概要
短期・長年問わず連れ添ったペットを病気や事故等で喪った飼い主が陥るもので、ペットに惜しみない愛情を注いできた反動で来る悲しみをさす。
ペットの死のショックは動物を飼った事がある人は必ず通る道であり、ペットとして一般的である犬猫が人間より短命(おおよそ10~12年)である事を、一緒に暮らしている内は忘却の彼方にある場合がほとんどであり、来るべき日が来た時に深い愛情を注ぎ幸福に過ごした日々の反動で心を痛めてしまうケースが殆どである。中にはペットの死が間近になった時から発症する事もある。
ショックのあまりに体調不良・食欲不信・情緒不安定などを起こす事も多いが基本は一過性とされる。
ただし、あまりに長期的になると心の病として扱われる。(後述)
反動の強さ
これも個人差であり様々な要因が関わってくる為一概には言えないが、例えには「親の死よりも辛かった」「子供を失ったような辛さ」といった思いを吐露する人もいる。
基本的にペットというものは懐くことはあっても親と違って何かを与えてくれるわけではなく、無償の愛なくして生きていけない存在である。それゆえ飼い主は親の死より辛く、子を失うような激しいショックに襲われるようだ。
特に人間と同じ哺乳類で感情表現がわかりやすい犬猫や鳥類の飼育者では発症しやすく、入院などにより最期を看取ってあげられなかった場合は、余計に心の傷が深くなる。
入院中のストレス死などもあるので、可能であれば翌日に引き取って何日かの通院を行うなど、ペットのストレスや死後の自分のショックも軽減できるよう気をつけよう。
かなり甘えたがりなペットの場合、入院ストレスで孤独死させてしまったという後悔をするケースもあるので要注意である。
ペットの視点で見れば夜中にわけわからんところへ連れられて2日間以上も野宿する感覚を、病気で弱っているときに体験させると考えればまあ尚更ではある。
飼うと決めた以上、自分のペットの終活(入院時にはどうするか、お金はどこまで使えるか、遠くの病院へ預ける場合はどうするか)まで事前に考えておくと、いざというとき判断を誤らずに済むかもしれない。
海外では遠くへの通院にカバンから犬が顔を出している光景もあるがここは日本なので・・・。
ペットロス症候群
体調不良が長期化する他に中には「うつ病」「長期に渡っての喪失感」まで引き起こす為、長期に渡ってペットロスが起きている場合の健康不良を「ペットロス症候群」と言い、専門のカウンセリングを受ける必要もある。
対処
個人差があるものの、立ち直るには平均で10ヶ月かかるとされる。しかし、ペットロスは日本では比較的最近になって扱われだしたものである為、中々浸透していない・理解がされていないのが現状である。
その為、ペットロスの人に対する無理解なアドバイスで余計な刺激を与えるので注意が必要。
ただし、現在では日本の精神科・心療内科の分野でもペットロスならびにペットロス症候群への取り組みが徐々に浸透しつつある。
ペットロスそのものは個人の時間に任せるしかないが。
一番大事なのは生きていた頃と変わらぬ惜しみない愛情を持って惜しみなく供養し続ける事である。きちんと葬儀や火葬・埋葬をする事である。また、特に男性の場合がペットロスで苦しむ事が高く、男が泣くことは恥ずかしいという風潮が未だにある為に心の中に無理矢理にしまいこみがちであるが、旅立ったペットの為に素直に泣く事は何も恥ずかしい事でもないのである。逆に泣くのが心の回復にも繋がるという。
このpixivにおいてもペットを失った悲しみと共に思い出を綴る人も少なからずいる。
死後の形見
遺灰や遺骨に限らず、ペットの毛を切り取ったり、DNAを保管するなどの方法で形見とする家庭もある。自治体によっては生ごみと一緒に焼却処分で済ませる地域もあるが、何年も一緒に生きてきた身としては遺品を用意して手を合わせることでペットを弔い、少しでも悲しみを和らげたいところだろう。ちなみにDNAの保管を希望する場合、火葬後の遺骨などではDNAの損傷が激しいので火葬前にいろいろと調べた方が良い。
余談
飼い猫が主人の飼ってるハムスターが死んでしまった際は元気をなくし獣医から「ペットがペットロス」なる診断をされた例がある。
関連タグ
虹の橋 - ペットロスに陥った人達の間で広まりつつある詩。
臨死体験・お迎え現象 - 亡くなったペットと再会したと捉えられる体験談がある為、ペットロス体験者の心の拠り所になる場合も少なくない。