CV:羊宮妃那
人物
本作の登場人物の一人。
父たるシアン男爵が貴族に取り立てられる前、冒険者時代に関係を持った女性の子供。
母娘二人暮らしの後に母が亡くなり、孤児院での生活を経て、レイニの存在を知った男爵に引き取られた。
孤児院時代ではレイニを巡る争いが絶えず心を病んでしまっていたが、男爵に引き取られパレッティア国立貴族学院に入学して以降も何故か状況は全く変わらなかった。
そんな中で唯一普通に接してくれたユフィリアを密かに貴族の先輩として慕い、平民として育ったレイニは貴族としての在り方などの考え方・知識などを彼女をみて学んいた。
ユフィリア自身も気を遣って彼女を指導していたのだが、ユフィリア自身の問題もあってユフィリアがレイニを虐めているという誤った認識をする者たちが多発。
更にユフィリアの婚約者であるアルガルドを含む一部の面々が過剰に反応し、最終的にユフィリアはレイニに仇成す共通の敵として認識され、レイニは彼女に対して自身の意志とは関係なく恩を仇で返す羽目になってしまう。
挙句にそれだけでは終わらず、その後も
- 事情聴取をした生徒の反応が二極化している
- 聴取した貴族からすらレイニを弁護する意見が出てくる
- アルガルドはじめ追放騒ぎに関与した生徒の一部は親からしても首をかしげる対応
等々、アニスですら疑問を抱く奇妙な事態が頻発することになる。
最終的に諸事情でアニス達のもとに保護され、誰も彼もが由緒正しい家系の出のなかで貴重な「市井の感覚」担当を担うこととなる。
余談
本作は乙女ゲームおよび悪役令嬢ものをベースとしているが、アニスの行動によってそれが覆り、このジャンルにおけるステレオタイプの物語を早々に逸脱している。
そして彼女は、アニスというイレギュラーがいなかった場合なら主役の立ち位置である。ユフィリアが「もう1人の主人公」なら、レイニは「アニスがいたため0人目の主人公になったキャラ」といったところか。
ちなみにパレッティア王国は斜陽の時代を迎えており、水面下で様々な不安要因があることからアニスとレイニがいなければ滅亡が確実とされているとのこと。
つまり情勢を俯瞰すれば、実は王国最後の砦と言える。ちなみにそのような「運命力」を、作中ではアニスと折半して背負っていたからなんだかんだうまくやれているが、アニスがいなかった場合の彼女はそれら全てが彼女の肩へのしかかり、重荷が過ぎて人間性を失うらしい。
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以下、アニメ未放送分のネタバレ
当人も自覚していなかったが、彼女はアニスが仮説として立てていた「吸血鬼伝説の元となったであろう存在」の実証例。簡潔にまとめれば「魔物化した人間の末裔」であり、すでに死亡しているため真相はわからないが、レイニの母親がそうであり遺伝で受け継いだと推測されている。
能力は大きく分けて「不老不死を実現しかねない高い再生能力」「そのための魔力を吸血という形で他者から獲得する吸収能力」「他者に対する精神干渉能力」の三つ。これまでの事例は彼女自身に一切の自覚がなく、三番目の力が半ば暴走。それにより不特定多数の人間が「レイニに対する庇護感情の刷り込み」を受けてしまったことに由来。またこれらの特性によるものか、体内の魔石を奪われても魔力と血があれば激痛と引き換えに魔石を回復させることも可能。
制御できない能力で王族まで魅了されていることから秘密裏に殺害されることも考慮されるが、「一人いるのならほかにもいる可能性」を軸としてアニスが保護及び監視(そして研究)を行う方向で修正。幸か不幸かユフィリアは自身の精神性からむしろ同情を示し協力的であり、アニスと共に仮説をしていたティルティの指摘もあり任意発動を制御に成功する。
しかしこれが更なる要因となり、一連の事態はパレッティア王国の命運を左右する事態へとつながっていく……。
なお吸血鬼伝承の元になったのは、自分の研究を生きて完成させ、出来ないのなら自分のコピーを作ってでも成し遂げようとした狂気の魔法使いであるとされる。つまり人為的に吸血鬼になれる方法があることを意味し、また彼女から摘出した魔石を埋め込むことで後天的に近しい状態になる事例があるなど、同族はほぼ確実に存在する。
後に国境どころか詳細情報もない隣国に複数人が存在すると発覚。パレッティアを揺るがしかけた吸血鬼は、更なる脅威となりえるかもしれない。