概要
『宝石の国』のフォスフォフィライトとシンシャの組み合わせ。
『宝石の国』は、フォスが金剛先生から博物誌の制作を任され、その為の協力を仰ぐべくシンシャと会うところから始まる。
明るく元気だが硬度三半で脆く役立たずのフォスと、硬度二ながら聡明で戦闘力は高いが毒を持つため孤立しているシンシャ。
自分の生まれ持った特性に悩まされている等の近い部分も持ちながら、性格や体の色など、様々な部分で対照的な2人であり、物語開始時点では会話したことすらもなかった。
始まり
当初フォスは、夜の見回りという無意味な仕事をするシンシャを自分の部下にしようと考えた。
しかしシンシャを探していたフォスはいきなり月人に襲われ、シンシャ本人に助けられる。フォスもまた、助けることはできなかったが毒液に塗れることにも構わず崖から転落したシンシャに手を伸ばした。
結果的に両者の低硬度の体が災いして互いに腕が割れ、フォスはシンシャの持つ毒液が身体に染み付いてしまう。
それでも戦いたくないと言いながら助けてくれたシンシャの姿は、フォスに強い印象を残した。
翌日もう一度シンシャと出会ったフォスは、自分の無価値さに絶望し「月に攫われるのを待っている」というシンシャの本音を知る。
フォスは思わず「夜の見回りよりずっと楽しくて 君にしかできない仕事を僕が必ず見つけて見せるから!月に行くなんていうなよ!」と宣言してしまう。
約束からその後
フォスは自分のした約束の困難さに当惑するが「でも絶対あいつがいなくなるのは嫌だ」と言う。
一方シンシャは、「夜から出たい 無理だ 信じてない」と気持ちを押しとどめようとするが、それでもフォスの残した博物誌の画板を拾い上げ、手元に置くことにした。
同い年のダイヤモンドにフォスの事を尋ねられたシンシャは「こちらの迷惑も考えず自分の思いを押し付けてくる」「大嫌い」などと捲し立てるが「フォスに告白でもされたの?」と返されて赤面する。
そして一人になった後、「嘘つきというのだけは もう少し待ってやってもいい」と毒液でフォスらしき姿を小さく象り呟くのだった。
一方フォスは王に「あのこに格好悪いとこ見せたくないんだろ」とからかわれる。
何だかんだでシンシャの仕事を探そうとするうち、何度もシンシャに助けられたフォスは「次は僕が助けるから」と言う。
そしてフォスは紆余曲折あって元の両手足と引き換えに強さを手に入れていくが、代償に記憶を失い、シンシャのことも一瞬とはいえ忘れそうになってしまう。
更にフォスは先生と月人との間になにかしら関係があることに気が付き、これを解き明かし、暴きたいと思うようになる。
フォスはシンシャに協力を求めるが断られ、シンシャはかつてフォスが言った「楽しい仕事」の約束のことを顔を赤くしながら伝える。
フォスはシンシャの協力は得られなかったが、「いつもそばで君の審判を聞かせて欲しい」「僕には絶対君が必要だ」と伝えた。
シンシャは「ただ組むだけなら別に…」と帰るフォスの後ろ姿を見ながら呟く。
そして
物語の進行に伴いフォスは内面・外面ともに大きく変化し、記憶も失っていく。
(フォスは身体のパーツを付け替える度、何らかの形で必ずシンシャと会っている)
そしてフォスとシンシャの関係も変化していく…。
補足
末っ子だったフォスに対して、シンシャはフォスより少し年上。
宝石達は基本的には皆同じ体形だが、途中からフォスの方が失った両手の補填の為に大量の合金を取り入れたことでシンシャより背が高くなる。
フォスがシンシャを名前で呼ぶのに対して、シンシャは「三半」「あいつ」などとしか呼んだことがなかった。
ある時を境に(他の宝石との会話の中などで)「フォスフォフィライト」と正式名称で呼ぶようになったが、フォス本人の前では未だに名前を呼んでいない。