概要
別名トカゲ科(但し、日本爬虫両棲類学会ではトカゲ科を適切な名称としており、これを踏まえて学術・教育関係の文献・資料ではトカゲ科とするのが一般的である)。
カナヘビ科と並んで、典型的なトカゲ体型の種が多いが、四肢が退化傾向にある種、あるいは完全に欠いたヘビ型の種も存在する。
頭部のシルエットは二等辺三角形から正三角形で、吻の長さは中程度。やや扁平になる種が多い。眼は中程度の大きさだが、退化傾向にある種もいる。瞳孔は通常円いが、縦に細い種もいる。瞼を備えるが、瞼に透明鱗を持つため瞼を閉じても外界を視認できる種や、透明鱗が眼そのものを覆い、瞼を欠く種も少なくない。歯は側生で、円筒形を基本とするが臼歯状に変化したものを持つ種もいる。舌はやや幅寛く先端に切れ込みが入る。頸部の括れは通常目立たないが、頭部が肥大化する種は珍しくない。皮下骨は全身で発達する。体鱗は光沢のある瓦状鱗で、基本的には平滑だが、短隆条を備えるものも珍しくない。大腿部に鼠蹊孔はない。尾の長さは中程度(通常は全長の50~60%程度で、30%程度の種も存在する)。
原則として昼行性かつ地表棲だが、地中棲の種も多数存在し、樹上棲・半水棲・海浜棲の種も存在する。
(前述の瞼の構造は地中生活への適応とも考えられており、この形質が二次的に半水棲や海浜棲みでも有利に働いたという見解もある)
南極を除く全世界に分布し、アフリカ大陸からユーラシア大陸、及び島嶼部を含む東南アジアが主要な分布域だが、マダガスカルやオーストラリアなどにも珍奇な物が多数存在する。東アジアと北米から中米にかけては、特定の属が放散しており、南米に産するものはごく少ない。
下位分類
161属1700種以上が含まれる。これはトカゲ亜目全体の20%以上を占め、科としては最大である。
9亜科に分けられるが、それぞれの亜科を独立科として扱う場合もある。
・ダーツスキンク亜科(Acontiinae)
・ヒメトカゲ亜科(Ateuchosaurinae)
・イワトカゲ亜科(Egerniinae)
オオイワトカゲ、オマキトカゲ、オオアオジタトカゲ、マツカサトカゲ、アカメカブトトカゲなど
・カラタケトカゲ亜科(Eugongylinae)
・スベトカゲ亜科(Lygosominae)
・マブヤトカゲ亜科(Mabuinae)
オリーブダシア、タテスジマブヤ、チュウベイマブヤ、ニジマブヤなど
・ネコツメトカゲ亜科(Ristellinae)
・ミナミトカゲ亜科(Sphenomorphinae)
エンピツトカゲ、ミドリチトカゲ、サキシマスベトカゲ、インドトカゲ、ミュラートカゲ、オビミナミトカゲ、ブルックミズトカゲなど
トカゲ亜科(Scincinae)
オオアシカラカネトカゲ、アルジェリアトカゲ、テンセンスキンク、シナトカゲ、ニホントカゲ、キシノウエトカゲ、ヒレアシスキンク、スナトカゲ、スナチモグリなど