概要
タキ3000は1947年から1964年にかけて製造されたガソリン専用タンク車である。
同一の車体構造で製造された石油類専用車であるタキ1500についても扱う。
形式別解説
タキ3000
新製車
30t積のガソリン専用車で1947年から1964にかけて1594両(タキ3000~タキ3049 、タキ3050~タキ3496、タキ13000~タキ13499、タキ23000~タキ23499、タキ33000~33014、タキ33022~タキ33040、タキ33045~タキ33050、タキ33055~タキ33059、タキ33062~タキ33113 )が製造された。このうちタキ3000~タキ3049が国鉄所有で タキ3050以降の車両が私有貨車となっている。国鉄以外の所有者は日本石油輸送、日本陸運産業、米国陸軍輸送隊、出光興産、ジャパンエナジー、三井物流、ゼネラル石油、九州石油、三菱石油、石油荷役、内外輸送、日本化学肥料であった。
タキ5200からの改造編入車
1963年にタキ5200(メタノール専用)から17両が改造によりタキ3000へ編入された。以下の車両が該当する。
タキ330015~タキ33021、タキ33041~タキ33044、タキ33051~タキ33054、タキ33060、タキ33061
タキ1500
35t積の石油類(除ガソリン)専用車として1947年から1973にかけて897両(タキ1500~タキ1599、タキ11500~タキ11599、タキ21500~タキ21599、タキ31500~タキ31509)が製造された、全車私有貨車として製造された、所有者は日本石油輸送、日本陸運産業、九州石油、三菱石油、ゼネラル石油、ジャパンエナジー、キグナス石油であった。
派生形式
タキ30000
30t積のガソリン専用車で1960年に2両(タキ30000~タキ30001)が新潟鉄工所で製造された。
本形式はタキ3000と同一であり唯一の違いはタンク体内部の波除板を廃止したことにある。このためタキ3000に比べ軽くなり空車時の換算両数が1両あたり1.8となった。波除板廃止の結果か良好であったことから特殊構造を除くタンク車は波除板を廃止した。所有者は日本石油で常備駅は当初は下松駅であったがその後名電築港駅を経て本輪西駅へと変わった。国鉄分割民営化時に継承されたが1991年に廃車となり形式消滅した。
移籍
1967年に新宿駅で発生した石灰石輸送列車との衝突事故により、編成の3両目から6両目に連結されていたタキ3085、タキ23119、タキ3084、タキ3043の4両が脱線してタンクに穴が開き漏れた航空燃料に引火して炎上、廃車となった。この4両のうちタキ3084及びタキ3085は軍番号700011及び700012が付与された米国陸軍輸送隊所有車でこの2両の賠償として国鉄所有車のタキ3047及びタキ3049が米国陸軍輸送隊に移籍した。
運用
タキ3000及びタキ1500はガソリン・石油類タンク車を代表する形式であり、全国各地の石油輸送に使用されたが1980年代以降他形式への改造及び廃車が進み、国鉄所有のタキ3000は1977年までに廃車された。
1987年の国鉄分割民営化時には、タキ1500が366両、タキ3000が619両継承されたが、タキ43000の24300番台やタキ1000に置き換えられ両形式とも2002年までに廃車され形式消滅した。