概要
和名 | クラヤミノヒカリゴキブリ(通称) |
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学名 | Lucihormetica luckae |
分類 | 網翅目(ゴキブリ目) ゴキブリ亜目 オオゴキブリ上科 オオゴキブリ科 ドクロゴキブリ亜科 ルキホルメティカ属 |
分布域 | エクアドルの活火山トゥングラワ周辺 |
南米・エクアドルにある火山性の熱帯雨林に生息する虫で、名付けられたのは2012年とごく最近のことである
特徴
仮にもゴキブリなのだが我々のよく知るあの薄汚い生命体とは異なり、茶色い翅と「胸」の顔マークみたいな模様が特徴。
その上暗闇で体が光るという能力を持ち、光る色は蛍光グリーンのおしゃれな虫。
なぜ光るの?
発光する生物といえば、深海魚のように「獲物をおびき寄せる」や「影を隠して身を守る」か、蛍のように「仲間と連絡を取る」というのが主流。
だが彼らの場合は同じ地域に生息するコメツキムシの一群で光り有毒のヒカリコメツキに擬態して身を守るとされ、そのために発光バクテリアを体内に共生させる形で自らを光らせていると考えられている(実は目玉に見えるのはバクテリアが通る穴)。
だが発光する能力は生きた状態で確認されたわけではなく、標本に特殊な実験を行って証明されただけ。なので、他の用途がある可能性も否定できない。
絶滅?幻の虫
実はこの虫、標本自体は1939年に採取されている。しかしそれ以降は全く再発見されず、研究自体も進んでいなかった(だから70年以上も名無しでほったらかしだった)。
そもそもこの虫が生息していた熱帯雨林は活火山がある地域で、近年も噴火の影響で環境が激変。
ゴキブリなのでたくましく適応しているor他にも生息地があって、どこかで再発見される可能性も否定できないが、限定的な環境で暮らす生物は環境の変化に弱く、数十年に渡って再発見例が皆無という事実も「相当な稀少種で数が少ないから」だと考えられる。噴火で現地の環境が変化している事も踏まえればすでに絶滅した可能性が高く、自然界の無慈悲さを感じるところだ。
ちなみに火山のせいで絶滅のトリガーが引かれた先輩にオオウミガラスがおり、古生代ペルム紀の大量絶滅も世界的な火山活動の影響で引き起こされたと考えられている。
関連タグ
→標本が1体しか残っていない絶滅種。他にも様々な分類群に存在する。
ヒカリモンゴキブリ・近縁種