概要
恋愛が実らなかった者たちの無念と魔物の魔力が結びついて誕生すると言われている魔物。
女性に振られた男性の負の念に反応し出現する。
そのときの姿は男性が想う片思いの相手の姿そのまま。その女性の見た目だけでなく、性格や記憶、能力といった内面的なもののトレースも可能。
男性の思念や内面を読み取ることもでき、それを用いて、トレース内容を改変することもできる。
これによりモデルが実は性格の悪い人物であっても、素敵な人格者の女性、として現れる事が可能である。
相手の男性が抱くイメージさえはっきりしていれば、絵に描かれた架空の女性に化ける事も可能であるという。
ドッペルゲンガーたちがこのように擬態をするのは、相手の男性が気に入った時であり、その男性の理想の姿をとることで想いを遂げようとするのである。
男性側からすれば好きな人がまさに理想の形で迫ってくれる図となるわけで、この願ってもない事態を受け入れてしまう。
ドッペルゲンガーたちはそれ以後も理想の恋人、理想の妻として添い遂げてくれる。
彼女達には変身によって化ける前の「真の姿」が存在し、それは黒ずくめで地味な少女の姿である。
月の見えない夜、ドッペルゲンガーは変身能力を失ってしまうため、その時だけは男性の目に触れないよう身を潜めてしまう。
しかし結ばれた相手のことが好きであることに変わりは無く、その近くでじっと身を隠す。
もしも男性が彼女の正体に気付き、なおかつ理想の姿よりもその真の姿が好きだと告白した場合、自分自身には変身できない彼女達は変身能力を失ってしまうのだという。
そもそもの失恋が勘違いで、実はその女性とも想い合っていて、更にその女性が自分に化けたドッペルゲンガーを目撃した場合、両者が魔物の魔力によるリンクによって繋がれてしまう。
その同調状態はモデルの女性を、ドッペルゲンガーが化けた理想の状態に近付け、やがて寸分違わぬ存在となる。
こうなると種族すらも変わり、人間からドッペルゲンガーへと変質する。
端から見れば同じ姿で同じ人格の二人が同時に同じ場所に存在するかのような状態になるが、両者はどちらが本物かと相争うようなことはなく、惜しみなく同じパートナーを愛するようになる。