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概要

鹿児島県奄美大島の伝承に伝わる山の精霊

小さい子供の姿をしており、何時も大木の根の元に座っており、姿を人前に晒すことは無く、人が近づくと後ろに回って隠れてしまうとされる。

その名は「山の坊や」という意味で、山で悪さをすると道に迷わせたりするといわれている。また現地では木霊山彦もヤマンボの仕業と考えられていたとされる。なお岐阜県加茂郡でも山彦のことを「ヤマンボ」と呼ぶらしいが、関連性が有るのかについては分かっていない。

また山で大木の木の実を拾う時は全部拾わずに一部をヤマンボの為に残さなければならないルールが有り、恵原義盛著の『奄美怪異談抄』には次の様な話が掲載されている。

奄美大島で起きた事である。

ナオマツとマンヅルという2人の娘が、強い北風が吹いた次の日なので、きっと椎の木が沢山落ちていると思い、おやつを持って山の中へと入って行った。

山奥深くに分け入って行くと、やがて、今まで見た事もない程の大木の下に出た。

するとその下には誰かが零しておいたと思われる程に沢山の椎の実が落ちており、2人は夢中になって拾い集め、実を1粒も残さずに取ってしまった。

実を拾うだけ拾った2人は喜び勇んで家路に就くが、どうした訳か行けども行けども覚えのある道に出る事ができずに、そうこうしている内にまた元の場所に戻ってきてしまっている事に気が付いた。

「ウーイ」とナオマツが叫ぶと、直ぐ近くから同じように「ウーイ」と声か聞こえて来たのだが、そこ声は人間のものではなかった。

2人はもう椎の実どころではなかったが、ナオマツは言い伝えのここを思い出し、これはヤマンボの分まで椎の実を取ってしまった為に道に迷わせされたのだと悟り、そこ事をマンヅルに伝えると、元の大木の元に行き、拾った実を全部零して再び歩き出すと間もなく覚えのある道に辿り着き家に帰る事ができたのだった。

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