~記憶を無くした流浪のプレイボーイ~
CV:竹内良太
概要
自らのルーツを求めて旅をしている記憶喪失の青年。
「リングアベル」という名も、苗字か名前かすらわからない。
正式な年齢は不明だが、体験版では「18歳くらい」と自称している。
気づいた時には記憶を失っており、未来の出来事が予言された「Dの手帳」を持っていた。
手帳にティズ達の名が記されていたことから、彼らに同行を願い出る。
手帳に書かれていたイデアを「運命の人」と思い恋焦がれている。
女性の事となるとテンションが上がる女好きで、マイペースに女性を追いかける姿は一見記憶喪失という深刻な問題を抱えているとは思えない程。
美女は勿論恰幅のいい女将さんから幼女な敵まで、守備範囲は幅広い。
冷静に質問を投げかけたり、仲間の相談に乗ったりと、年長者らしい顔も見せる。
また、行く先々の場所や人物、出来事といったものを手帳に逐一記録するなどマメな一面も持っている。
ただし、リングアベルの主観が入っているので、女性型の敵の容姿に言及したり、ノルエンデ産の純正・朴念仁への恨み言が綴られていたりする。
乗り物の操縦も手慣れており、飛空艇の操縦方法を何故か身体が覚えていた。
能力値は素早さと器用さが若干高い。
「サンダガに打たれたかのような衝撃を受けたんだ」
「不思議な文章」を書いた者
リングアベルが手にするDの手帳に記された「不思議な文章」を書いた人物と思われる。
20歳。暗黒騎士アナゼル、本名アナゼル・ディー。出身地不明の暗黒騎士のアスタリスク所持者。非常に生真面目であり、漆黒の鎧と兜に包まれており素顔は不明。
イデアとは幼馴染みであり、なおかつ公国軍六人会議の一員。しかし、何故彼が書いた手帳をリングアベルは持っていたのだろうか・・・?
ところが・・・
ある事がきっかけでリングアベルの中では何かが蘇りつつある感覚を覚え、やがて・・・
ネタバレ注意
クリスタル解放で発生するホーリーピラーでリングアベルの目の前に急襲してきた暗黒騎士アナゼル・ディーと対峙・彼の猛攻に打ち勝ったその時、暗黒騎士の兜が割れ、素顔が露になった。
暗黒騎士アナゼル・ディーの素顔はリングアベルそのものであった
これにリングアベルは絶句。初めて見るアナゼルの素顔と全く同じ顔のリングアベルの存在にイデアは大いに困惑し、リングアベルが一体何者なのか疑う事となった。アナゼルは満身創痍の身体のままグランシップの甲板から落ちホーリーピラーの中に消えていった。
やがて、クリスタル解放による閃光によるショックを重ねるうちに少しずつ記憶が戻っていく中でリングアベルは自身が暗黒騎士アナゼル・ディーであった事を思い出していく。実はリングアベルはティズ達がいた世界とは別の平行世界のアナゼルだったのである。
自分がいた世界での敬愛するブレイブの一人娘・イデアの命を「邪悪なるもの」の毒牙で失い、もはや帰る場所も無くした暗黒騎士だったのだ。その邪悪なる者に恐怖し、何も出来ないままにイデアを見殺しにしてしまった形で・・・。
そして、記憶と暗黒騎士のアスタリスクを失ってもイデアに対する想いだけが残っていたのも全てはこの悲劇と無念が引き金となっていた。また、記憶が戻る事によって知らず知らず邪悪なる者の導きでティズ達の行動がとんでもない事を引き起こしている事実まで判明していく。飛空艇の操縦に長けていたのもアナゼルが専用の飛空艇を持っていた事によるもの。
結局彼は大半の記憶を、暗黒騎士のアスタリスクを取り戻したものの、もはや彼は暗黒騎士アナゼル・ディーではなくアナゼルの記憶を引き継いだリングアベルという一人の男としての存在となった。いや、全てを失っていた時点でもはや彼はアナゼルという人物ではなかったのかもしれない。
また、Dの手帳は書き記した主がアナゼル・ディーである事は伏線であると同時にリングアベルの正体が半分は正解・半分は間違いで、ある種のミスリードをプレイヤーに与えるものとなった。
記憶喪失であったことで女ったらしな面を見せ、女性の住人しかいないフロウエルに狂喜した事もある彼だが、実はそこが彼の故郷であり皮肉な事にそこは彼の生い立ちとして女である母親からフロウエルの貧民街に捨てられ過酷な幼少期を貧民街で過ごした果てに暗黒の力を手にした彼は母を、この世の全てを憎む暗黒騎士アナゼル・ディーとなった場所でもあった。
イデアの父である聖騎士ブレイブ・リーに出会い、暖かい剣で叱咤を受けた彼はやがてリー一家の暖かい家庭にも触れて人間としての正しい心を取り戻しやがて一家に敬愛の念を抱きブレイブ率いる公国に忠誠を尽くした。
ブレイブとしてもアナゼルを側近としてだけではなく実の息子のように思っていたようである。
しかし、ある平行世界に辿り着いた際には「その世界のティズ・アニエス・イデアが死亡している世界」であった事が判明。逆に物語序盤で死亡したかけがえのない者達(ティズの弟ティル・アニエスの親友オリビア)が生きているというティズとアニエスにはまるで今までの出来事がただの悪夢だった様に感じさせ、そしてイデアは父ブレイブが深い愛情を持っていた事を目の当たりにする等一行の目的が揺らぐ世界だった。そんな世界でユルヤナの老師は一行に試練を与え、この世界で死亡していたティズ達の存在に代わる事もできると語る。しかし、リングアベルにとっては他の三人と違い最も残酷な試練であった。
それはかつてのリングアベルと同じ末路となり絶望の限界を超えて狂乱したアナゼルとの戦い、誰も知らなかったリングアベルの上記の過去を同一と言うべきのアナゼルが語り、そして何一つ救えなかった暗黒騎士の力さえも捨て、ついには全てを諦観した彼はリングアベルに居場所を譲るかのごとくどことも知れぬところへアナゼルは消えた。
老師は今や違う世界の放浪者になっていたリングアベルに残酷な現実を語る。『平行世界から流れついたリングアベルにはもう戻れる場所はない事』『流れついた先にいる敬愛する聖騎士も、その家族も、想い人も全ては別の世界の同一人物にすぎない事』『アナゼルが退場した事でこの世界にリングアベルの居場所が生まれた事に対してどうするか?』
・・・この現実にリングアベルは大いに悩む事となった。もう一人の自分が何もかも諦観してしまい退場したその世界でのアナゼルの代わりとして本当に居座るべきなのかと。
ただし、ここで一つの謎がある。それはイデアはアナゼルの素顔を知らなかったはずだが、ブレイブとその妻でありイデアの母であるヲカエは素顔であるリングアベルをアナゼルと認識しているのである。
何故イデアだけは素顔を知らずに今まで育ってきたのだろうか?本当に謎である。
さらにネタバレがあります!
真終章のエピローグで正体を顕にしたエアリーにティズ達三人が対峙するところに仮面を付けていない暗黒騎士が乱入する。終章では、前の世界のティズ達が倒されたグランシップ号の甲板に花を手向け、祈るのみであったが、真終章では(時系列は謎だが)加勢することが出来たようだ。
ブレイブリーセカンド
ブレイブリーセカンドのOPストーリーで語られたところによれば、前作の真終章後にリングアベルは自身がいた世界に帰っていったという事であった・・・。
だが、後に思いがけない形で共に平行世界の旅をした仲間達は彼と再会するも、リングアベルは再び姿を消す。
新たな謎を秘めたまま・・・。
セカンドでの彼の謎
- 前作の彼は記憶が蘇る事で軽いノリの面が段々鳴りをひそめていき(この点はイデアからも指摘されていた)、アナゼル寄りの人格に戻っていた事に対してセカンドで再会した際は軽いノリに戻っていたが、どこか不自然だった。
- ムンフォルトとは何時どのような形で関わるようになったのか?
- 次元管理官になった経緯と理由も明確に語られていない。そもそもその役職は何をする為のものか?
- ヨーコは彼の心の奥底を覗いた時に一瞬驚くがそれが何を意味するのかが結局明かされていない。
- アナゼルに成りすますのは次元管理局のルールで正体を明かしてはならない禁足事項である為だったが、何故正体を明かしてはいけないのかの理由が明かされていない。
- セカンドに登場するアナゼルは本当に前作の序盤に出てきたアナゼル本人なのか?
元ネタ?
ブレイブリーデフォルトはFFならびにスクウェア・エニックス作品からのモチーフと思われるものが多々見受けられる為、彼にもいくつか存在する。
- デッシュ : FF3のNPCキャラクター。記憶喪失・意外な正体で似通っている。
- セシル : FF4の主人公。元暗黒騎士だった過去がある。
- ガラフ : FF5の初期パーティメンバー。記憶喪失・ジョブを扱える・意外な正体が共通している。
- 魔王オディオ : ライブ・ア・ライブの全てを憎む魔王。リングアベルがアナゼルだった頃に当初は憎しみのみで生きながらえていた事から。