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ベッコウイモガイ

べっこういもがい

ベッコウイモガイ(学名:Conus fulmen Reeve, 1843)は主に日本周辺の暖流の影響がある海域に生息するイモガイの一種。日本では房総半島南部~沖縄までに見られ、日本国外だと台湾、フィリピン、ベトナムで確認されているが、日本よりも生息頻度が少ない。
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形態編集

貝殻の大きさは成貝で5~7㎝程度でイモガイの中では中型となる。形はイモガイらしい芋型で殻口(貝殻の入り口)は狭い。


貝殻は黒褐色の叢雲模様(稲妻模様とも)をもち、生きているときには赤褐色の殻皮(かくひ)という皮が付着している。より深い場所に棲み、模様が無く、地色のみの貝はキラベッコウイモ(学名:Conus fulmen kirai (Kuroda,1956))と呼ばれる。


軟体部(中身)はオレンジに近い色で、5mm弱程の小さい蓋をもつ(サザエ等のように入り口を隠しきれない)。


生態編集

潮間帯~水深50m前後の岩礁や礫底に溜まる砂地等に生息する。


餌は主にハゼ類等の小魚で、砂などに潜って待ち伏せ、獲物に吻(毒針を発射する銃身の役割をもつ触手状の器官)を忍ばせて、イモガイ類の特徴である矢型の歯舌(一般的に言うと毒針)を発射して獲物を仕留める、捕鯨式の狩りを行う。

歯舌は釣り針の先端と似たような構造となっており、獲物に刺さると抜けにくくなっている。


日本では千葉県館山市近辺、神奈川県三浦半島、静岡県伊豆半島および御前崎周辺、和歌山県等で多く報告されているが、千葉県などでは近年著しい減少傾向から絶滅危惧種I類、最重要保護生物に指定されている。


毒性編集

ベッコウイモガイの毒は魚に効く脊椎動物特効型であるが、人間に対してはそれほど効果はなく、餌を狙っているときに手を割り込ませない限りは刺されることは少ないと言われている。(有名な猛毒種アンボイナは毒が強い上に捕まえたりすると前述の吻を振り回して正当防衛射撃してくるので超危険)


刺されて死んだ人はいないとはいえ、刺された被害例などでは「蜂に刺されたような痛みと腫れ」とあるので、海辺やダイビングで見かけても、何かの間違いで刺されないためにはやはり触れないのが無難である。


余談:テレビ番組での扱い編集

ベッコウイモガイはイモガイの中でも日本でよく見られ、さらに皆さんがイメージする「最もイモガイらしい狩り方」を実演してくれるので、危険生物の特番でよく登場する。


しかし、


テレビで紹介されるときはだいたい「アンボイナ」として出演する。


これは、ここ最近のテレビ番組製作会社が殺人貝としてのアンボイナの有名性から視聴者受けを狙い、全てのイモガイ=アンボイナと強引に決めつけ、更には専門家などに種の確認をとらずに放送した結果招かれた、人違いならぬ貝違いである。

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