概要
トゥールビヨンとはアブラアム=ルイ・ブレゲが発明した可搬で任意の姿勢をとりうる(任意の方向に重力による加速度が掛かる)機械式時計において、内部の一部の構造全体を回転させることにより、姿勢差による系統的なズレをキャンセルし克服する機構ないしそれを採用した時計、および特にその中心部であるそのような脱進機のことである。
部品の点数が増える、各部品を極めて軽くかつ高精度に作らなければならない、微妙な調整が必要で組み立てに高度な技術を要求される、1本製作するのに長い時間がかかるなどの理由で、トゥールビヨンは非常に高額であった。そのため長らく、パーペチュアル・カレンダー、ミニッツ・リピーター等と並ぶ最高級機械式時計の代名詞のひとつとなっていた。
しかしながら2000年以降、生産技術の発展等により量産され10万円未満で入手可能になるなどコストダウンの方向に進んだトゥールビヨンも現れ、他方、高級モデルの中にはキャリッジを立体的に回転させるものも現れるなど、多様化が進んでいる。
別名・表記ゆれ
ツールビヨン
タービロン
関連タグ
実際に動いているのをご覧になるほうが早いでしょう
王様の仕立て屋:第1部「サルト・フィニート」第29~30巻収録「時計編」(欧州時計戦争編)にてテーマのひとつとなった。物語は最終的に「現代版の『マリー・アントワネット』を制作する」というものになっている。