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ユメノクラゲ

ほしのひどら

日本の淡水域に生息するクラゲの一種。 幻の淡水クラゲとも呼ばれる。 メイン画像右上。
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概要編集

和名ユメノクラゲ/ホシノヒドラ
学名Astrohydra japonica
分類刺胞動物門(腔腸動物門) ヒドロクラゲ綱(ヒドロ虫綱) Trachylinae亜綱 淡水クラゲ目(マミズクラゲ目) ハナガサクラゲ科 ユメノクラゲ属
体高/直径ポリプ:0.2~0.3mm/クラゲ:0.5~2mm
分布域日本(静岡県島田市、三重県鈴鹿市、滋賀県琵琶湖東京都)

珍しく淡水域に生息するクラゲの一種。

湖沼や用水路に生息する。

現在までにわずか数回しか発見されておらず、幻の淡水クラゲとも呼ばれる超希少種で、日本に3種分布する淡水クラゲのひとつ。(後の2種はマミズクラゲイセマミズクラゲ)

ホシノヒドラと呼ばれる淡水産ヒドラから遊離する。

ホシノヒドラは野外で何度か発見されているのだが、ユメノクラゲの自然下での確認例はなぜか一切存在しない。

発見~幻の存在に~再発見まで編集

1974年11月に静岡県川根町で橋本碩によりポリプが発見され、1981年に新属新種の淡水ヒドロポリプ、ホシノヒドラとして新種記載された。

発見されたポリプは研究室で10年間飼育され、10年後の1985年5月に4個体のクラゲが分離し、そのクラゲにはユメノクラゲの和名が与えられた。

このクラゲ達は生殖巣を形成する前に死亡した。

2年後の1987年には再びクラゲが出現し、今度は生殖巣も形成した。

その後は全く見つからず絶滅したかと思われたが、それから31年後の2018年4月に、東京都内の公園の池で発見されたホシノヒドラから飼育下で15個体のユメノクラゲが分離し再発見。最長87日間生存した。


これら以外にも、マミズクラゲの幼体の可能性が高いが、

不確定な飼育下での出現情報がある。

形態・生態編集

ホシノヒドラ編集

樽型または瓶型で直立する小さなイソギンチャクのような姿で、マミズクラゲとは異なり、コロニーは形成せずに単独で生活する。

刺胞を有す12本~24本の擬触手(触手ではない)を使い、ワムシ貧毛類ウズムシブラインシュリンプ等を捕えて捕食する。

ごくまれにクラゲを出芽するが、基本はポリプの状態で暮らす。

クラゲを出芽する際はストロビラを経由しない。

マミズクラゲの仲間のポリプはクラゲの他にフラスチュールと呼ばれる楕円形幼生を出芽する生態を持つことが知られている。

本種のフラスチュールは長さ0.2~0.5mm程で、時速3mmで匍匐移動し、移動先で1~2日後にポリプに変化する。


ユメノクラゲ編集

傘は半球状で、幼体と生体の姿はほとんど変わらない幼形成熟(ネオテニー)のような形質を示す。

触手のように見えるものは厳密には触手ではない擬触手である。

ブラシ状の擬触手は最初は4本で、成長するに従って増えていき、放射状に並ぶ。

擬触手には針状の毛が生えている。

生殖巣は口柄基部の胃腔外側に形成される。

関連タグ編集

タンスイクラゲ クラゲ ハナガサクラゲ マミズクラゲ イセマミズクラゲ 一属一種

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