概要
典型的なトカゲ体型を有するトカゲの一群である。
頭部のシルエットは二等辺三角形で、吻はやや長い。眼は大きく、瞳孔は円い。殆どは瞼を備えるが、ごく一部の種で透明鱗が眼そのものを覆い、瞼を欠くものがいる。歯は側生で円筒形を基本とするが、臼歯状に変化したものもいる。舌は細く先端に切れ込みが入る。頸部の括れは明瞭である場合が多い。皮下骨は頭部を除いて発達しない。体鱗は顆粒鱗の種が多いが、瓦状鱗の種もいる。基本的には平滑だが、短隆条を備える場合もある(特に瓦状鱗を持つ種)。背面と側面、または背面と腹面とで体鱗の形状が異なる種が多い。四肢はよく発達し、大腿部に鼠蹊孔を備える。尾が長いものが多い(通常は全長の60~70%程度だが、80%以上が尾である種もいる)。
原則として昼行性かつ地表棲だが、崖や岩場、灌木周辺など足場が悪く立体活動が必要な場所に棲むものも少なくない(一方で、完全な樹上棲の種はごく少なく、地中棲・半水棲のものはいない)。
アフリカ大陸とユーラシア大陸西部(特にヨーロッパと西アジア)が分布の中心で、東アジアから東南アジアには特定の属のみが分布する。北米・中南米・マダガスカル・オーストラリア・南極には分布しない(移入種を除く)。
下位分類
45属370種以上が含まれる。
伝統的にカナヘビ亜科とコザネカナヘビ亜科の2亜科に分類されてきたが、カナヘビ亜科を更に分割して、3亜科とする場合もある。
・コザネカナヘビ亜科(Gallotinae)
グランカナリアカナヘビ、ゴライアスカナリアカナヘビ、オオスナバシリカナヘビなど
・カナヘビ亜科(Lacertinae)
アオノドキールカナヘビ、カッパドキアカナヘビ、ニワカナヘビ、ミドリカナヘビ、シクラカナヘビ、ニホンカナヘビ、アオカナヘビ、ホウセキカナヘビ、コモチカナヘビなど
・スナカナヘビ亜科(Eremiadinae)
・エジプトヘリユビカナヘビ、ヒョウモンスナカナヘビ、ミドリソバハラカナヘビ、アオスジカナヘビ、オマーンカナヘビなど