概要
「週刊少年サンデー」で2005年15号より2007年27号まで連載された。
今のところ、漫画大国日本のマンガ史においても唯一となる
「男性作家が少年週間漫画誌で連載した、男子選手を主人公とした長編フィギュアスケート漫画」
となっている。
男子シングル競技と平行して、ペア競技を扱っていることでも非常に希少な作品である。
アレクセイ・ヤグディンの演技に魅せられ、フィギュアスケートに夢中になった鈴木央が、急遽連載を決めた。
曰く「ヤグディンがいなければこの作品はなかった」とのこと。
連載開始がちょうどトリノ五輪を控え、日本でも女子シングル競技のスター選手たちが急激に注目を集め始めた時期と重なっており、なかなかの人気連載となった。
作者の画風の特徴である、少年漫画らしい熱さと少女漫画っぽい繊細さが題材にマッチしており、本格的なフィギュアスケート漫画としても現在も人気が高い。
スケートインストラクターの無良隆志(無良崇人の父親にあたる)が取材協力に当たっており、ジャンプの種類、技などが詳しく且つわかりやすく書かれているため、フィギュアスケートの入門書としても読むことができる(4巻以降)。これについては元フィギュアスケーターの八木沼純子も絶賛しており、作者との対談も行われている。
ただし本作の連載当時と現在では、採点方式やルールなどがまったく異なることは念頭に置かなければならない。
余談
後書きにおいて、好きな選手として上述のヤグディンのほか、ブライアン・ジュベール、キム・ヨナ、村主章枝の名を挙げている。
また2007年当時の注目の若手として、織田信成、小塚崇彦の名を上げている。
物語
親に無視され続けて育ったために、目立つことを生きがいとする北里吹雪。だが、何をしても両親の目を引くことは出来ず、ケンカに明け暮れるばかりの悶々とした日々を送る。そんな中で偶然にフィギュアスケートに出会い、いきなり四回転半のジャンプを跳んでしまう。観衆の注目を一身に浴びた吹雪は、フィギュアスケートの魅力に取り憑かれる。
登場人物
北里吹雪
本作の主人公。中学1年生。特待生。3人の優秀な兄を持つために、全く親から関心を向けられずに育つ。そのため、大変な目立ちたがり屋。100勝無敗を誇る程のケンカの腕前だったが、周囲からは不良扱いされていた。フィギュアスケートに出会った時期は遅まきながら、生来の運動能力と並外れた努力で、次第にその才能を開花させていく。
阿波花音
中学1年生。吹雪の親友。超一流となれるほどの才能を持つバレエダンサーだったが、「自分なりの究極のボレロ」を表現するため、フィギュアスケートに転向する。趣味は読書で、女の子のような外見をしている。バレエで培った表現力と、柔らかい体を生かしたスピンが武器。
白原六花
中学1年生。特待生。スパイラルシークエンスが得意。白帝FSCを経営する、白帝グループのオーナーの一人娘。シングルでの成績不振を理由にペアに転向させられる。パートナーは北里吹雪。片付けが下手で、物事に少々無頓着な面がある。
五反田正
学2年生。特待生。得意技は三回転フリップ。福島の氷山FSCに所属していたが、白帝FSCの特待生試験に見事合格して上京。白帝FSCのレベルの高さに自信を喪失し、一時期は福島に帰ろうとしていた。驚くと鼻水が止まらない体質。