概要
「マダムピクチャー」の略。
1980年代に流行し、40歳以上の年配女性に多く見られる古い絵柄を指す。「マダピク」はネットスラングではあるがあくまで「古い絵柄」を指す言葉であり、「マダピク」という言葉自体に古い絵柄を貶す意味は無い。
それまで主に使われていた「オヴァ絵」(=「センスがオバサン臭い絵柄」)は、古い絵柄を貶す意味が含まれてしまうため、マイナスイメージを払拭すべく「オヴァ絵」の代替語として考案された。
男女問わない「化石」という言い回しもある。
マダピクの基準?
作者の年齢や精神状態に関係なく、「好きな絵柄」を突き詰めた結果、流行から外れた絵柄になってしまうことや、リバイバルブームでレトロな絵柄を使うこともあり、絵柄が古くても主線、細かいパーツ、カラーリング、ニュアンスが今風なこともあり、作者が年齢に関係なく絵を描き始めたばかりで違和感を感じる部分をすぐに直せる融通が利くタイプだと嫌われづらい。
そのため、若い感性と最新の流行が重要で30歳以上の女作者、女読者を受け入れないようにしているプロスポーツのような一部のコンテンツ以外では「マダピク」はレッテル貼りになってしまいやすい。
マダピクではない絵柄、そのグレーゾーンは、
- 男性向けの古い絵柄
- 全部ではなく一部のみが古い絵柄(主線の描き方や色の塗り方だけが最新、話やノリだけが最新など)
- 作者が知っててわざと古い絵柄で描いていそうな作品(薄暗いホラー漫画、ギャグが寒いパロディ漫画、舞台が昭和の漫画、マイナー属性が重要なマイノリティ向け漫画など)
- その作者の絵柄として安定している(進展しないのと別)
- 基本パーツは最新のものではないが、登場人物の感情、扱う道具などの情報が常に更新され続けていて、見飽きるパーツがない
- 作者が絵柄や描き方を変えられ、融通が利きそうで「手癖」のみで漫画を描かない
逆にマダピクだと思われやすい絵柄は、
- 女性向けかつ古い絵柄かつR-18GかつZ級(「おばさん臭い」「嫌い」と思われる最大の原因)
- 判子絵や牛歩の展開でもないのに、登場人物の心の動きを感じられない
- 新しい古いに関係なく「癖」のようなものが強い(パーツに「これが良くてこれが駄目」「これが美しいパーツでこれが醜いパーツ」という法則はなく、描き慣れていない雰囲気や手癖で描いている雰囲気や泥沼要素がそう思わせる)
- 新しい古いに関係なくパーツが「嫌いな絵柄」「古い情報の形骸化」「必要性のなさ」という形で表れている
- 単純に泥臭い、暗い、下手糞過ぎるの言い換え(原色やエアブラシの多用、暗い色の肌、明るい笑顔や美しい泣き顔なのにハイライトが大き過ぎて粘着性と嫌悪感しか感じられない顔、レザーやベルト・セーターや靴下のみを使うこだわりを感じられない服、陰毛のような主線、シチュエーションは明るいのに絵が冷たい、など)
- 話は面白いのに絵柄に癖があって誤解されやすいのではなく、悪い精神状態がそのまま絵柄に出ている
- 古いパーツや汚れが一切ない空間を異世界(アニメ、漫画、ゲーム)ではなく現実世界の情報として描いている
pixiv内では「茶化す」形でマダピクと呼ばれることも多く、タグが付いている作品はそのようなものが多い。
古い絵柄とノリを愛嬌のあるネタに昇華させた例に、ZAGZAGのCMなどがある。