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モカコーヒー

もかこーひー

イエメンまたはエチオピア産コーヒーの総称、名前はかつてイエメンにあったコーヒー積出港モカに因む
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概要編集

イエメン、またはその対岸に位置するエチオピア産コーヒーの総称。名前の由来はかつて積出港として栄えたイエメンのモカ市にある港にちなむが、現在モカ市から積出はしていない(19世紀中に機能を失う)。しかしエチオピアはコーヒー原産国、イエメンは世界に広めた自負があったため、お互いの豆を区別しないまま輸出していたことでモカ港から積み出された豆をまとめてモカと呼んでいた。そして、昨今においても歴史的な名称を継承したままブランド化している。


歴史としてはエチオピアのコーヒー豆をイエメンにいたアラブの商人が行商し、世界に広めたという経緯となっているため、世界最古のコーヒーブランドでもある。


イエメン産編集

昨今ではエチオピアが主流となっているため、現在となってはけっこう稀少となってしまったが、今もなお原油、天然ガスを産出できないイエメンにとって貴重な外貨獲得源。イエメン産をモカ・マタリと呼び、イエメン北西部に展開するマタル地方にちなむ。豆の形状はエチオピア産とは異なり小粒、香りもエチオピア産とは全く別物で、よくワインのようなフレーバーと喧伝される。日本では西田佐知子のコーヒールンバによって有名になり、当時主流だった深煎りに合っていたので一躍人気ブランドとなり、日本の喫茶、コーヒーショップブームを加速させ、かつて日本にはモカと名乗る喫茶店がいっぱいあった。


エチオピア産編集

世界で数多く出回っているのはこちらのエチオピア産であり、こっちは粒が長いロングベリー種である。かつてはイエメン産のモカ・マタリと比較して格下の安物と見られていたが、原産国の自負を持ち、民族同士の対抗意識が強かった同国は互いに産地で品質を競い合った結果、次第に世界の市場から高い評価を獲るようになっている。産地によってモカ・◯◯◯と名付けられ、かつては東部にあったモカ・ハラーが知られており今でもボールドグレインなどは高い値段で取引されているが、昨今では南部に位置し、ブラジルのウォッシュ技術を採り入れたモカ・シダモ(中でもエチオピア産モカの価値観を変えたとまでいわれるモカ・イルガチェフェを筆頭にグジ、シャキッソなど産地が細分化されてきている)、ナチュラル製法では南東部に位置するモカ・アビシニア(ゲディオ、メナなど一帯のアビシニア高原産の総称)、西部に位置するモカ・ジンマ、モカ・レケンプティなどの産地もブランド力を高めている。その他、ゲイシャという幻の高級品種があり、これもモカ・ゲイシャという名称で出回っている。


このようにブランドによってエリアが細分化されていく傾向は静岡県産緑茶、セイロンティーなどでも見られている現象である。


課題編集

両国とも政情不安が暗い陰を落としており、輸出制限が行われたりと安定供給が課題となっている。それどころか泥沼化している内部紛争によって両国とも主要港からの輸出がストップしている(別国ルートを使うしかない)ため確保に苦労している状態である(そうならないように専門業者も積極的に、在庫確保に動いている)。


余談編集

  • 海外で飲まれているが、日本ほどモカコーヒーに執着する国もないらしく、現地でブランド化が進んだのも日本のマーケットを相手にしてきたからでもある。
  • 他産地とのブレンド豆としても人気があり、その場合もモカ・◯◯◯となる。
  • このモカコーヒーにちなみ、コーヒー色のことをモカと呼ぶ。
  • コーヒーにチョコレート、ミルクを入れたデザート風飲料をカフェモカというが、実はコーヒー豆はモカに限らないらしい。
  • 現在までモカコーヒーを積み出していた港は、イエメンではアデンであり、エチオピアではジブチである(エチオピアはエリトリア独立によって海のない内陸国となっている)。
  • コロンビアにモカという開発品種があり、それをコロンビア・モカと呼んでいる。

関連タグ編集

モカ コーヒー イエメン エチオピア ジブチ

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