マーケティング
まーけてぃんぐ
企業などが顧客のニーズを調査してそれに応える商品やサービスを企画・開発し、それを消費者へ届けるまでの一連の活動のこと。単なる「販売」や「宣伝」とは異なり、「何を」「誰に」「どのように」提供するかを考え、商品が売れ続ける仕組みそのものを設計する活動を指す。
マーケティングの概念自体は、20世紀初頭のアメリカで生まれたものとされている。市場が成熟するにつれて、作り手の都合で商品を企画する「プロダクトアウト」の発想から、顧客のニーズを起点に商品やサービスを設計する「マーケットイン」の発想へと重心が移っていった。
20世紀後半以降は、テレビなどのマスメディアを活用したマス・マーケティングが発展し、さらに21世紀に入ってからはインターネットやSNSの普及により、個々の顧客に対して最適化されたアプローチを行うデジタルマーケティングが主流となりつつある。
マーケティング戦略を考える際の古典的な枠組みとして、誰に売るかを定める「STP」や、何を・いくらで・どこで・どう伝えるかを設計する「4P」がよく知られている。
実際の活動の流れも、古典的には次のように捉えられてきた。
まず消費者への調査によって市場の需要を把握し、その結果をもとに研究・開発を進めて商品やサービスをリリースする。次にそれらを宣伝・広告によって広く認知させ、最終的に販促などのセールス活動を通じて購入へと結びつける。
ただし現代では、こうした区分は実態に合わなくなりつつある。デジタル化の進展により、顧客データをリアルタイムに収集・分析できるようになったため、調査・開発・宣伝・販促の各活動は明確に区切られず、相互に影響を及ぼし合うものとして運用されることも少なくない。また、購入後も顧客との関係を継続的に育てていくこと(リテンションやLTVの最大化)が重視されるようになっている。
古典的には「人は製品そのものではなく、それがもたらす価値(ベネフィット)を買う」「品が良いから買うのではなく、良い結果を期待するから買う」とされる。(セオドア・レビットおよびフィリップ・コトラーの説)
いわゆる「客はドリルじゃなくて穴が欲しい」的な話である。
当然だが、買ったことが無い物を「良い物であるから買おう」は少なくとも初回は起こり得ない。前に買ってよかったから今度も良いかも、他の人が良いって言ってるから良いかも、パッケージが良いから良いかも、つまりは何処まで行っても良い物という期待で買っているのである。
故に中身がいくら良くとも、動画のサムネが悪ければ・同人誌の宣伝や表紙が悪ければ・fanboxの誘導が無ければ・ゲームの宣伝や案件配信が無ければ、そもそも中身に辿り着かない。
鬱陶しいまでの続きはFANBOXで!や極太赤フォントサムネ、表紙詐欺、Vtuberコラボ、これらはとりあえず中身を見てくれという意図が共通している。嫌いな人も多いこれらはなんと基本に忠実なのである。
これは当然pixivやTwitterにおけるイラストにも共通する話である。
上手いことや知っている作品の内容であることへの期待から閲覧を行い、「上手い」「面白い」「すけべだ」「役に立つ」「他の人と感想を共有したい」などという価値(ベネフィット)を持って評価したり拡散を行う。
同人イナゴなどと言われようと、みんなが知っている作品で描いた方が、とりあえず中身に辿り着くという意味では正しい。
また「イラストより漫画の方がウケる」などと言われるのは「絵の上手さ」という価値は無数に溢れ上位互換がいるが「面白さ」なら比較的に勝負しやすいからである。
つまり相手にどういう価値を感じて欲しいのか考えるのがイラストにおけるマーケティングである。自分で魅力も説明出来ない作品がウケるのはただのマグレである。
とはいえ「職人主義的にひたすら技術や上手さを極めるのが王道でマーケティングなど邪道」というのも一つのあり方である。
いいものなら売れるなどというナイーヴな考え方は捨てろ:漫画で有名なマーケティングの一つの真理を突いた台詞
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