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ヒガシマツカサトカゲ

ひがしまつかさとかげ

ヒガシマツカサトカゲ(Tiliqua rugosa asper)は、爬虫綱有鱗目トカゲ亜目スキンク科マツカサトカゲ属マツカサトカゲ種に分類されるトカゲの一亜種。日本ではヒガシマツカサトカゲ、もしくはマツカサトカゲアスパーと呼称される。基亜種のニシマツカサトカゲと対になる亜種である。亜種の中で最も広い範囲に分布する。
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概要

ヒガシマツカサトカゲ(Tiliqua rugosa asper)は、爬虫綱有鱗目トカゲ亜目スキンク科マツカサトカゲ属マツカサトカゲ種に分類されるトカゲの一亜種。日本ではヒガシマツカサトカゲ、もしくはマツカサトカゲアスパーと呼称される。基亜種のニシマツカサトカゲと対になる亜種である。亜種の中で最も広い範囲に分布、色や大きさなど最も多様性に富む亜種と言える。

英名

  • Sleepy Lizard(ねぼすけトカゲ)
  • Pinecone Lizard(マツボックリトカゲ)
  • Shingleback skink(小石だらけの背中のトカゲ)
  • Stump-tailed skink(切り株しっぽとかげ)


本亜種の分布

オーストラリア連邦の東部~南部の広い範囲に分布する

  • クイーンランド州南東部
  • ニューサウスウェールズ州
  • ビクトリア州北西部
  • 南オーストラリア州東部から南部にかけて
  • 西オーストラリア州南東部
森林・林・乾燥した荒れ地に生息する。

本亜種の形態

大型個体群のフルブラックの成体で37~40センチメートル程度に成長する。
長生きするとそれだけ成長し50センチ近い個体が確認されておりそれが最大サイズと思われる。

舌は濃い青紫色。口腔内は明るいピンク色。
普段はおとなしいが危険を感じると口を大きく開け舌を出して威嚇する。動きが緩慢なトカゲであるが太陽の紫外線下では敏捷に行動する。

本亜種にはうろこのキールが大きく発達するタイプとうろこの平坦なタイプが存在する。
2タイプには色やうろこの形態などに大きな違いがある。

以前は「うろこのキールが大きく発達するタイプ」が多く日本に輸入されていた。このオールドタイプの輸入は現在では稀である。
現在は「うろこの平坦なタイプ」のベビーの輸入が大部分を占める。

うろこのキールの大きい種類(オールドタイプ)背中横腹腹側その他特徴
アスパー・ブラック(フルブラック)真っ黒もしくはこげ茶色白いスポットがはいる個体もいる黒もしくはこげ茶色後頭部のうろこがとさかのように発達する。口元が白い個体もいる。成体で37~40センチ・最大で50センチまで成長する大型個体群。比較的 雌雄で形態差が出やすい。性成熟したオスは頭部が大型化する個体が多い。

うろこのキールの大きい種類(ハイポタイプ)背中横腹腹側その他特徴
アスパー・ブラック(ハイポ)黄色いスポットが筋状に入る黒と白のまだら模様後頭部のうろこがとさかのように発達する。口元は白い個体もいる。
アスパー・ブラウン(ハイポ)茶色と黒の縞模様・黄色のスポットが入る黄色いスポットが筋状に入るうすい茶色・不明瞭なまだら模様後頭部のうろこがとさかのように発達する。幼体は色が濃いが成長に伴って色が抜けうすくなる。


うろこが平坦な種類(A群)背中横腹腹側その他特徴
アスパー・ブラック&ホワイト黒と白のまだら模様うろこは平坦で面積が広く均一
アスパー・ブラウン&ホワイト(ハイポ)茶色と黒の縞模様・白のスポットが入る黒と白のまだら模様うろこは平坦で面積が広く均一。

うろこが平坦な種類(B群)背中横腹腹側その他特徴
アスパー・ブラック&イエロー黒に黄色のスポットがはいる黄色黒と黄色のまだら模様黄色い部分は紫外線を浴びると強く発色する。頭部が小さい個体と大きい個体が存在する。最も個体差が激しい群である。うろこはやや薄いがキールはとがる。
アスパー・オリーブドラブ(ハイポ)オリーブ色と黒のまだら模様黄色オリーブ色と黄・黒のまだら模様頭部が小さい個体と大きい個体が存在する。最も個体差が激しい群である。うろこはやや薄いがキールはとがる。

アスパーには大型化する個体(37~40センチ)と小型の個体(30センチ前後)が存在する。
主にフルブラック個体群が大型化し、その他の個体群は小型なことが多い。
(そのほかの個体群でも大きくなる個体もいる。小型な個体はロットネス亜種程度の大きさで成長が止まる。)

アスパーには頭部が小さい個体と大きい個体が存在する。
これだけをもって雌雄の判別はできない。
(頭の小さいオスが存在するからである。)

生息地域によって様々なカラーが存在し一匹一匹うろこの形と配置・模様や色が違う。黒っぽい個体が多いのが本亜種の特徴である。

栄養状態が悪いとしっぽはやせて小さく薄くなり三角にとがるが栄養状態が良くなると紡錘状に丸く太り膨らむ。
ニシマツカサトカゲとの違い両目の距離顔の印象尻尾の形色の違い後肢ふともものうろこ
ヒガシマツカサトカゲ両方の目が離れている顔が童顔でかわいい印象がある。尻尾は紡錘状に肥大する黒っぽい個体が多いキールが大きく発達する
ニシマツカサトカゲ両方の目の距離が短い顔が面長で先がややとがる・怒ったような怖い印象があるしっぽは細長く先がとがる。ベースカラーが白でそこに様々な色がのる。キールは発達せず平坦
両手足(四肢)が非常に短い。手足の指はそれぞれ五本ある。

顱頂眼【ろちょうがん】がレンズ状に発達している。

松かさのような強靭なうろこに覆われる。幼体の体は柔らかいが成体の体はワニ革のハンドバッグのような硬さがあり外敵を寄せ付けない。

雌雄の判別

個体差が激しく外見上から雌雄判別することは困難である。雌雄形態差の傾向として
オスは

  • 頭部が大きくエラが張る
  • しっぽがほそ長い個体が多い。
  • 胴が短い個体が多い。
メスは
  • 頭部が小さくエラが張らない
  • 尻尾が太く短い個体が多い。
  • 胴が長い個体が多い。
しかし 外見だけでは100パーセントの確定はできない。総排泄口を開きペニスの有無をチェックするなどしない限り確実な判別は出来ない。
オスは鼻筋が太い・メスは鼻筋が細い鼻筋の細いオスが存在する。雌雄は関係ない。
オスは頭が大型化する。エラがはっているのがオスである頭部の小さいオスが存在する。頭の大きさでは判別できない場合がある。
色がはっきりしているのがオスである色の違いは生息地の違いと個体差であり雌雄は関係ない。
尻尾が長いのがオス、短いのがメスであるオスの方がメスより尻尾が長い傾向があるが栄養状態で尻尾の形状が変化する。亜種や個体群によって尻尾の長さや形状が異なり個体差もあるのでこれをもってして雌雄判別はむずかしい。
ポッピングは強い力で絞り出すためしっぽや背骨を損傷する可能性があるので避けるべきである。ブローピングも怪我の恐れがあり危険なので行わない。

分類

Tiliqua rugosa asper
最大亜種

生態

草原・森林や荒れ地などに生息する

雑食性で何でもよく食べ昆虫、カタツムリ、動物の死骸、野草、花、果実などを食べる。

昼行性だが昼間から眠って過ごすことも多い。(出典:英名のSleepy Lizard(ねぼすけトカゲ)の由来となっている。)

自然下では春に植物質のえさを食べて栄養をたくわえ、食料の乏しくなる夏から秋にかけては食事量が少なくなり冬眠する。
冬眠明けの早春に出産ピークを迎える。
親の半分ほどのベビーは、春の間にたくさん食べ、厳しい夏の天候に耐えられるように大きく成長する。
飼育下でも低温下では冬眠する。高温多湿にやや弱い。
飼育下での寿命は10年~30年(ただし自然下での寿命は不明)

繁殖について

繁殖様式は胎生。メスは自分の体の3分の1~半分近い大きさの幼体を出産する。1回に1頭・まれに 2頭の幼体を産む。

現地の立て看板やドキュメンタリー番組によると一度カップルが成立すると生涯相手を変えないとされている。(←飼育下で要検証)

人為繁殖について

不明な点が多く確立されていない。他のトカゲ同様クーリングさせることで繁殖活動が活発化することは知られている。性成熟に何年かかるかなど不明な点が多い。

人間との関係

動物園・水族館で展示飼育されたりペットとして飼育される。人為的な繁殖は非常に難しい。現地の立て看板やドキュメンタリー番組によると動きが緩慢なので現地では自動車にひかれて死亡することが多い動物の一つとなっている。オーストラリアでは動物の輸出入を厳しく禁止しているため高額で入手しづらい爬虫類の一つとなっている。性格はおとなしく人にもよく慣れ丈夫で飼いやすい個体が多い。

飼育方法

水槽

ベビー単体なら45センチ~60センチ水槽。
成体なら90~120センチ水槽で飼育が可能である。大型種であるが尻尾と手足が短いため比較的コンパクトに飼える。
比較的おとなしいトカゲであるがはげしくかむ個体、気性のあらい個体などもいるため個体同士の相性もあり単体での飼育が望ましい。
隠れる場所を用意する。もぐりこめるように布状のヤシガラシート・新聞紙などでもよい。

床材

ヤシガラを使用する。もぐる・ほるが好きなトカゲなのでペットシーツはよくない。目に刺さる牧草や、においのある猫砂なども避ける。

ライト ・日光浴

スキンクなので紫外線要求量は高くないがクル病予防のため80~100WのUVライトをつけてやる。 食後のバスキングは行わない個体も多いが用意して温度勾配をつける。
晴れている日は5~10分の日光浴をさせてあげられればなおよい。(日光浴中は熱射病にならないよう、猫やカラスに襲われないように目を離さないこと)
秋~冬~春は底面ヒーターで水槽の底半分の面積を保温する。

小松菜・サラダ菜・サニーレタス・チンゲン菜などの野菜・ピンクマウス・生餌(イエコオロギ・フタホシコオロギ・ミルワーム・デュビア)肉類、ゆで卵、爬虫類用の人工飼料、ドッグフード・キャットフードなど何でもよく食べる。
乾燥系のえさ(乾燥コオロギ・乾燥ミルワーム・煮干し・干しエビなど)もそのままバリバリ食べるので常温で保存がきき便利である。
水入れを用意する。水入れから飲まない個体もいるのでスポイトで飲ませる、水でふやかしたフードを与える、野菜や果物を与えるなど、脱水予防に常に留意する。

温度管理

飼育温度は20~32度程度が適温。バスキングスポットは32~35度程度。
16度以下になると活動・食欲がおちるので冬は注意する。(保温のし過ぎに注意)
温浴はほとんどの個体が嫌がりストレスになるので頻繁に行わない。
便秘の時や脱皮前後など限られた場合のみでよい。

出典

学習研究社刊行 学研の図鑑 「爬虫・両生類」1973年版カラー38ページ中段

別名・表記ゆれ


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