タイクーン王国の国王。
王女であるレナ・シャルロット・タイクーンとサリサ・シュヴィール・タイクーンの父親である。
ゲーム上では「タイクーン王」と表記されているが、攻略本で確認できる本名はアレクサンダー・ハイウィンド・タイクーン。
竜騎士の末裔であり、名剣士として知られていたタイクーンの3代目国王。
好戦的だった先代国王とは違い、争いを好まない穏やかな性格。ただし、曲がったことや間違ったことは許さない真っ直ぐな気質の持ち主。かつて軍事国家だったタイクーンが平和になったのも彼のおかげとされている。
先代タイクーン王とは血縁関係がなく、禅譲(血縁関係にない有力者に王位を譲ること)によって即位したと設定されている。
ゲームでの活躍
ゲームではオープニングに登場。風の様子に異変を感じ取り、自国の風の神殿に祀られている風のクリスタルを案じて急いで向かうものの、クリスタルルームで風のクリスタルが砕け散る瞬間を目の当たりにしてしまう。
その後、主人公であるバッツ一行の前に度々姿を現し、カルナックで自分は王様だからと無賃宿泊していた噂が流れていたり、流砂の砂漠を宙に浮かびながら渡るのを目撃されたり、滅びの町ゴーンでバッツ達の前一行を落とし穴へと導いたりなど不可解な行動が多くなるが、実はエクスデスに体を乗っ取られ操られていた。
ロンカ遺跡のクリスタルルームで一行に襲いかかるが、クルルの弱いサンダーを受け正気を取り戻し、土のクリスタルを守るために命を落とす。
その後、次元の狭間におけるエクスデスとの最終決戦直前、ガラフら暁の四戦士と同様に魂となって登場し、エクスデスの無の力を封じ込める役割を果たす。
「風の様子が変なのだ…」
……と、原作スーパーファミコン版ではサブキャラクターながら重要な立ち位置であり、カッコいいおじさんとして知られていたのだが、ゲームボーイアドバンス移植版にて主要キャラクター全員の台詞に天野喜孝氏の原画を元にした顔グラフィックが追加されたことで話は変わる。
天野氏の原画におけるタイクーン王は兜の左右に翼のようなものがつき、頭にはモーグリのようなポンポンがあり、サンバイザー付きの独特なデザインになっており、『グラサンした怪しい髭親父』とでも言うべき珍妙なデザインになっていた。
本来想定されていたビジュアルがようやくゲームに実装されたと表現するのが正しいのだろうが、本作はもともとドット絵と天野絵の乖離が激しい本作の中でも彼のインパクトは突き抜けており、上記のように困惑したプレイヤーは多かったようだ。
さらに、GBA版ではまだ横顔で解像度も低めだったからマシだったものの、スマートフォン移植版でグラフィックが高画質化されたことでさらに話題になることに。
スマホ版では王様のグラフィックが正面向きの構図になり、ややセクシーな肩まで見せたイラストになったことで、「風よりも王の様子が変なのだ…」「笑ってしまって話に集中できない」「思い出返して!」などの声が続出。
タイクーン王の衝撃的な姿は一躍ネットミームのように扱われることが多くなり、コラ画像なども多数生まれる事態となってしまった。
参考:Togetter 【FFⅤ】「息ができないほど笑った。」「思い出かえして!」多数のプレイヤーに衝撃を与えたタイクーン王まとめ
なお、彼が装備しているのは「ミスリルヘルム」らしく、北の山でレナが見つけたタイクーン王の兜がどうやらこれであるようだ。
ピクセルリマスター版
2021年には新たにFF1~6が「FFピクセルリマスター」として新規に作り直されることになり、旧スマホ版が配信終了されることが決定した。
そして、気になるタイクーン王の顔グラフィックだが、原作準拠ということで今回は廃止されるこことに。
世間を騒がせたタイクーン王の歴史に幕を閉じることになった。
しかし、今でもネット上ではインパクトのある王のグラフィックがネタにされ続けることが多いようだ。