ミハイ・シュティルベイ
みはいしゅてぃるべい
鎌使いの達人。
香坂しぐれの父が作成した大鎌を武器にし、彼女から父の作った得物で恐らく最も多くの命を奪った男とされる快楽殺人者。あらゆる武器で殺しを楽しんだと語り、最後に行き着いた大鎌の命を刈り取る快感に酔いしれ、多少不利は目をつぶっている。
非戦闘員の女子供を嬉々として殺し、弟子級同士の戦いに乱入する事にも躊躇しない残虐非道な性格で、武道精神を見せる者とは反りが合わない。しかし、断罪刃の一員としては他のメンバーの言葉に矛を収めるなど、最低限の協調性は持ち合わせている。
避けるのが面倒という理由で防弾スーツを着こみ、更にその下にしぐれの父が作った帷子を装備。最終決戦に置いては超薄型対衝撃プレートを仕込む、いつでも脱出できるように基地内の構造を調べておくなど、用心深く慎重な一面を持つが、それが災いしてか作中では戦闘中の油断が目立ち、単純な実力では特A級の達人の中で劣っていると思われる場面が幾つか見受けられる。
一影九拳が陽動として梁山泊を引きつける中、闇の軍資金(約二千トンの金塊)を積んだタンカーを世戯煌臥之助を除いた他の八煌断罪刃と共に護衛し、調査に来た警官隊をわざと殺さない程度に止め、指揮系統を混乱させて警官隊の動きを麻痺させた。
兼一と美羽を連れてタンカーに乗り込んできたしぐれに対し、弟子を見逃してくれという彼女へ、「他の皆はいいだろうけど、多分俺が殺しちゃう」とのたまい、しぐれに一撃を喰らうが、鎖帷子によって戦闘不能を避ける。
ミルドレッド・ローテンスと戦うしぐれへ白浜兼一と風林寺美羽を人質に脅しをかけるが、突如踊りだした兼一の行動にフリーズして二人に逃げられかけ、激怒して兼一を殺そうとするが、日本政府の依頼を受けて乱入してきた、闇の無手組のクリストファー・エクレールとマイクロフトに阻まれ、更には香坂流の最終奥義によってしぐれを除いた全員に逃げられてしまう。
その後、いくつかの戦場を本郷晶と共に転戦するが、武道精神を嫌う快楽殺人者のミハイと戦意を持たないものを手に掛けることをよしとしない本郷とは水と油であり、時には女子供を手に掛けようとする場面を止められるなど、互いに苛立ちを強めるばかりであった。
最終決戦においては、かつて戦ったアパチャイ・ホパチャイとアーガード・ジャム・サイの叩きに乱入し、再会した彼を「心優しきもう一人の死神」と称した上で、甘い性格でよく生きていられたと嘲笑し、彼に「悪い死神」と呼ばれる。
勝ち目のない戦いに挑む梁山泊を嘲るが、逆鬼の信念のこもった目にこの戦いが陽動であることに気が付き、本郷と共にミサイル基地へ戻ると、基地内で行われていた兼一と鍛冶摩里巳の戦闘の場に遭遇し、一歩遅れた本郷を部屋の扉を閉めて隔離。不利に陥った兼一へ止めを刺そうとするも、鍛冶摩に制止された事で両者を殺害しようと鎌を振るう。
しかし、扉をねじり貫手で破壊した本郷が侵入すると、ターゲットをそちらへ変更したが、一瞬にして敗北。壁を突き破って基地の外へと叩きだされた。
それからしばらく意識を失っていたらしいが、風林寺砕牙と、穿彗の戦いがほぼ決着した後にその場へ乱入。砕牙を殺そうとするも、今度はしぐれに敗北。得物である鎌を破壊され、再び意識を失った。
その後は恐らく、ビッグロックへ収監されたと思われる。