概要
核戦争によって世界が荒廃する以前、当時のアメリカ合衆国軍が開発した人型巨大ロボット。
当時アメリカと戦争状態にあった中国に対して、ひいては世界に誇る『スーパーウェポン』として、アメリカ合衆国の威信を懸けて造り上げられた決戦兵器であった。
本来は中国に占領されたアラスカを奪還するための『アンカレッジ作戦』に切り札として投入される予定であったが、開発が難航して結局作戦終了までに完成することはなかった。
その後、一度も実戦投入されることなくワシントンD.C.のペンタゴン地下に保管されたままお蔵入りとなり、核戦争で世界が滅びたこともあって、以後200年以上に渡り秘匿され日の目を見なかった。
しかし、同地を調査に来たエルダー・リオンズ率いるブラザーフッド・オブ・スティールによって発見され、20年もの間徐々に修復され続けていたのであった…。
性能
当時の軍事技術を結集、コストも度外視して単機での性能を追求して造り上げられたほぼ完全なワンオフ仕様の決戦兵器であり、その戦闘力は正に規格外である。
主な武装は頭部の「アイ・レーザー」2門、そして背中にある投擲式核爆弾「Mark28」。
レーザー砲はエンクレイヴの主力兵器ベルチバードを一撃で粉砕する威力を誇りながら高い速射性を有し、投擲式核爆弾も攻撃範囲は小型故に限定的ながら、キノコ雲を高々と発生させるほどの凄まじい威力(と放射能汚染)をもたらすなど、その火力は絶大の一語に尽きる。
装甲もエンクレイヴの擁する強力な武器による攻撃を一切受け付けないほど頑強であり、単純なパンチやキックですら一撃必殺の威力と化すほどのパワーを誇る。
また、高度な処理能力と自己判断能力を有する人工知能を搭載しており、無人機ながら単独で効率的な作戦行動を行うことが可能となっている。
ゲーム中においてもその戦闘力の高さは常軌を逸しており、なんとレーザー砲による攻撃には如何なる相手も一撃で倒してしまう即死効果が付与されている。
一応味方で敵対することはない相手だが、誤射を繰り返すと割りと直ぐこちらを敵と見なしてくるので、間違えてもプライムに攻撃を当ててはならない。
敵対したが最期、即着弾+即死のチートレーザーで一瞬にして焼かれてしまうことだろう。
また、対中国戦に投入される予定だったためか、戦闘中であっても大音量で共産主義を否定し、民主主義、ひいてはアメリカを称えるプロパガンダを喋り続ける機能を有する。
この機能は開発から200年以上が経過した核戦争後の世界においても失われておらず、かつてのアメリカ政府の末裔とも言えるエンクレイヴとの決戦中にも流されている…。
本作の随所に散りばめられたブラックジョークの代表的なものの一つと言える。
以下、いろいろとアブないリバティ・プライムの日本語訳プロパガンダ代表例
「共産主義はまやかしだ!」「民主主義こそ真理!共産主義は破滅あるのみ!」
「自由こそ全アメリカ国民の権利!」「アメリカは共産主義の侵略に屈しない!」
「指令7395発動!コミュニストを皆殺しにせよ!」「チェン議長と中国に栄え無し!」
「戦況を分析!レッドチャイニーズの勝利は不可能!」「レッドメナスは恐るるにたらず!」
「民主主義に賛同せよ!できぬ者は抹殺する!」「共産主義に屈するよりも死を選ぶ!」
中には頼もしいセリフも。
「障害を探知。強力兵器で粉砕する!」「物質組成、フォトニック・レゾナンス・バリアでコーティングされたチタン合金。任務の障害となる確率、0%!」
「Fallout4」における活躍
前作のDLC「Bloken Steel」において、エンクレイヴの人工衛星による軌道上からのミサイル攻撃によって木っ端微塵に破壊されたリバティ・プライムであった。
しかし、最重要部分の頭部が残っていたことで、キャピタル・ウェイストランドを掌握し強大な組織へと急成長を遂げたBoSのスクライブ(※技術兵)たちにより修復が行われた。
フレームの新造からという再建造に等しいプロジェクトであり、現代の技術で修復したために構造には色々と変更が加えられている模様。
明言されている部分では重量が「3」の2倍となり、それに伴い脚部を一から再設計。関節が液体供給油圧式システムから電磁アクチュエータに変更されている。
しかしながら3→4の10年の大半を費やしただけあって「4」時点ではパーツ単位で見ればほぼ修復は完了していた。
しかし、肝心の頭部CPUに安定して電力を供給することができず、挙句にその問題を解決できるDr.マジソン・リーは3時点で完成後にBoSを出奔しており中枢部分の修復はままならない状態にあった。
また、主兵装である特殊な核弾頭「Mark28」も底をついていた。
主人公がBoSに味方してストーリーを進めた場合、この修復作業に協力することがBoS関連のクエストの主要目標となる。
そうして復活を遂げたリバティ・プライムはかつての性能を完全に取り戻し、敵対するインスティチュートを叩くための切り札として、その圧倒的な力をまた見せてくれることとなる。今回はいくら誤射しても敵対はしないので、安心して後ろから着いていこう。
インスティチュートのアンドロイド兵を薙ぎ払い、「3」では対面の叶わなかったスーパーミュータント・ベヒモスですら頭を掴んで放り投げる姿は圧巻である。
またプロパガンダAIも健在で反共産主義セリフを吐きまくる一方、バンカーヒルに差し掛かると戦闘を中断してでも頭を下げ、かつての戦没者たちへ敬意を示すという一面もある。
そして主人公がインスティチュートに付いた場合、なんとリバティ・プライムはインスティチュートの手に落ち、その圧倒的な力はBoSに向けられることとなる。
スカラ教授
本来は上記の女性科学者Dr.マジソン・リーがプロジェクトの要であり、本作では彼女をBoSに連れ戻すことから始まるのだが、何らかの理由でそれに失敗した場合は在野の変人女性科学者「プロフェッサー・スカラ」ことスカラ教授をスカウトすることになる。
正直に言って3時代から終始文句ばかりのくせに行動も一貫していないマジソンよりも愛想がよく才能の方も掛け値なしの天才なので、マクソンに手厳しい説教を受けることを差し引いても彼女をスカウトするルートのほうが好かれていたりする。
なお、「プロフェッサー」は称号ではなく名前である。
余談
Fallout76では、有料のパワーアーマースキンとしてリバティ・プライム塗装が存在。
さすがに性能は他のパワーアーマーと変わらないが、なにか行動するたびに例のセリフを色々と喋ってくれる。