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概要編集

『ナラタージュ』は、島本理生氏による小説。

島本にとって初めて文芸誌などでの発表を介さない書き下ろしの作品発表(単行本発行)であった。2005年2月28日に単行本が発行されると、「この恋愛小説がすごい! 2006年版」(宝島社)第1位「本の雑誌が選ぶ上半期ベスト10」で第1位、2006年の本屋大賞で第6位に選出されるなど注目を集めた。


第十八回山本周五郎賞候補。2016年7月時点で累計40万部のセールスを記録しており、島本が個人のTwitterでファンに好きな作品をアンケートした所、ダントツの1位となるなど名実ともに島本を代表する作品として知られている。


2017年に松本潤()、有村架純のW主演で映画化。監督は、『世界の中心で愛を叫ぶ』で大ヒットした行定勲氏。


登場人物編集

国文学を専攻する大学二年生。両親は仕事でドイツのベルリンに滞在中のため一人暮らし。高校三年の時から葉山に想いを抱いており、彼の影響で映画(特に古い外国作品)が好きになる。葉山から卒業式の日にキスをされるがその後一度も会うことはなかった。大学二年の春、演劇部の引退公演の手伝いをきっかけに止まっていた葉山との関係が動き出す。その後、葉山から嘘をつかれていたことを知り、絶望のあまり鎮静剤を大量に飲み心身共に崩れてしまう。公演後に再び告白してくれた小野と交際するも、彼は葉山への嫉妬心から泉を束縛したり、体の関係を強要するようになり半ば強引に別れる。


泉が通っていた高校の教師。演劇部の顧問をしている。三十二歳だが年齢より若く見える。母子家庭育ち。泉が高校三年の時に世界史の教師として赴任して来た。泉の担任ではなかったがクラスで孤立していた泉を気にかけており、演劇部にも誘っていた。妻とは別居中で、嫁姑の関係が上手く行かず精神に異常をきたし放火事件を起こしてしまったことが原因。泉には別れたと話していたが実際は籍を抜いておらず、部屋には妻との写真や私物が残っていた。夫婦関係をやり直すことも別れることもできないまま苦しんでいたが生徒であった泉の存在に救われ、お互い依存するようになっていた。泉と曖昧な関係を続けていたが、物語終盤で別居中の妻とやり直すこと、他の学校に異動することを決める。


理系(生物系)の学部に通う大学生で、黒川の友人。長野県出身。大学の演劇サークルに所属していたが、先輩の彼女に惚れられて付きまとわれるようになったことから嫌気がさし、サークルを辞め演劇から離れていた。泉に交際を申し込み一度は断られたが、葉山との関係を断ち切ろうとしていた際に再び告白し、交際することになった。しかし不安と嫉妬心から泉と葉山の関係を疑い、泉の心を考慮しない肉体関係を強要するようになる。


関連タグ編集

島本理生


どうする家康:2023年度のNHK大河ドラマ。松本が徳川家康、有村が瀬名築山殿)役で出演しており、久方ぶりの共演を果たしている。

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