概要
作者:はぐれメタボ
【HJ小説大賞2021前期】受賞。
正式名称は「ブチ切れ令嬢は報復を誓いました。〜魔導書の力で祖国を叩き潰します〜」。
HJノベルスより発売中。またコミックファイアにて、おおのいも先生によるコミカライズも連載中。
ストーリー
プロローグ
- 文庫本:1巻
- 漫画:1巻
- WEB小説:亡命編・雌伏編・帝都編・小国編・躍進編
公爵令嬢、エリザベートは物心ついた時から未来の国母として努力して来た。
婚約者である王子のミスをフォローし、父である公爵の仕事を手伝い、義父となる国王を陰から支えて来た。
そんなある日、父や国王が不在の折、何を思ったか王子はエリザベートに婚約破棄を告げた。おまけに体面を気にした父親によって冤罪を着せられてしまい、国民からも悪人のレッテルを貼られてしまう。
そして、長年の不満からついにブチ切れたエリザベートはずっと隠していた本当の力【七つの魔導書】を手に祖国への報復を誓うのだった。
第2部
- 文庫本:2巻
- 漫画:
- WEB小説:躍進編・迷宮編
第3部
- 文庫本:3巻
- 漫画:1巻
- WEB小説:金貨編・教会編・日常編・祝祭編・大戦編・アリス編?
キャラクター
ハルドリア王国
本編の主人公。
上記の出来事から王国に報復を誓う。
またこの出来事からか復讐者にありがちな敵に対して非常に情け容赦ない人物になっている。
ミレイ
エリザベートの腹心。メイド。
家が没落し、後は奴隷か物乞いか、と言う状況でエリザベートに救われた経緯があり、敬愛している。王国を嫌い、エリザベートと一緒に王国から亡命している。
毒舌。
エリザベートの婚約者。ハルドリア王国の王太子。努力嫌いのどうしようもない馬鹿でシルビアにも内心で呆れられている。
シルビア・ロックイート
ロックイート男爵家の令嬢。庶子であり、最近になって男爵家に引き取られた少女。
年齢はフリードの1つ下で、男性との距離感が近く、貴族令嬢達からは煙たがられていたが、その歯に衣着せぬ言動が新鮮に映るのか多くの貴族子息が彼女の虜となっていた。
ロベルト・アーティ
騎士団長の子息。フリードの近衛騎士。代々、近衛騎士を輩出する名門アーティ伯爵家の嫡男。
騎士としての英才教育を受けており、同年代ではエリザベートに次ぐ実力者。常に自分の上にいたエリザベートに嫉妬心や劣等感を抱いていた。
サージャス王国と帝国との戦争では、フリードへの不信感から帝国側に内通し、その後エリザベートによって部下の兵士達を全滅させられた。
その際、エリーからは「主君の愚行を止められず、挙げ句に主君を裏切り敵に内通する」という行為を指して「騎士モドキ」と断罪された。
さらに、エリーの神器【色欲の魔導書】によって催眠をかけられた結果、ハルドリアに帰還した後、母と妹、使用人、騎士・兵士、王都の市民などを剣で斬りつけ、100人以上の犠牲者を出す大量殺人を引き起こした。
慣れない戦場の過酷さに耐えきれなかった故の精神障害ということにされ、A級殺人の罪で処刑された。
この大事件はエリーにとっては王国に対する「反撃の狼煙」であり、後世では「ハルドリア王国滅亡の始まり」と言われている。
◇神器【騎士の証(クレスト・オブ・ナイツ)】
エリーの「翼を持つ物」によって破壊されたため、剣の形をしていること以外は詳細不明。
エリーからは「騎士モドキに【騎士の証】とは過ぎた名」だと酷評されている。
アーネスト・アーティ
近衛騎士団長。若い頃から国王ブラートと共に戦場を渡り歩いた猛者。
アーネスト卿と呼ばれている。
エリーに催眠をかけられた息子ロベルトによって、家族や使用人達を殺害される。
ロベルトによる大量殺人は本来ならば連座が適用されるほどの重罪だったが、アーネストの長年の忠義・功績により、近衛騎士団長からの解任、男爵への降格、辺境の砦への異動となった。
しかし、ロベルトの処刑と同時期に見張りの兵士を昏倒させ自害し、アーティ伯爵家は断絶した。
ブラート・ハルドリア
ハルドリア王国国王。雷魔法の使い手。
かつて戦場で《雷神》と呼ばれ、恐れられた武人。
脳筋ではあるものの、それを自覚しており、臣下の意見に耳を傾ける度量はある。
普段から王太子のフォローや面倒事を優秀なエリザベートに丸投げしており、婚約破棄の一報を受けても動かなかったことでエリザベートから見限られた。
自分と同じ雷魔法の資質を持つ息子には甘く、婚約破棄騒動を始めとした数々の失態を受けてなお、傀儡とはいえ王位に就けるつもりでいる。
◇神器【雷神の剣(グラザー・ミューチェ)】
身体能力を向上させ、雷魔法の強化や雷高位魔法の無詠唱行使が可能な上、奥義として雷精化(雷そのものになること)を使うことで、雷の速度で戦場を移動し雷撃の拳を振るうことができる。エリーにとっては、この神器こそがハルドリア王国を相手取ることを厄介たらしめている。
ジーク・レイストン
ハルドリア王国の宰相を務める公爵。何よりも王家を優先しており、頑固で柔軟性の無い愚直な男である。王家の体面の為に娘に国家反逆罪の濡れ衣を着せた事で彼女が国を出る原因となってしまう。
彩暁(アデル)・ハルドリア
ハルドリア王国第一王女。王太子フリードの異母妹。生母ギョクリョウは南大陸レキ帝国の帝室出身。
黒髪、緑の瞳、彫りの深い顔立ちという、混血特有の容姿をしている。
母の出身レキ帝国に留学しており、そのままレキ帝国の高位貴族に嫁入りする予定だったが、異母兄フリードの失態により呼び戻され、王位継承候補として王太子と同等の権限を与えられる。
政務能力があるだけでなく、民を想う心と、国のために悪を成す冷酷さを持ち合わせている。
内心では兄や父を見限っており、自身が女王として即位する王位簒奪計画を進めている。
留学前は兄の婚約者エリザベートと親交があり、「エリザベート姉様」と呼んでいる。
後にハルドリア王国「最後の女王」となる。
◇神器【風華(フェイ・ファ)】
花と風の文様の美しい羽織。竜種である海竜(シードレイク)を倒すほどの強力な風魔法を自在に操る。
玉涼(ギョクリョウ)
国王ブラートの第二妃。アデルの生母。
艶やかな長い黒髪に黒い瞳を持つ麗人。
正妃(フリードの生母)亡き今はハルドリア王国で最も高貴な女性。
南大陸を支配する礫帝国出身で、皇帝の従妹。
妃には最後の砦として王の命を守ることが求められるため、並の兵士より強い。
猫蘭(マオラン)
アデルの侍女。黒髪黒目。アデルより少し年上。自由奔放なアデルに振り回されている苦労人。
ロゼリア・ファドガル
ファドガル公爵令嬢。王太子フリードの元婚約者候補。
学生時代はエリザベートをライバル視し、王太子妃になるべく張り合っていた。
フリードの婚約者が正式にエリザベートに決まったあと、婚約者候補だった労いとして王家の仲介により、ランブレスト辺境伯の後継ブレナンとの婚約が成立する。
婚約者との関係は良好で、辺境伯領で穏やかに暮らしていたが、エリザベートの出奔による国政の停滞・混乱を憂慮した国王により、『特例王太子補佐官』に任命され国政に携わるようになる。
実家のファドガル公爵家は軍部を統括する名門で、婚家の辺境伯家も軍閥派である。
サージャス王国の帝国への併合以後、エリーによるプロパガンダや離反工作に苦労している。
軍閥トップの家の娘が王宮内で要職に就いたことで軍部の過激派の動きが活発になり、常に軍の動向に目を光らせなければならず、政務においても軍閥派である実家の立場上見送らなければならない政策がある等、自身の限界を感じている。
王女アデルが帰国して以降は彼女の臣下となり、彼女同様、内心では国王ブラートを見限り、アデルの王位簒奪計画に協力している。
エリーと取引を交わし、「ハルドリアの民に手出ししない」ことを条件に対ブラート用の切り札となりうる『雷龍の角』を渡している。
火魔法の使い手で、Aランク冒険者《泥のシスティア》に勝利する程の実力者。
ユーティア帝国
ルーカスの祖国。まだ建国から100年程と言う若い国ではあるが、周辺諸国を属国として傘下に収めながら瞬く間に勢力を拡大して行った強国である。
ゴドウィン・ユーティア
ユーティア帝国皇帝。
臣民からは統率力と決断力を持つ偉大な皇帝だと思われているが、実際は気が小さく繊細な性格。
評議員の薬師ユウカ・クスノキに頼み込んで胃薬を作ってもらっており、エリーの亡命以後は欠かせなくなっている。
自身は父親から受け継いだ国を可もなく不可もなく治める凡百な皇帝でいるつもりだったが、攻めてきた他国を撃退したり、魔物に襲われ自国から見捨てられた田舎の村を保護したりしているうちに、一代で版図を大きく広げる結果になってしまった。
アーネスト・ユーティア
帝国皇太子。
マティアス・ロードストス
帝国騎士団総長。
帝国最強の騎士であり、かつて《雷神》ブラートと互角に切り結び、皇帝直々に《剣帝》の字を下賜された国の英雄。
Sランク冒険者相当の強さを持つと推測されている。
子爵。大使として隣国であるハルドリア王国へ派遣されていた。
帝国商業ギルド評議会評議員
帝国の経済界に君臨する七人の大商人。その影響力は下手な貴族を凌駕する。
《先見伯》アルバート・グイード伯爵
評議員の一人で評議会議長も務める。
帝国商業ギルドグランドマスター。
種族はドラゴニュート。
自領には大きな港を持ち、先物取引や他国との貿易で利益を生み出している。
《教育者》セドリック・ルーインス
宮廷にも数多くの人材を提供している奴隷商。
奴隷達に教育を施し付加価値をつけてブランド化している。
《銀蝶》ヒルデ・カラード
一介の娼婦から歓楽街の支配者にまで登りつめた女傑。
薄いナイトドレスを着た妖艶な魔族で、側頭部から生えた角がティアラのように伸びている。
コーバット侯爵領にある帝国一の歓楽街ケレバンの実質的な支配者。
◇神器【泡沫の蝶(ペタルダ)】
《頭目》ダルク・ホーキンス
表向きは貴族や大商人を相手にする金融屋だが、裏では賭博場の経営や、盗品、規制品などのグレーな品物を扱うブラックマーケットを支配する裏社会の大物。
社会的には悪人だが、彼が裏社会で睨みを利かせいる結果、帝国内の麻薬や人身売買などの犯罪が他国に比べて少ないため、必要悪として黙認されている。
《千里眼》ロットン・フライウォーク
帝国だけでなく他国にも支店を持つ宿屋の元締め。系列の店を含めれば1000店舗以上の宿屋の頂点に立っている。
広い情報網を持っている。
種族はエルフ。
リークという幼馴染が右腕を務めている。
サージャスと帝国との戦争や帝都の市民を襲ったキングポイズンスライム騒動を裏で操っていた黒幕と繋がりがあったが、男の配下ナナフシによって、リーク共々殺害された。
《漆黒》ユウカ・クスノキ
帝国最高の薬師でAランク冒険者。普段は店を弟子に任せ、冒険者として活動していることが多い。
評議会での決め事には関与したがらない。
エリーと意気投合し、のちに友人となる。
黒髪黒目に小柄な体格。
東の島国・日ノ本列島王国の出身で、実家のクスノキ家は王臣二十一家(王家の傍流)アマギ家の分家の一つ。兄と二人の姉がいる。
容姿や武器、薬師という共通点から、作者のweb連載での別作品「薬師のユウさん、大斧担いで自由に生きる」の主人公ユウのスターシステムキャラだと思われる。
◇神器【終結の戦斧(ピリオド)】
黒地に金銀赤の線が走る柄に、全ての光を吸い込む様な漆黒の刃の戦斧。
《神工》ガイエン・ドラファン
帝国一の鍛冶師で、打った剣は屋敷が建つ程の値段がつけられる。種族はドワーフ。
職人肌で、細かいことを嫌う性格。ユウカ同様、評議会での決め事には関与したがらない。
自身の師匠が精神的弱さから責任に耐えきれず自殺した経緯から、武器職人は製作した武器が引き起こす結果に対して覚悟を持つべきという考えを持つ。
ヘパイト侯爵の義弟。カガリという娘がおり、武器職人となることに反対していたが、火の大精霊の一件を機に故郷を出てミリスタを拠点とすることを薦め、エリーの対ブラート王のための武器の製作者として推薦する。
帝国商業ギルド
カルバン・マイン
帝都の商業ギルドのギルドマスター。
グランドマスターであるグイード伯爵の右腕と言われている魔族の男。
偽金事件の解決に尽力した功績で帝国から帝国名誉騎士勲章を授与された。
冒険者
『鋭き切先』
女性のみで構成されるAランク冒険者パーティ。帝都にあるパーティハウスを借りて共同生活をしている。メンバー全員が高ランク冒険者で、見習いマルティですらCランク。
エルザ・アーチフィールド(Aランク)
リーダー兼剣士。帝国の属国出身。女性にしては背が高く、腰まで伸びた赤い髪を一つにまとめている美人。
『異名持ち』で、数々の死線を潜り抜けたことから《不死鳥のエルザ》と呼ばれている。
◇神器【不死鳥の剣(フェニーチェ・スパーダ)】
紅い炎の翼が刻印された長剣。通常時は身体能力を上げるというオーソドックスなものだが、エルザが傷つき窮地に陥るほど刀身がより鋭く強靭になる。
サナ(Aランク)
盾士。
シシリー(Aランク)
軽戦士兼弓士。
リサ(Bランク)
治癒魔法師。レブリック子爵領内の村出身。
マルティ(Cランク)
斥候(見習い)。狐人族。10歳から冒険者ギルドに登録しており、ギルドの受付嬢サラサに可愛がられている。
イブリス教
西大陸と中央大陸の大部分、北大陸の一部で信仰されている宗教。
幹部は階級によって材質や文様が異なる聖印を所持している。(※聖銀:枢機卿、金:大司教)
現在の教皇は、ティーダの修道院時代の同期で、そのことからおそらく女性である。
帝国内では司法権の一部を担っている。
多くの国で捜査権を持つ聖騎士団が存在している。
第二聖騎士団:魔物専門
第四聖騎士団:犯罪者の取り締まり
第九聖騎士団:神の意に反する背信者の討伐
ドンドル
イブリス教の大司教。大司教の証である、金製の聖印を所持している。各地の神殿や聖地を巡り、その地の聖職者と総本山の橋渡しをする巡回司教。中央大陸におけるイブリス教の総責任者。回復魔法ではなく、政治的手腕でのし上がった。
ハルドリア王国フリード王太子が帝国金貨の信用を失墜させるべく偽金貨を鋳造する際、資金提供していた。
誘拐や殺人にも手を染めており、誘拐してきた子供の魔力を限界まで抜き取って殺し、抜き取った魔力を使い古代の禁術で富裕層の怪我を治療することで、多額の報酬を受け取り私腹を肥やしていた。
枢機卿であるティーダによって、犯行を暴かれ大司教の地位を剥奪された。