概要
ナチスドイツの旗色が随分と悪くなった時期に立ち上げられた国民拳銃計画で生まれた民間用試作銃。VP45、独人民拳銃とも。
1944年前半、損失数が多くて不足気味だった拳銃の数を補うため、国民突撃隊向けの機械加工部品を最小限に抑えたシンプルな鋼鉄プレスを使用する安価で生産率が高い拳銃を求めるコンペを開いた。これが国民拳銃計画である。
そして参加者としてワルサー社、モーゼル社、グストロフヴェルケ社が名乗りを上げ、開発を開始したものの試作品が出来上がった段階で終戦してしまい、計画が頓挫し幻の品となってしまった。
しかし安価で多数の国民に拳銃を行き渡らせるという思想はHeckler&Koch社に受け継がれ、後にVP70となった。また同社のP7の構造はモーゼル社製のフォルクスピストルに似ていると言われている。
個別の特徴としては
- ワルサー社の物は、1911によく似た外見でベレッタPx4ストームのようなショートリコイルのロータリーバレルを採用したミルドスライド方式。
- モーゼル社の物は、自社が設計した国民突撃銃と同じディレードブローバック方式でナチスの主力拳銃だったP38に比べて作業時間が約30%原材料が約20%少なくて済む構造をしていた。またHScに似たストレートブローバック方式も別途で開発した。
- グストロフヴェルケ社の物は、かつて設計した9×19mm弾のシンプルブローバック式の7.65×21mmパラベラム弾用再設計品だった。
フィクションでの使用
ブルーアーカイブ - 治安最悪な複合学園都市キヴォトスで先生として生徒と共に問題を解決するアプリゲーム。生徒の鬼怒川カスミの使用する銃のモチーフとして登場。
性能
※性能が判明しているワルサー社の物のみ
全長 | 215mm |
---|---|
銃身長 | 128mm |
重量 | 1088g |
使用弾薬 | 9mmパラベラム弾(9×19mm) |
装弾数 | 8 |
口径 | 38口径 |
関連イラスト