ペットにまつわる「虹の橋」の内容
天国のちょっと手前に
虹の橋と呼ばれる場所があります。
この世界で誰かと特に親しかった動物は死を迎えると、虹の橋に行くのです。
そこには親しかった彼らのために用意された草地や丘があり、
動物たちは一緒に走ったり遊んだりできるのです。
豊富な食べ物に水、お日様の光があり、
動物たちは暖かく心地よく過ごします。
病にかかったり年老いた動物たちは皆、健康になって元気になります。
傷ついたり不自由な体になった動物たちも、また元通りになって力強くなります。
まるで、過ぎ去った日々の夢のように。
動物たちは幸せで充実していますが、一つだけ小さな不満があります。
みんな、とても特別な誰かと、残してきた誰かと会えなくて寂しいのです。
彼らは一緒に走ったり遊んだりしています。
しかし、
ある日、一匹が突然立ち止まり、遠くを見つめます。
その瞳はきらきらと輝き、
身体はしきりに震え出します。
突然、彼は群れから離れ、緑の草を速く、速く飛び越えて行きます。
彼はあなたを見つけたのです。
そして、ついにあなたとあなたの特別な友だちが出会うと、再会の喜びにあなたは抱き合います。
そして二度と離れることはありません。
幸福のキスがあなたの顔に降り注ぎます。
あなたは両手で再び最愛の友の頭をなで回します。
そして、あなたは信頼にあふれる友の眼をもう一度覗き込みます。
その瞳は、長い間あなたの人生から失われていたものですが、心から決して消え去りはしなかったものです。
それから、あなたは虹の橋を一緒に渡って行くのです。
解説
主にペットロスになった飼い主達の間で海外を中心に日本にも伝わった詩である。
犬や猫等の動物に愛情を捧げて生活を共にした人々がそれを失った悲しみから少しでも立ち直るきっかけとなっているという。
なお、この虹の橋の話そのものはいかなる宗教にも存在しないが、動物に愛を捧げた人達の遠い未来への希望、動物への供養の詩といえる。
また、この詩には続きがあるパターンもあり「孤独に死んだ者はこの虹の橋で同じく飼い主もいないまま死んだ動物と出会い一緒に虹の橋を渡る」といったものもある。
作者について
この詩の作者は長い間不明とされており、自身が作者だと名乗り出たものは数名いたものの確固たる証拠がなく、特定には至らなかった。
しかしアメリカの美術史家、ポール・コウドゥナリスの調査によってスコットランド在住の動物愛護家エドナ・クライン・リキーという82歳の女性が少女時代に書いたものであることが判明した。
エドナ氏は19歳の時に愛犬を失い、深い悲しみに落ちていた中、「ペットの死についてに何か書き留めなければならない」と考え、ノートに書き留めたものだったのだという。
その後、原案が書かれたノートはずっとしまわれていたがエドナ氏が結婚した際、夫のジャック氏に見せたところ、感動したジャック氏は出版すべきだと進言し、友人と共有ができる数の詩のコピーをタイピングして製作したが、そこに自分の名前は書かなかった。
そして1990年初頭になってアメリカの動物愛護グループによって共有され、1994年に動物愛協会のニュースレターに掲載されたその言葉を見たある読者がアメリカ最高発行部数を誇る新聞の中の「Dear Abby(親愛なるアビー)」というコラムに「虹の詩」の詩を紹介した。
それは圧倒的な反響を呼び、感動したペットの飼い主からの手紙が山ほど届く結果になったという。
エドナ氏は自分が書いた詩がここまで反響を呼び、多くの人の心を救っていることはごく最近まで知らなかったという。
類似性があると思われるもの
この項目における虹の橋そのものの話はいかなる宗教には存在しないと先述したが、仏教の宗派である浄土真宗では本尊である阿弥陀如来の力である「この世のあらゆる生き物を「他力本願」によって往生させる」という教義がある。
また、「死んだ後に元通りになる」箇所は一例として仏教における四十九日目には薬師如来が死者の魂の生前患った病や怪我を治すという法話と似ている為、この虹の橋の詩は様々な宗教の死後の救済の法話が元になっているとも推測できる。
再会の実現?
一部の心霊体験や臨死体験やお迎え現象の中には、亡くなったペットを見たという報告がある。
これらの現象は、科学的根拠こそないものの、霊魂や死後の世界が存在する証拠だと考える人々は非常に多い。
その為、これらの現象を心の拠り所として慰められる人も少なくない。
関連タグ
文字通りの「虹の橋」
レインボーロード:『マリオカート』シリーズにおける虹の橋(というか道)