解説
ライトノベル『魔術士オーフェン』シリーズのキャラクター。
《牙の塔》所属の黒魔術士であり、オーフェンが《塔》に在学していた頃に所属していたチャイルドマン教室の生徒の一人。
師のチャイルドマン・パウダーフィールドに倣い、黒髪を伸ばしている偉丈夫。チャイルドマンに比べ、四角顔。
自治都市・アーバンラマの豪商の子息であり、孤児の学生が多い《塔》では珍しいタイプ(作中の法律では、姓を持てるのは土地の所有者とその家族のみ)。
その性格は、合理主義で冷静沈着。
…のように見えるが、実はうわべを取り繕うのが上手いだけ。実際の所は感情の揺れが大きいロマンチストの小心者であり、それを表情に出さない技術を駆使しているに過ぎない。
教室では数少ない常識人であり、6人(と時にはチャイルドマン)が起こすトラブルに頭を悩ませている。
トラブルの最中は自分に被害が及ばないよう、しれっと傍観しているという強かな部分もあるが、尻ぬぐいはほとんどフォルテがしており、周囲からは「チャイルドマン以外で、唯一アザリーを止められる人物」と見られていた。
《塔》を出奔したオーフェン(キリランシェロ)に同盟反逆罪がかけられないよう、レティシャとともに彼を庇い続けたことからも、面倒見の良さが推し量れる。
そんなレティシャへは、好意を抱いてアプローチをかけ続けており、第1~2部本編中やプレオーフェンでは振られているシーンばかり描写されている。実際のところは“ついたり離れたり”を繰り返す関係だったらしい。
能力
《塔》の魔術士としては正統かつオールラウンダーな能力者であり、「ザ・ベスト」の異名を持つ。しかしながら、平均値と素行については劣るものの、特定の技術に長けた同世代のアザリーやレティシャに力負けしていた。
その分、6人よりも政治手腕に長けており、『はぐれ旅』第1部のときのアザリーからは、「数年のうちに《塔》の実権を握る」と評されていた。(事実、そうなった)
チャイルドマンからは、どんなに距離・時間があっても、大陸で起きたことを知覚できる魔術的情報網「ネットワーク」の管理を継承。
しかし、膨大な情報量を扱うネットワークを管理するにふさわしい冷静さに欠けている。
魔術発動の際の詠唱はチャイルドマンと同じ(「光よ」など)。
経歴
本編の5年前、オーフェンがキリランシェロとして《塔》にいた頃に、チャイルドマン教室の教室長を務めていた。
本編には、第1部第5巻より登場。
チャイルドマンが行方不明となっているため、役職はチャイルドマン教室の「教師代理 兼 教師補」。
チャイルドマンがそうしていたように《塔》の実権を握らんとする野心家であり、《塔》の上層部と対立している。
オーフェンの帰還によって敵対勢力の打倒に成功。入門を希望してきたオーフェンの弟子マジク・リンの師となるはずだったが、オーフェンが再び塔を去る際にマジクを諭して追い返している。
その後、第2部にて「ネットワーク」の掌握を企む最接近領の精神士ダミアン・ルーウによって精神を破壊され、植物人間状態に陥ってしまう。
第2部と第3部の間に当たる時期に復活し、職務に復帰。レティシャ・マクレディへの求婚に成功し、長男マヨール・マクレディ、長女ベイジット・パッキンガムをもうける。《塔》の魔術士に結婚制度はないので、フォルテもレティシャも姓は変えていない。
新シリーズでは《塔》の教師となり、実質的に《塔》を支配している。
またキエサルヒマ魔術士同盟(旧・大陸魔術士同盟)の議員を務めており、弟弟子のハーティアが代表を務めるトトカンタ魔術士同盟との対立を演出することで、《塔》執行部の意思決定を掌握している。
関連タグ
レティシャ・マクレディ(同僚、恋人、配偶者にして最も苦手なもの)
ハーティア(補佐役の後輩。優れた連携相手)
コミクロン(恋のライバルだった)