「クール、それでいいわ」
「清麿、頭をフルに働かせなさい!」
「私達の力を120%引き出して、初めてあいつと互角に戦えるわ!!!」
「デモルト… 私達の力は人間の力を得て初めて発揮されるもの」
「本物のパートナーを得た私の力…」
「本物の力というのを見せてあげるわ!!!」
概要
漫画「金色のガッシュ!!」及びアニメ「金色のガッシュベル!!」に登場する千年前の魔物の一人(他作品における同名のキャラクターは曖昧さ回避記事のレイラを参照)。
CVは宍戸留美氏。
本の持ち主はアルベール(詳細は個別記事を参照)。
公式からプロフィールが明かされていないため、人間換算年齢や好物等は不明(一応、原作最終話の描写を踏まえれば年齢は8~9歳だと思われる)。
本の色に関しては、公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」にて青紫と解説されている。
石版編において、作品内外で「もしレイラがいなければガッシュ達は絶対に勝てなかった」と評されるほどの非常に重要な役回りを担ったキーパーソンであり、千年前の魔物サイドにおける主人公といっても過言ではない存在。
その誠実で真っ直ぐな性格だけでなく、いわゆる「鬼の角」「ジト目」「紫髪」「おかっぱ」等の魅力的なビジュアルも相まって読者人気も非常に高い。
現に連載当時に行われていた公式人気投票では、登場して間もない第2回の時点でも18位、石版編終了後に行われた第3回では10位にランクイン。
更に、2023年7月にマイナビが開催したアンケート「金色のガッシュ!!で1番好きな魔物の子は?」ではなんと6位という高順位にランクインしており、女性魔物の中で1位かつ石版魔物の中でも1位、女性魔物及び石版魔物の中で唯一のトップ10入りという快挙を成し遂げており、現在でも根強い人気を誇る魔物である。
人物像
容姿
ガッシュやティオ達と同程度の小柄な体格。
現代の魔物と比べても、そこまで人間離れした容姿ではない。
自身の本の色と対応しているかのように、全体的に紫(青紫)を基調としたビジュアルになっている。
紫色のショートヘアと黄色い小さな二本角が特徴的で、瞳の色も紫。
着用している服(ロングスカート?)も、黄色い襟元と中央の丸い模様(?)以外は紫一色であり、性格を表すかのように寒色系で落ち着いた印象を受ける。
また、上記の丸い模様に手を当てることで「先端が三日月を象ったスティック」を取り出す(及び収納)することができ、全ての術を自身の身体ではなくスティックから放つ。
これについては、作中でも胸元に手を当ててスティックを取り出している描写が何度かあり、公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」でも「胸にある三日月に手をかざすと武器が発動する」と解説されている。
ビジュアルに関する作者コメント
他、レイラのビジュアルについては、「金色のガッシュ!!と雷句誠原画展」にて販売された「OFFICIAL VISUAL BOOK」でも作者の雷句先生が、
「レイラはいつも『おませさん』なイメージを出そうとしている」
とコメントしているため、おそらく意図的に大人しめの色が使われているのだと思われる。
性格/作中屈指の善性
前述のように、原作最終回にて人間換算年齢が8~9歳ということが示唆されているのだが、年齢の近い魔物達と比べても喜怒哀楽をハッキリと表に出すシーンが少なく、淡々とした表情を浮かべている印象が強い。
とはいえ、実際は千年前の魔物の中でも極めて誠実かつ善の心を持つ魔物であり、「現代の魔物の中でも極めて狡猾」なゾフィスとは対極に位置するような存在。
作中では「本の持ち主と意志疎通ができず、少しでも裏切りがバレてしまえば再び石に戻されてしまうかもしれないという大きな恐怖を抱えている」という状況でも自身の考えを曲げず、迷わずにガッシュ達を助けた上で「間違ってるのは私達なのよ」と言い切るほど。
現に千年前の魔物達の大多数は「石に戻される恐怖」や「千年間も石版にされていた事による憎しみ」等で性格が歪んでしまっている中、レイラに関しては戦闘で鬱憤を晴らすような言動や暴力的な言動すら一切せず、初対面のガッシュ達にすら丁重に接しているのだから、作中でもトップクラスの善性と精神力を併せ持つといっても過言ではないだろう。
子どもらしさ/ギャップ萌え?
他、基本的にはクールで冷静沈着な振る舞いで一貫しているが、原作116話では車の玩具や人形で遊ぼうとしていたり、原作147話ではゾフィスの歌(暗号)を思い出せずフォルゴレ達に怪我を負わせてしまう等、時折年相応の子どもらしさや天然ボケな一面も描かれている。
そのようなギャップ、というか可愛らしい面がきちんと描かれている点もファン人気に繋がっているのだと思われる。
身体能力
小柄かつ細身な容姿をしているものの、本気を出した際には自身の数十倍はありそうな巨体のデモルトを肉体強化呪文抜きで持ち上げて投げ飛ばすほどの怪力を秘めており、瞬発力・機動力も含めた素の身体能力が非常に優れている描写も多い。
術
術属性に関しては、公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」にて「操り」属性と解説されている。
バルトロやロップス、パムーンと同じ属性なので、作中の描写も踏まえると、おそらく「スティックを介して三日月を自在に操る」という意味合いでの「操り」なのだと思われる。
前述の通り、術は全て三日月のスティックから放たれる。
前方の三日月には顔が描かれており、眉間の部分に穴が開いたデザインとなっている。この穴から術を放ったり、三日月自体がスティックから分離し術になる様子が見られる。
アニメ版では三日月と柄が光のロープで繋がった状態で分離し、ロープ部分を自由に伸ばして扱うという能力が追加されている(シェリーのフレイルを想像すると分かりやすい)。これはガッシュやゼオンのマント、アースのヴァルゼーレ剣のような、術とは別にその魔物や武器が元から持っている能力に分類されると思われる。鉤縄のようにロープを伸ばして三日月を遠くに引っ掛けたあと、ロープを短くして遠くに移動したり、敵の足にロープを巻きつけバランスを崩すなど様々な応用を見せている。
作中で披露した術は5つのみ(金色の本による影響も含めれば6つ)であり、火力の高い術も見受けられないため、単純なレパートリーや威力面ではやや見劣りする印象は否めない。
とはいえ、最大呪文であるミベルナ・マ・ミグロンは作中でも屈指の応用性や多芸さを誇るので、レイラ自身の冷静さや優れた戦況判断力も合わせて考えると「火力によるゴリ押しではなく、本の持ち主との連携や術を操る技術面で勝負する」タイプなのかもしれない。
ミグロン
スティックを前方に構え、三日月状の先端の中央に空いた穴から光線を放つ。
一応「~ロン系」なためか、原作121話で清麿に当たってしまった際には鞭のようにしなっており、多少なり質量のある光線だと思われる。
ちなみに、作中では上記のように「先端の穴から光線を発射している」のだが、公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」では「三日月の根元が鞭のように伸びて攻撃」と解説されており、実際の描写と矛盾が生じている。
これが解説ミスなのか、あるいは初期設定の名残のような類なのかは現状不明。(前述のアニメ版におけるレイラのバトンの能力はこの解説を参考に追加したものなのだろうか?)
ミシルド
同じく先端の穴から光線を放ち、三日月の形をした盾を展開する。
作中では半透明な薄いガラスのように描かれており、強度も低めな印象。
ちなみに外部サイトでは「スティックの先端の三日月が巨大化し、盾になる」と書き込まれていることもあるが、これは誤りなので注意。先端そのものが変形・分離するのは後述の呪文3つ(4つ)である。
現に原作本編で使用したシーンでは「スティックの穴から光線が放たれ、その先で盾が発生する」という描写で一貫しているし、公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」でも「武器の三日月から月の形のシールドが放たれる」と解説されている。
オル・ミグルガ
スティック先端の三日月を巨大化させ、回転をかけて飛ばして攻撃する。
発射後もレイラの手の動き(スティックの動き)に連動させ、軌道をある程度操作可能という利便性を持つ。
作中では一度回避した清麿達に対し、ブーメランのように動かして背後から追撃したり、デモルトの術を回避するような巧みさを見せた。
ラージア・ミグセン
同じくスティック先端の三日月を巨大化させて飛ばし、攻撃する。
キッドのラージア・ゼルセン等と同じく「物体の大きさを拡大する」タイプのラージア系であり、三日月の大きさも数メートル~10メートルほどにまで膨れ上がっている。
ミベルナ・マ・ミグロン
レイラの最大呪文。30個以上もの三日月を一斉に出現させ、様々な効果を巧みに組み合わせて戦う(ネット上では三日月の数について「26個」と書き込まれている場合もあるが、原作155話の発動シーンでは30個以上描かれているため、「30以上であり正確な数は不明」と表現する方が正しい)。
この術に関しても、発動中はスティックの三日月部分が消え続けているため、おそらく三日月部分が一時的に変形・増殖しているのだと思われる。
作中でも珍しい「魔物と本の持ち主が別々の役割を担当し、それぞれの意志を合わせなければ効果を正しく発揮できない」というトップクラスに扱いの難しい術であり、作中でもレイラ自身が「操られた心では扱えない難しい術」と称している。
具体的には、まずレイラが「何らかの効果を発動させる三日月を番号で指定」し、続いてアルベールが「それらに発動させる効果を発声する」という二段階を踏むため、お互いが「どの三日月を用いて何をしようとしているか」を正確に理解し続けなければならない。
だが、その分トップクラスの多彩さや制圧力を秘めており、作中ではアルベールと完璧な連携を披露し、最強クラスの肉体強化系であるバルスルク系で超強化されたデモルトをも単独で長時間抑え込むほどの性能を引き出した。
効果一覧
- 回転(ロール)
指定した三日月を一斉に回転させ、移動させる。
- 攻撃(ファイア)
指定した三日月を爆発させ、攻撃する。
爆発自体の威力は低いようだが、作中では相手の動きを逸らす・体勢を崩すタイミングで爆発を起こして動きを阻害するという「火力ではなく技で勝負する」レイラらしい扱い方を見せた。
- 連結(コネクト)
指定した三日月同士を光線で結び合わせる。
この光線に関しては、作中でもデモルトが「網」と称した上で実際に触れているような描写があるので、下記の「収穫」も踏まえるとミグロンと同じように質量を持った光線だと見なして間違いないだろう。
- 収穫(ハーベスト)
上記の「連結」の際に指定した三日月を一斉に回転させ、一気に光線ごと捻るようにして相手の体勢を崩す。
この効果に関してはレイラが三日月を指定し直さず、上記の「連結」と合わせて「連結&収穫」といった流れで連続使用された。
ミベルナ・シン・ミグロン
ミベルナ・マ・ミグロンがシン級に強化された術。
クリア完全体との決戦にて、ガッシュの「金色の本」を介して使用された呪文。
ミベルナ・マ・ミグロンと同じように大量の三日月を展開し、パムーンの「ファルセーゼ・バーロン」と共にビクトリームの「シン・チャーグル・イミスドン」の発射台になった。
レイラが単独で使用した場合
作中では単独での効果が不明だったが、作者の雷句先生が2011年に自身のTwitterにて、
「ニューガン〇ムのファンネルのような物がたくさん出る呪文。レイラ自身が星々から無限の攻撃方法を生み出す」
……と術の効果を回答されたため、遂に効果が多少なり明らかになった(実際のツイートへのリンクはパムーンの記事における「ファルセーゼ・バーロン」の解説欄を参照)。
上記のツイートから察するに、おそらく「ミベルナ・マ・ミグロンよりも三日月の数が増えており、効果の種類も増えている」「もしくはレイラ自身で操作できる自由度が大幅に向上している」等の強化・発展を遂げていると考えられる。
ネット上の誤解
尚、ネット上ではミベルナ・シン・ミグロン及びファルセーゼ・バーロンに関して、「クリア完全体が発した消滅弾の動きを停止させた」と書き込まれていることもあるが、これはデマ(というか誤解)なので注意。
現に作中では消滅弾を「止めている」ことを示すような台詞・描写・効果音等は一切確認できないため、単純に「クリア完全体が消滅弾を降らせてくる前にレイラとパムーンが術を展開し、まだ空中に弾がある内にビクトリームの術で撃墜した」という演出だと思われる。
活躍
本編
初登場は原作116話。
ゾフィスに心を操られたアルベールと「本当のパートナー」になれることを純粋に願い、ガッシュ達に出会う前から何とか彼と交流を図ろうとしていた。
ビクトリームとの戦闘で疲弊したガッシュペア・ティオペア・キャンチョメペア、及びウマゴンと対面。同行していたダルモスの攻撃からガッシュ一同を庇い、自身の考えを示しながらティオペア・キャンチョメペアの一時撤退に貢献。
その後はガッシュ・清麿と共闘するも、既に清麿は心の力を使い果たしていたこともあり劣勢に立たされ、自ら降参を宣言。
すぐさまダルモスに殴られそうになるも、間一髪で駆け付けたウマゴン及びサンビームによって救われ、戦闘後は「月の石」を渡して彼らの傷を癒す。
「遺跡から街の方へ魔物が向かっている」という情報を清麿達に教え、再会を約束して一旦別れる。
その後は原作144話にてガッシュ達と再会。
だが、裏切りに気づいたゾフィスから「再び石に戻される」幻覚(及びそれによる恐怖)を植えつけられてしまっており、苦しみながらも清麿達を攻撃せざるを得なくなる。
対する清麿も「ゾフィスにできるのは『術を解く』だけで『術をかけ直す』ことはできない」「月の石の正体は巨大な洗脳の自動制御装置」という真実を告げた上で身を挺し、何とか石版の恐怖に打ち勝ってほしいと必死に呼びかける。
葛藤を超えて自ら「月の光」の外に出た時には、強烈な幻覚によって精神が崩壊する寸前まで追い詰められる。
そんな中、操られているはずのアルベールが自らレイラを抱き上げ、涙を流すという奇跡が起き、その温もりを感じて石への恐怖を克服。
デモルト戦でもガッシュ陣営の味方として終始貢献し、終盤には「月の石」が砕けたことで精神操作から解放されたアルベールと文字通りの「本当のパートナー」となり、真の力を発揮して勝利に大きく貢献した。
ブラゴもゾフィスとの決着をつけた後は、自ら本を燃やしてもらい、ガッシュ達との別れに。
アルベールに感謝を告げて彼の頬にキスをし、ガッシュ達に激励を送りながら魔界へと帰った。
その後は「術」の項目で述べたように、クリア完全体との最終決戦にて再登場。
パムーン・ビクトリームと共に見事な連携を見せ、勝利に貢献した。
原作最終回ではガッシュと同じ学校に通っており、パムーンと合わせて「ガッシュ達とは2つ上の学年」であることがティオの口から明かされた(※)。
(※)石版編開始頃に発売された公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック」ではガッシュの年齢が6歳と解説されており、かつクリア編で明確に1年が経過しているため、レイラも8~9歳だと判断できる。
ガッシュカフェにて
完全版に収録された「ガッシュカフェ」ではビクトリームと共演しており、その際に千年前の戦いと合わせてビクトリームとの関係性も多少なり明かされた。
千年前からビクトリームとは「仲間のような腐れ縁のような存在」であり、彼と何度も翻弄されながらも共闘していたという。
この描写から、ファンの間では「原作での初登場時、ビクトリームと同じ部屋にいたのは既に仲間のような関係だったからなのでは?」と考察されている。
余談
パムーンとの関係
作中では2人が直接話しているシーンは皆無なものの、レイラとパムーンは多数の共通点が見受けられるため、ファンの間では2人をカップリングして扱う場合もある。
具体的な共通点については内容が重複してしまうので、パムーンの記事における「余談」の項目を参照。
ガッシュとの共通点
当記事の冒頭にて「レイラは千年前の魔物サイドにおける主人公のような存在」と述べたが、実は主人公であるガッシュとも共通点が多く、そういった見方ができる点からも主人公的なキャラクターだといえるのかもしれない。
具体的な共通点は以下の通りである。
- 目の描かれ方が似ており、「二本角」「小柄」といったビジュアル面も似通っている。
- ちなみに角に関しては、作者ブログ「雷句誠の今日このごろ。」にて「似ているが親族ではない」「ガッシュと違ってレイラの角には特別な意味は無い」と回答されている(ガッシュの角が持つ意味合いについては非常に重要なネタバレを含むため、「ガッシュ・ベル」の記事を参照)。
- 雷句先生の直筆で水着姿が描かれている(ガッシュは原作39話/レイラは完全版7巻の裏表紙)。
- 小柄な外見とは裏腹に相当な怪力を誇る(テッドとの小競り合いで巨石を持ち上げるガッシュ/デモルトを持ち上げるレイラ)。
- 特異かつ孤独な環境に追い込まれても決して善性を失わない(記憶喪失のまま戦うことになったガッシュ/千年後の世界で石化を解かれ、石の恐怖を拭えないままでも戦ったレイラ)。
- 本の持ち主が年の離れた男子学生(清麿/アルベール)。
- 本の持ち主との連携によって真価を発揮する術を修得している(ザグルゼム及びジオウ・レンズ・ザケルガ/ミベルナ・マ・ミグロン)。
関連イラスト
関連タグ
アルベール……懸命に心を通わせ、確固たる絆を築いた大切なパートナー。
ロップス/バルトロ/パムーン……同じ「操り」属性の魔物達。奇しくも全員がガッシュと何らかの関わりを持っている(ロップスはガッシュと対決してライバルのような関係になった魔物、バルトロはガッシュの恩人である清太郎を攫った張本人、パムーンはガッシュと友情を築いた魔物)。
ビクトリーム……ガッシュカフェにて昔から仲間だったと判明。
チェリッシュ……強力なマ級を披露してから一気に強キャラとなった女性魔物同士。