お前、知りたいんだってなぁ……?
このセリフが出たのは、仮面ライダー55537話「カイザの正義」。
この時、草加は乾巧こそが自分たち流星塾の同窓会の時に自分たちの命を奪った張本人と誤解していた。
また、巧はいずれ自分がオルフェノクの力に飲み込まれて人間を襲ってしまうことを恐れており、いっそこのまま死んで楽になりたいと木場勇治に語っていた。
そのやり取りを聞いた草加は、夜に巧を呼び出す。
草加「お前、死にたいんだってなぁ……?俺は木場とは違う……望み通りにしてやる!」
最後に叫びながら草加はカイザフォンでカイザに変身、巧をぶん殴り……。
「この……化け物がぁ!!」
ネタはシリアスな本編とは違う……
このシーンは、本来敵の怪人枠のオルフェノクであるはずの木場が「できない」と巧の願いを拒絶し、逆に仲間であるはずの2号ライダーの草加が巧を殺しにかかるという対比がなされており、草加のこれまで溜めていた憎しみが爆発したこと、絶望状態になっていたこともあって巧が一切無抵抗だったこともあって、555のシリアスシーンの中でもかなりの名シーンとしても名高い。
はずなのだが……
そう、実はこのシーンは、とある理由からめちゃくちゃネタシーンにされてしまっている。
- 1.めっちゃモタモタしてる
このセリフを言ってから、草加は収納ケースからカイザドライバーとカイザフォンを取り出すのだが、なぜかこの時の草加(演者の村上幸平氏)の動きがやたらともたついてしまっているのである。
具体的には収納ケースのロックを開けるときとドライバーらを取り出す時の動きがもたついているのだが、これのせいでファンの間では「もたもた草加」の愛称で知られることになってしまったのだ(なぜかドライバーよりも先にフォンを取り出していたり、「じゃ……死んでもらおうかな」と言った30話では既にドライバーを装着していたのも原因か)。
また、このセリフを言った後には挿入歌の「EGO〜eyesglazingover」が勢いよく流れ出すせいで、視聴者のさらなる笑いを誘ってしまっており、おかげでEGOが「望み通りにしてやる時のテーマ」などと言われネタにされてしまっている。
視聴者間でも「『お前、死にたいんだってな』でケース開け始めて「俺は木場とは違う」で開けて「望み通りにしてやる!」でベルトを装着だったらここまで伝説になってない」「たっくんがぼっ立ちで待ってくれてるのも面白い」「ベルトがどこからともなく現れる訳ではないからこそ生まれた迷シーン」などとネタにされてしまっている。
- 931、鳴らないコンプリート
ドライバーを装着した草加はいつものように913とコードを入れて変身するのだが、この時の変身コードを入力する際のカイザフォンの効果音が1と3の順番が入れ替わってしまっている。本来は「ピ↓ピ↑ピ↑↑」と徐々に高くなる筈なのだが「ピ↓ピ↑↑ピ↑」と真ん中の音が一番高くなってしまっており、もし本当にこの音声通りに入力しているとすれば913→カイザではなく931→クサイ、ギリシャ文字でいうならΞ(クスィー)と入力してしまっている事になる。フォンを倒した時の「Complete」のも省かれている上、(予め装着しておいても良かったにもかかわらず)台詞を言ってから上記のようにカイザギアのボックスを開けてギアを取り出し装着するという手間のかかる変身手順もフルできっちり描写している為、余計にこのミスが目立ってしまっている。
これらのネタのせいで、ついにはこんなMADが作られる始末である。
なお、現在では「もたもた草加」と言ったらほぼ確定でこの動画を指すことが多い。
余談通りにしてやる!
CSMカイザフォン発売時の村上氏へのマイナビインタビューによれば、このセリフは元々は村上氏のアドリブらしい。
村上氏曰く、元々のセリフは「手加減はしない」だったらしいのだが、村上氏が直接談判したことでこのセリフに変わったんだとか。
ちなみに「この……化け物がぁ!!」も後から追加したものである。
「手加減はしない」というセリフは、おそらく草加は自身の感情を抑え、自分の立場に従って正式に巧を処刑したいという考えがあったのだと思われる。
だが村上氏が提案したことで「望み通りにしてやる」と感情剥き出しにしたせいで結果としてちまちまベルトで変身する迷シーンと化したのは皮肉であろう。
この……関連タグがぁ!!
???・とあるアニメの登場人物。終盤のとある回にて、主人公を化け物呼ばわり(厳密にはこの呼び方だが)したり、また(望み通りにしてやる!とは言ってはいないが)一部の動きが妙にもたもたしてたりと、このシーンに近い何かが起こってしまっている。