には一定の年代、という意味だけで無く当時から認識を更新・反省できていない、というニュアンスも含まれている。